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新宿-安曇野・大町・白馬(バス路線)
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新宿西口反戦意思表示・第一陣 ユーモラスな若者たちの行動、政治への諧謔を受け入れることなく、表現の自由という基本的な権利を侵してまで、不当逮捕を強行したのは、何故ですか。 そこには、政治的な意図を感じざるを得ません。 法を守るべき立場を捨てゝ、政治権力の走狗と化すことは、警察の自滅的行為です。即刻三人の若者の拘束を解き、陳謝して本来の公僕に立ち返りなさい。
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西新宿清掃曲 / サイモンマン NORMAL Rank Name Score Result Just Great Good Bad Poor Rate Date 1 SOLB 1250 リザルト 315 24 2 0 0 AAA 23/6/25 2 Yamajet 1238 リザルト 377 38 31 0 0 AAA 23/6/14 3 areacode60 1196 リザルト 341 73 27 0 6 AA 23/6/17 4 S.CROW 1156 リザルト 305 101 39 1 1 AA 23/6/5 5 ちよや 1081 リザルト 232 173 39 1 3 A 23/6/24 6 凹・_・凹 1004 リザルト 209 140 97 0 0 A 23/6/10 ANOTHER Rank Name Score Just Great Good Bad Poor Comment 1 朝倉千仙 1518 401 102 111 4 11 リザルト 2 SYD 1429 347 124 140 6 10 79967-hs3 登録者一覧 S.CROW SOLB SYD Yamajet areacode60 ちよや 凹・_・凹 朝倉千仙
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我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか ――ポール・ゴーギャン 知らず、生まれ死ぬる人、いづかたより来たりて、いづかたへか去る ――鴨長明、方丈記 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 何も大学と言う場所は、年の若い男女達が主役の場、と言う訳ではない。 年配の人物や、一時別の大学を卒業し、社会人を経験したのに、また戻ってくる者も、少なくない。 何故、その様な事をするのか、と言う理由についてであるが、これに関しては、本当に人それぞれである。 時間と金にゆとりが出来たので、学歴に箔をつけてみたいと言う中年もいる。 今の仕事を辞め、新しくやりたい仕事の為に、貯金を切り崩して、必死に大学で勉強しようとする二十代後半の社会人もいる。 高校を卒業してすぐに仕事を始めたり主婦になったが、勉強をしたくなったので、受験に備えて勉強し、入学する主婦もいる。 では、彼女は、どんな経緯でこの大学に入学し始めたのだろうかと。 W大学の文学部哲学科で教授を務めて三十年のベテラン、山田司郎はパワーポイントで作ったスライドを移動させ、講義内容を口にしながら考えていた。 『田村玲子』は率直に言って、山田がこれまで教えて来たどの生徒よりも物覚えが良く賢い女性だった。 登録された学生のデータによると、彼女の年齢は二十六歳。脳細胞の全盛期を過ぎた人物とは思えない程、頭脳も冴えている。 掃いて捨てる程いる、この大学に入れる程の知能を遊び呆ける為だけに使う、若いだけの男女にも見習ってほしい程であった。 ただ賢いだけでない。山田は主にサルトルを専門的に研究している人物だが、田村は鋭い切り口で此方に対して質問を投げ掛けて来る事が多い。 その質問に関しても、よく彼の著作や二次文献を読み漁っている事が良く解る内容で、答えがいのあるものばかりだ。早い話、哲学についても造詣が深い。 是非とも自分のゼミに入って欲しいものだと山田は願っていた。彼女程優秀な学生は、恐らく自分の教授人生の中で、二度と現れないのでは、と言う確信すらあった。 哲学科の教授と言うのは他の学部の教授達と比べて各界へのコネは少ないと思われがちであるが、実は書籍の編集の世界へのコネを多く彼らは持っている。 山田もその一人だ。田村が望むのであれば、懇意にしてやっている嘗ての教え子に彼女を紹介して、高い地位を与えてやるのも良いし、 彼女自身の高い語学力を活かさせて、翻訳の仕事を紹介しても良い。 ――このように山田は、田村玲子に対して露骨とも言う程贔屓をしているのだが、同時に彼女には謎が多い。 先ず彼女が、この大学に来るまで何をやっていたのか、もとい、前職はなんだったのかと言うのが解らない。そして同時に、彼女の家族構成も全く分からない。 だが最たる謎は、何故この大学に入学したのか、であろう。十八、十九程度の年齢の少年少女なら、遊びたかったからとか、勉強がしたかったからとか言うのが相場だ。 大した謎じゃない。しかし、時期に三十路になろうとしている人物であった場合、何かしらの理由がある筈なのだ。生徒でなくても、教授だってこれは気になる。 以前同じ講義を聞いていた女学生のグループが、田村にその事を聞いていたが、如何にも大人の口ぶりで、「ちょっと勉強がしたかっただけよ」と答えていた。 嘘だろうな、と山田は思った。無論山田は読心術など使えない為、これが本当に田村の本心だと言う可能性だってきっとある。 それなのに彼がそう思った訳は、あくまでも勘である。その勘が、何故だろう。とても信頼が出来るのだ。十何年以上も研究し続けた、サルトルについての事柄が叩き込まれた己が大脳よりもだ。 それともう一つ気になる事は、田村の身体から醸される、冷たい気配だ。時折、彼女と目がバッチリ合う事がある。その瞬間、山田はいつも寒気を感じるのだ。 人間以外の生物。例えるならば、人間の知能を持ったライオンに見つめられているような。そんな感覚である。 たまに思う事があるのだ。田村は、本当に人間なのだろうかと。人間の姿をした化物なのではないのだろうかと。 ……考えすぎか、と思う事にした。 どうも昨日の、学会で発表する為の論文の作成作業による徹夜が響いているようだ。 講義が終わったら学内の自販機で、学生が良く飲んでいるエナジードリンクとやらを買って飲んでみるかと山田は考える。 チラリと田村に目線を彼は移した。机に突っ伏して寝ている男子学生を両サイドに侍らせながら、彼女は真面目にノートに、自分の発言を纏めているのであった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 新宿 は嘗て 魔震 と呼ばれる未曾有の、そして地学史上稀に見る程不可解な大地震より、一時壊滅的な大ダメージを負った街であると言う。 日本国の徹底的な復興作業と、世界各国から集まった義捐金で、復興不可能とすら嘗ての専門家は口にした程の被害ぶりは跡形もなく消え去った。 ――が、それでも。嘗てこの国で 魔震 と呼ばれる現象が起った何よりの証拠である、 新宿 と他区の境界線をなぞる様な形で生まれた 亀裂 だけは。 しっかりと東京都に刻み込まれているのであった。 新宿 は 魔震 前のような、東京都の中でも取り分けて栄えた区としての地位を、今や完全に取り戻したと言っても良い。 が、この区の行政の頭を悩ませているのが、やはりあの深さ五十数㎞以上にも達すると言われているあの亀裂である。 あれのせいでどれだけ不便な交通網を区民や都民に強いているのか、区長は痛いほど理解していた。 一色あの亀裂を埋め立てようと言う計画も立つには立ったが、コストと時間がかかり過ぎる為に結局お流れになった。 結局あの亀裂に対する対策は、橋を増やすしかないと言う極めて頭の悪い事でしか解決が出来ない。これはある意味で、人間の敗北とすら言える。 このように 新宿 は行き来するのがやや不便な区なのであるが……不思議なものである。 そんな区でも、ホームレスと言うのは何故か集まるのである。周りを亀裂で囲まれたこの区ではなく、足立や葛飾にでも行けばいいのに、態々 新宿 へと足を運ぶ。 何故彼らがそんな事をするのかは、聞いて見ない事には解らない。都会の喧騒が心地よいからなのか、それとも飯を恵んでくれる物好きがいるからなのか。 それは、解らない。少なくとも人並みの生活を送る人間には。そして、誰も気にしない。戸籍も住民票もない人間がいなくなっても、誰が問題にすると言うのか? 「そう言う目で見てくれるな、アサシン」 新宿 は新大久保の裏路地に響くその声は、妙齢の女性のものであった。 聞く者が聞けば、あっとなるだろう。さにあらん、その声の持ち主の名は、田村玲子。W大学の文学部哲学科に在籍する生徒の一人なのだから。 まるで時間が凍結した様に静かな路地だった。 夜と言うせいもあろう、裏路地故に人の出入りが少ないと言うせいもあろう。 だが人がそもそも存在しない訳は……今田村が、『アスファルトにこびり付いた赤黒い液体を、二リットルのミネラルウォーターで洗い流している』からではないのか? そして、田村のその作業を冷めた瞳で見つめる、黒い全身タイツ状の服を着用した、体格の良い青年は、何者なのか? 「人間の食事からでもエネルギーが摂取出来る事は出来るが、人間からエネルギーを取るのとでは効率が違い過ぎる。責めるのはよせ」 「……」 アサシンと呼ばれた男、『駆動電次』は答えない。 寡黙な男だ、と、地面にミネラルウォーターを流し続けながら田村は考える。後藤も寡言な男だったが、駆動は後藤以上に何も喋らない。 最後に喋ったのは、駆動を呼び出した時の自己紹介の時だったか? あの時は自分のクラス名だけを伝えて、駆動は即座に霊体化した。 本当に、それ以外田村と駆動は言葉を交わしてすらいない。三木のようにお喋りを好む性質と言う訳では田村はないが、それでも、全く駆動の方からアクションを起こさないのは困り者だ。 田村玲子、と言うのは彼女の本当の名前ではない。 否、訂正するべきか。彼女には名前などない。いやそもそも、彼女の性別も嘘であれば、彼女の肉体自身も嘘である。 彼女と言う呼称も、便宜上、肉体が女性のものであるから用いているだけである。 田村玲子と言う存在は『パラサイト』と呼ばれる生き物だ。Parasite……つまり寄生虫とか寄生生物を意味する英単語であるが、 田村玲子達パラサイトと言う者達の生き方は、その英単語と違える事はない。彼らは人間の脳に寄生し、その身体を乗っ取る生き物なのだ。 彼らの主食は原則、寄生した生物と同系の生物……つまり田村の場合は、人を喰う事になる。 但し彼女は、本来人間が食べるような野菜や牛や豚などの肉でも、パラサイトが生命活動を維持出来る事を知っている。 知ってはいるが、彼女が述べた通りエネルギーの摂取効率が違い過ぎる。だからこそ――こうしてホームレスの肉体を喰らっていたのである。 これから巻き起こる聖杯戦争の熾烈な争いを生き残る為のエネルギーを蓄える為に。尤も、この街には広川はいない。従ってパラサイトの為の食事場も無い。 だからこそ食事には細心の注意を払い、人を『綺麗』に食べ、人が死んだと言う形跡を可能な限り消さねばならない。なくなって見て初めて解る、広川と言う男の手腕よ。 右手に刻まれた、人間の眼球と口を模した、淡く発光するタトゥーを見つめる田村。 自身が聖杯戦争の参加者である事を如実に示す烙印とも言うべきか。令呪、と呼ばれているものらしい。 何の因果かは解らないが、田村はこうして 新宿 の聖杯戦争へと招かれてしまったのだ。あの時草野の死体から零れ落ちた、不思議な鍵など拾わねば良かったと考えだす。 これが人間が言う所の後悔か、と田村は自問する。初めて知った時は不可解な感情だとこれっぽちの理解も示さなかったが、成程。今はよく理解出来る。 昔ならば、世界の終りが告げられても。自分の身体に死が舞い込んでも。ああそうか、と思うだけで、何の感慨も湧かなかった筈だ。 だが何故だろう。今は、田村は余り死にたくなかった。死そのものに恐怖していると言う訳ではなく、死んだ後で自分の知らない・知りたい事が起ってしまうのが惜しいのだ。 目下の懸念は自分が寄生した女性の母体が、Aとセックスした事で生まれたあの赤子である。あれはひょっとしたら、自分達パラサイトが何者なのか。 と言うインスピレーションを、自分に与えてくれるのでは――そう思い育てて来た筈なのだ。だが今は、そんな思惑とは別の感情が湧いて来ているような気がする。 女は子を産み母となり、母は子を愛で母性を知る。知識としては田村も知っている。それと同じような気持ちが、自分にも湧き起っているのか? パラサイトが人の子を案じているのだろうか。ありえない……話では、ないのかも知れない。狼に育てられた、アマラとカマラではないが、 そもそもパラサイトは人の脳に寄生する生き物だ。元来人間の脳が有していた、物事に対する考え方を、パラサイトに影響を与えても、不思議はないだろう。 元の世界に戻りそして、あの赤子の行く末を見てみたい。 だが、聖杯戦争も気になる。パラサイトは神と言う超自然的かつ絶対的、そして概念的で形而上学的な存在を信じない。 しかし実際、そのような超越者がいるのだと言う。そしてその超越者が、聖杯と言うものを実際に用意してもいると言う。 聖杯が叶える願いと言うものに対する執着は希薄だが、実際にこの 新宿 に馳せ参じているというサーヴァント、と言う名の過去の英霊、 或いは異世界の強者の姿を、見てみたい気もする。好奇心、と言う奴である。動物に備わる本能とは違う欲望が強くなっているのが田村には解る。 この上、――命名していいのかは解らないが――赤子に対する母性だ。全く、次から次へと、興味の念は絶えない。 「アサシン」 緘黙を貫く自らのサーヴァントに、パラサイトの女は問うた。 「人は――『我々』は、何処から来て、何処へ行くのだと思う」 それは、田村を現在進行形で悩ませる問いかけ。 パラサイトは何の為に生まれ、何の為に生きるのか。田村玲子はこの命題を追い求める為に子供を成し、自らの同胞を殺めた。 今や人間以上に優れた知性の持ち主となったパラサイトですら答えられぬ問いに、駆動は何と答えるか。はたまた、沈黙を貫くだけか。 「俺にとっては人もお前達も、白紙に過ぎない」 それは酷く虚無的な言葉だった。 不思議なものである。人と言うのは些細な痛みにも神経質に反応し、些細な事で怒り、喜び、そして悲しむ生物だと思っていた。 駆動にはそれらがない。人間を人間足らしめる感情が極端に希薄なのである。パラサイトである自分ですら、それらに対してやや理解を示して来たと言うのに。 何故この男には、それらがないのか。田村には、理解が出来ない。 ――……面白い―― 田村は駆動に興味を覚えた。 人の身でありながら人間に対して強い憎悪を抱き、人と言う種を間引く為に敢えてパラサイトに接触して来た広川と言う男に対して抱いた感情と同じだ。 この男は自らの存在を哲学する為のサンプルに成り得る。自分達パラサイトの存在の謎と、存在する理由を解き明かすツールが、此処まで揃うとは。 自分は幸運なのかも知れないな、と、田村は思うようになる。 二リットルのミネラルウォーターのペットボトルを、路地の脇に置き終えた田村が、スタスタと裏路地の方を進んで行く。 要件は終わった、と言う事を言外に示している。その事を感じ取った駆動も霊体化を始め、彼女に追随する。 ……まさか、田村も知る由はあるまい。 怒りや悲しみ、絶望が強くなり過ぎた時。人は、その感情や情動を失うと言う事など、想像すら出来ないだろう。 そして自らの引き当てたサーヴァントこそが、その類であった事など、解る筈もないだろう。 彼の名は、駆動電次。 人の身体に奇居子を寄生させられる事で人生を狂わされた、哀れな男。孤独で報われない戦いを終生行い続けた、原始的な暴力の化身。 駆動は惰性で戦うだけである。相手が奇居子だろうがサーヴァントだろうが、それは変わらない。今も夢見る、人間としての幸福を求めて。 【クラス】 アサシン 【真名】 駆動電次@ABARA 【ステータス】 (黒奇居子発動時) 筋力A+ 耐久A++ 敏捷A+++ 魔力E- 幸運C 宝具EX (黒奇居子非発動時) 筋力B+ 耐久B+ 敏捷A+ 魔力E- 幸運C 【属性】 中立・悪 【クラススキル】 気配遮断:A++ サーヴァントとしての気配を絶つ。完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。 示隔領域と言う空間を纏う事で高度に発達した科学技術や高ランクの千里眼や感覚スキルを持たない限り不可視の状態を維持可能。 自らが攻撃体勢に移ると、むしろ気配遮断のランクが『上がる』。この気配遮断の数値は、後述の宝具を発動した時の値である。 【保有スキル】 戦闘続行:A+ 往生際が悪い。瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。 再生:A+ 傷を付けられれば、即座に回復する。四肢の欠損からですら、常人には視認不可能な速度で復活出来る。 但し、頸椎の剥離に関して言えば、再生能力が格段に落ちる。 反骨の相:B 権威に囚われない、裏切りと策謀の梟雄としての性質。同ランクの「カリスマ」を無効化する。 千里眼:C+ 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。とくに不可視化などを、ほぼ完全に無力化する。 単独行動:D マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。ランクDならば、マスターを失っても半日間は現界可能。アーチャークラスでの召喚ではない為、ランクは低い。 【宝具】 『はらぺこゴウナ(黒奇居子)』 ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:自身 検眼寮が保管する、奇居子及び示現体に対抗する為の聖遺物であり最終兵器。 その正体は数百年前に存在した大企業、第四紀連が白奇居子をもとにして開発した生体兵器。単体では、甲殻を持った虫状の生物。 これ自体は何の意味もなく、これを人間に寄生させる事で初めて真価を発揮する。この宝具はアサシンに移植されている。 宝具を発動させると、胞(えな)と呼ばれる、非常に強固な外骨格状の組織装甲を形成、それで己の身体を身を包み、全能力の爆発的な向上を行わせる。 アサシンの場合は肋骨(あばら)状の組織を形成する。宝具を未発動、つまり非胞展開時においても、圧倒的なスペックを発揮する。 特に向上が著しいのは敏捷性についてで、重力や慣性の法則、衝撃波の発生と言う不可避の現象を無視した、極超音速での空中機動をも齎す。 残像すら確認出来ない程の速度での高速移動による不可視性に加え示隔領域と呼ばれる自身の透明化を保証する空間を纏う事で、 Aランク以下の感覚、気配察知、直感、千里眼に類するスキルや宝具を完全に無効化する。 弱点である頚椎の剥離を除いて、一時的な行動不能状態にすら持ち込む事は困難であり、四肢断裂ですら常人には認識不可能な速度で再生する。 胞は追加展開が可能で、緊急時には盾のように用いることも可能。驚異的な速度での活動にも耐える高速思考や、大気圏外における活動も保証される。 魔力消費が極端に少ない常時発動型の宝具。解除は可能。 黒奇居子を埋め込むと言う事は非常に危険な措置であり、アサシンはこの宝具を埋め込まれた三人の内の一人。 残りの二人の内一人は知能と情緒の大幅欠如、一人は車椅子での生活を余儀なくされた程。アサシンには目立ったデメリットはなく、ほぼ完璧に馴染んでいる。 但し、アサシンに関しては極端にデメリットが少ないとは言え、奇居子を元にした宝具である以上、アサシンはこの宝具を発動させると人喰いの衝動を発動させる。 そして聖杯戦争に際しては、その特徴がフィーチャーされており、この宝具を発動してから一分が過ぎた場合には、凄まじい空腹感に襲われ、人を貪り喰う衝動に苛まれる。 この衝動が発動した時には、魔力消費の少ないと言う長所が消滅。宝具性能に見合った、爆発的な燃費の悪さがマスターに襲い掛かる。 【weapon】 【人物背景】 報われないヤドカリ 【サーヴァントとしての願い】 不明 【マスター】 田村玲子@寄生獣 【マスターとしての願い】 自らの存在意義に関する謎の解明 【weapon】 【能力・技能】 田村玲子は人間ではない。この生き物はパラサイトと呼ばれる寄生生命体で、この個体はとある人間女性を宿主に決めた数あるパラサイトの内の一人。 パラサイトは人間の脳を奪うと首から上と同化して全身を操り、顔は同じでも元の宿主とは全く別の人格となる。 寄生部分である表面を含めた頭部全体が「脳細胞」の状態となり、脳・眼・触手・口などの役割を兼ねる。 一見すると一般の人間と同じだが、頭部は自由に変形しゴムのように伸縮したり、鋼鉄のように強くすることができる。 刃物の形状で攻撃する際には鉄をも切断するほど強力であり、重いものを持ち上げる腕力と動きの素早さも尋常でなく、 一般人の動体視力ではその動きを捉える事すら不可能に近い。いわば考える、強靭な筋肉。 またパラサイト宿主の体を身体能力の限界に近い状態で長期間稼働させる事も可能。 ただし、寄生部分以外はあくまでも人間のままである為無茶は出来ない。理性や感覚が働かない為に、限界を超えた負荷を発動して負傷する事も珍しくない。 また彼らは痛覚に対する恐怖が希薄で、痛みを恐れない。但し自分がどの程度まで痛めつけられれば死に至るかと言う事については理解している。 寄生部位の頭は非常に再生力が強く、生半可な兵器では死に至らしめる事は難しいが、人間としての部位は別で、主要な内臓に重大な損壊を負えば死ぬし、頭を胴体から切り離され放置しても死ぬ。 以上のようにパラサイトは様々な性質や特質を持っており、少々の攻撃では防御されたり避けられたり、ダメージも受けない。 但し、物理的な攻撃には極端に強靭な一方で、毒物・強酸を浴びたり体内に取り込まされる、火をつけられるなど、細胞同士の反応がずれたり、神経伝達に齟齬が発生する攻撃には不覚を取る事もある。 【人物背景】 人に寄生する事でしか生きられないか弱い生物。自らのレゾンデートルをいつも悩み続ける寄生獣 【方針】 聖杯戦争を楽しんでみる
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【本編】 No. タイトル 登場人物 場所 時刻 作者 03 さよならレイ・ペンバー 佐藤十兵衛&セイバー(比那名居天子)ジョナサン・ジョースター&アーチャー(ジョニィ・ジョースター)ロベルタ&バーサーカー(高槻涼) 西新宿方面(京王プラザホテル周辺) AM8 00 ◆2XEqsKa.CM 11 鏡像、影に蔽われて ウェス・ブルーマリン&セイバー(シャドームーン)番場真昼/真夜&バーサーカー(シャドウラビリス) 四ツ谷、信濃町方面(南元町下部・食屍鬼街) AM1:30 ◆2XEqsKa.CM 15 夢は空に 空は現に 結城美知夫&キャスター(ジェナ・エンジェル)ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ&キャスター(タイタス一世{影}) 結城美知夫&キャスター(ジェナ・エンジェル)→市ヶ谷、河田町方面(富久町・超高級マンション)ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ&キャスター(タイタス一世{影})→高田馬場、百人町方面(百人町三丁目・高級ホテル地下・墓所) AM0:45、AM7:30 ◆2XEqsKa.CM 23 唯我独善末法示離滅烈 ソニックブーム(フマトニ)&セイバー(橘清音)セリュー・ユビキタス&バーサーカー(バッター) 歌舞伎町、戸山方面(西大久保二丁目)を移動中→ソニックブーム(フマトニ)不明→橘清音歌舞伎町、戸山方面(西大久保二丁目 路地裏)→セリュー・ユビキタス&バッター AM9 20 ◆2XEqsKa.CM 34 太だ盛んなれば守り難し 葛葉ライドウ&セイバー(ダンテ)佐藤十兵衛&セイバー(比那名居天子)塞&アーチャー(鈴仙・優曇華院・イナバ) ライドウ組→西新宿方面(京王プラザホテル周辺)十兵衛組→西新宿方面(柏木三丁目・廃教会)塞組→西新宿方面(京王プラザホテルの一室) AM10:30~11:00 ◆2XEqsKa.CM 43 推奨される悪意 北上&アサシン(ピティ・フレデリカ)セリュー・ユビキタス&バーサーカー(バッター)番場真昼/真夜&バーサーカー(シャドウラビリス)赤のアサシン 北上→歌舞伎町・富山方面(新宿三丁目周辺、北上(ブ)の暮らす安アパート)セリュー組、番場組→四谷、信濃町(メフィスト病院周辺、薬局前)アサシン(ピティ・フレデリカ)→四谷、信濃町方面(須賀町)赤のアサシン→歌舞伎町、戸山方面 AM12:30~PM1:45 ◆2XEqsKa.CM
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率直に言うと、ダガー・モールスはかなり困っていた。 困っているし、那珂がウザかった。何て聞き分けのない奴なんだ、とウンザリするばかりである。 「今のマスターの地位だったら、コンサートに私をねじ込む事は余裕でしょ!? こんな大きいビルとか使いきれないだけのお金があるんだから」 「無理なものは無理だと言っているだろう……!!」 つくづく、十二時間程前の自分の失言が恨めしいと思うダガー。 舌禍、と言う言葉を人は良くも考えたものである。今のこの状況は正しく、今日の深夜のダガーの発言が招いた事柄であるのだから。 事の発端は、今日の深夜に、那珂と、ダガーの部下であるオガサワラに下した命令である。 その時ダガーは那珂に対して、『聖杯戦争が今日を以て幕を開けたので 新宿 の様子を見て来い』と言う命令を下した。 無論、これではこの頭の軽いサーヴァントは従わないとダガーは考え、あるリップサービスを一つ付けてしまった。 『アイドル活動を行うに相応しいコンサート場所を選んで来い』、この一言が、完全に余計であった。 そしてその場所を、新しく売りに出すこの上京して来たてのアイドルに軽く 新宿 の街を教えてやって欲しい、と言う建前の命令を下されたオガサワラに、 新宿 を案内されているその時に、見つけてしまったのである。 新国立競技場。其処が、那珂が目を付けた場所であった。 新宿 の霞ヶ丘に建造されたそれは、元々の東京都二十三区の新宿区にあったそれとは、趣が少々変わっている。 旧国立競技場、即ち、昔東京オリンピックの陸上競技のステージにもなったあの競技場の歴史については、この世界でも変わっていない。 しかしこの世界の 新宿 は、一度は 魔震 によって壊滅的な被害を負ったと言う点で、通常の新宿の歴史とは大いに異なる。 無論、国立競技場も 魔震 によって異なる運命を歩み始める。 魔震 のせいで一度は、完膚なきまでに破壊されてしまった。 その後復興がある程度進んだ折に、再建計画が浮上、その計画通りに建造されたのが、今の国立競技場、つまりこの世界で言う所の新国立競技場なのだ。 耐震基準や防音措置、耐火・空調・送電と言った、旧来の競技場の問題も全て一新、旧国立競技場の完全なる改良物となったその場所は、スポーツイベントのみならず、 歌手のコンサートにも利用される、日本でも最も高いレンタル料の『ハコ』の一つである。成程確かに、コンサート場所としてはこれ以上となく相応しい場所であるだろう。那珂の目の付け所は、悪くない。 ――其処でコンサートをさせるのをダガーが無理だと言っている最大の理由の一つは、先客が既に其処でコンサートをする事を予約しているからである。 346プロ、と呼ばれるプロダクションである。国内での評価は高く、近年その版図を広げつつあるようであるが、ダガーからすれば取るに足らない会社だ。 其処が既に、新国立競技場でコンサートを行う予定なのである。日程は今日明日明後日の三日間。ライブの様子は生放送で全国に放映される。 その程度ならば珍しくない。問題は、このコンサートは 魔震 から二十年と言う節目に行われる上に、 魔震 の哀しみや傷を吹き飛ばそうと言う名目で開催されると言う、 いわばアニバーサリー的な意味を持つイベントなのだ。国内は勿論、世界からも耳目が集まっている。このコンサートに、自分を飛び入り参加させろと那珂は言っているのだ。 「いいかよく聞けアーチャー、確かに私の力ならば君をイベントにねじ込む事は容易い」 「なら――」 「だが、それはあくまでも『交渉』と『リハーサルや打ち合わせ』を行えるだけの『十分な時間』がある時に限る。それがないのならば無理だ」 其処が、ダガーが無理だと思う最大の理由のもう一つである。先約が先に入っている、程度の問題ならばダガーの力でどうとでもなる。 その『どうとでもさせる時間がない』のだ。346プロがライブコンサートを行うのは、『今日』である。 那珂をねじ込む、と言う言い方では語弊が招かれよう。仮に、コラボや対バンと言う形式で、那珂をそのコンサートに参加させるとしよう。 当然其処には、様々な大人の事情や問題が絡む事になる。諸々の契約及び契約書へのサインを筆頭に、イベントに掛かる費用の負担の割合決め、 イベントで上げた利益は何割得るかなど、と言う経済的な問題だけではない。イベントに参加する歌手やバンドグループにも話を通し、打ち合わせもしなければならないし、 何よりもコラボする側を交えてのリハサールも必要になる。国立競技場とその周辺を貸し切ってのイベント、となれば、動く金は容易く億を超える。 況してや 魔震 の節目の年度に行うと言う一大イベントだ、346側としても失敗は許されない。当然、何か月も前から346は打ち合わせをしているだろうし、 所属しているアイドルも練習を行い続けただろう。そんなイベントに仮に、ダガーが虎の子のアイドルをねじ込むとするのならば、三ヶ月。 最悪一ヶ月前から346プロと話を通しておかねばならない。それだけ、コラボレーションと言う物には面倒な手間が掛かるのである。 今日開催されるイベント、しかも開演まで後二時間を切っているイベントに、今から那珂を参戦させる。 そんな事、どう考えても不可能なのは目に見えている。金や権力があろうとも、手続きに掛かる時間の前ではこうも無力である。 無論ダガーが、極めて強力な魔術的な催眠術の類が使えるキャスターがツテにいると言うのならば話は別だが、生憎ダガーはそうじゃない。結局、諦めるしかないのだ。 それを説いているにも拘らず、那珂の態度はこれなのだ。 那珂の本音は、何かしらのコンサート場所で存分に歌いたいと言う事なのは、ダガーも理解している。 が、 新宿 では既に、明らかに聖杯戦争によるものとしか思えない大規模な戦闘が幾つも起っている事を、ダガーは既に知っている。 これでは最早コンサートどころではあるまい。だから折れろ、と、那珂に対して説明した事もあるが、自身の真の宝具である改二を発動する必須条件に、 『敵の前で目立つ持ち歌を歌わねばならない』と言うのがあるのだから、大衆の前で歌を歌うかサーヴァントの前で後から正体がバレる歌を歌うかの違いでしかない。 と、那珂は反論。如何にも頭の軽そうな見た目の癖して、水雷戦隊の軽巡洋艦那珂としての側面である、鋭い頭の冴えを見せる時があるものだから、ダガーとしては実に腹ただしい。 「第一マスター、そんなイベントがあるって解ってて如何して先にナシとかつけて置かなかったの!?」 ぐぬぬ、と口にしてから、思い出したかのように那珂が口火を切って来た。 「無理に決まっているだろう愚か者!! 時間軸を考えろ時間軸を!!」 そもそもダガーがサウンドワールドから此処 新宿 に招聘され、聖杯戦争の本格開催までのモラトリアム期間など、実質四日もあったかどうかと言うレベルであった。 つまり、ダガーには殆ど、346プロのライブコンサートの事を知る時間が与えられなかった事を意味する。召喚されてから今日に至るまで、 やって来た事はUVM社の案内と、今後の聖杯戦争についての方針会議、そして魔力回復と言う建前で行われる、良質な音楽が生命活動と魔力増幅に直結すると言う、 ダガーの体質を活かした防音練習室での那珂の歌練習等。これでは、ライブイベントの事を知るのが遅れるのも、無理もないと言う物であった。 「それにだ、アーチャー。君が346プロのイベントに飛び入り参加するとして、どんなパフォーマンスをするつもりだったのか、そのヴィジョンを教えて貰いたいのだが?」 「えっ」 この反応。何も考えてない事は確実である。まさかアドリブとノリだけでどうにかなると思っていたのだろうか。……実際本当になると思っていたのだろう。 「それはまぁ、サプライズ枠として……」 「名も売れてない無名の分際でか」 「前々からやりたかったの!! 見た事ない? 歌手の歌う物真似してたら、後ろの舞台の袖からご本人が登場する、って奴」 「誰がお前の物まねをすると言うのだ……」 これはもう此方が折れて、妥協点を那珂に提示するか、彼女の溜飲を下げねば、駄目な流れなのだろうと。 ダガーは本能的に察知した。甚だ面倒ではあるが、そう言った手が、ないわけではない。 彼は那珂と口論を繰り広げていた社長室中央から、バカデカいデスクの方へと近付いて行き、固定電話の受話器を取ってから、電話帳からある男を指名する。 掛けた相手は、1コールで電話に出た。実に迅速な対応であった。 「此方、オガサワラです!!」 「私だ、ダガー」 ダガーが電話を掛けた相手は、UVM本社で働く従業員の一人、オガサワラだった。 この二名が元居た世界でも、今の様な上司と部下の関係であったなどと、知る者はこの 新宿 には存在しない。 「オガサワラ。休憩中に悪いが、お前に緊急の命令を下そう。今着手している最中の仕事はないな?」 「はい、今はありません!!」 「そうか。さて、オガサワラ。今日の 新宿 で開かれる、UVM社が主催に関わっていないライブコンサートイベント。その中で特に大きいものを上げて見ろ」 「え? そ、それは、346プロ単独運営の、 魔震 復興から二十周年記念の、アレです」 淀みなく、当たり前のようにオガサワラは答える。流石に同業者である。それ位の事は常識として頭に叩き込まれていなくては困る。 「それ位はお前でも頭に入っていたか」 「それはもう!! それで、そのイベントが何か? 視察ならウチの従業員が他に行くって聞いてますが……」 UVM社としても、346プロのこのイベントは、放置を決め込むと言う訳にも行かない。 どのようなアイドルがいて、どれ程まで成長したのか、と言う事のデータを纏める為、視察の意味も込めていわば『覆面社員』を数人潜り込ませるのである。 これは恐らくは他のプロダクションについても同様だろう。それ程までに、このイベントは業界での注目度が高いのだ。 「いや、お前に任せた那珂がな、そのイベントに出て歌いたい歌いたいと言って聞かないのだよ」 「ハハハ、それはそれは。ガッツとバイタリティがあって良い事じゃないですか」 「出させろ」 「えっ?」 「は?」 数秒程、電話のこちら側と向こう側で、何とも言えない無言の空気が漂った。意を決して、その空気を打ち破ろうとしたのは、オガサワラの方であった。 「その、出させろ……と言うのは、一緒にライブを見に行くって意味では……?」 「違うぞ」 「じゃあ、ライブステージで歌って踊らせろって事ですか……?」 「そうだぞ」 再び、電話の向こう側が無言になった。と、思いきや。受話器の向こう側で、慌ててオガサワラが、何かのページを捲っている音が聞こえてくる。 「その……言い難い事なのですが、ライブは本日の午後二時からでして……」 オガサワラに言われて、ダガーは腕時計で現在時刻を確認する。 「今の時刻は十二時二十分だな」 「後一時間半ちょっとで346と話を着けるのは……無理、と言いますか……」 「駄目か?」 「これは私の手に余ります……はい」 これを受けてダガーは、五秒程無言を保った後で、やけに大仰な溜息を吐き始めた。受話器の向こうのオガサワラも、当然その溜息は聞こえている事だろう。 「そうか……そうだな。流石の私も無理を言ってしまったな、すまないな、オガサワラ……」 「いえ、そんな事は――」 「なぁ、オガサワラ」 「な、何でしょう?」 「待ち遠しいなぁ、人事異動が」 受話器の奥で、生唾を飲む音が聞こえた。 「本当に有能な人物だったら、例え時間が一ヶ月あろうが一日しかなかろうが、優れた結果を持って来るのだがなぁ。あぁだが、お前が無能だと言っている訳じゃあないぞ。仕方のないケースと言うものは往々にしてあるものだからな。ああ、だが残念だなぁオガサワラ。今回のお前の返事が人事に関係させる、と言う訳ではないが、それでもやはり残念だなぁ」 「や、やります……」 「それは本当か?」 「勿論です!! 是非に私に!!」 「そうか、頼んだぞオガサワラ!!」 其処で受話器をガチャンと切り、その後でダガーは、那珂の方を向いて口を開いた。 「そう言う事だ。後はオガサワラを頼るんだな」 パワーハラスメントは本当に良くないからやめよう。 【市ヶ谷、河田町(UVM本社)/1日目 午前12:20分】 【ダガー・モールス@SHOW BY ROCK!!(アニメ版)】 [状態]健康 [令呪]残り三画 [契約者の鍵]有 [装備]スーツ [道具]メロディシアンストーン [所持金]超大金持ち [思考・状況] 基本行動方針:聖杯確保 1.那珂をとことんまで利用し、自らが打って出られる程の力を確保する 2.オガサワラには不様に死んで貰う [備考] UVM社の最上階から一切出られない状態です 那珂を遠征任務と言う名の 新宿 調査に出しています 原作最終話で見せたダークモンスター化を行うには、まだまだ時間と魔力が足りません オガサワラを使って、那珂を新国立競技場のコンサートに赴かせようとしているようです 【アーチャー(那珂)@艦隊これくしょん】 [状態]健康、艤装解除状態 [装備]オレンジ色の制服 [道具]艤装(現在未装着) [所持金]マスターから十数万は貰っている [思考・状況] 基本行動方針:アイドルになる 1.何処か良いステージないかな~ 2.ダガーもオガサワラも死なせないし、戦う時は戦う [備考] 現在オガサワラ(SHOW BY ROCK!!出典)と行動しています キャスター(タイタス1世{影})が生み出した夜種である、告死鳥(Ruina -廃都の物語- 出典)と交戦。こう言った怪物を生み出すキャスターの存在を認知しました PM2:00に行われる、新国立競技場のコンサートに赴くようです ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ UVM社。この名は略称である。 正式な社名は、Unicorn Virtual Music.inc.であるが、社外の人間は愚か、社員・従業員ですらUVM社と略すので、今日ではこの呼び方が主流だ。 UVM社と言えば、誰が異論を挟もうか、と言う程の国内――否、世界規模から見ても大手の部類に入るレコード会社である。 メジャーとインディーズ、その双方で考えても、この会社程今勢いに乗り、隆盛を誇るレコード会社は存在しないと言っても良い。 UVM社は、自身がプロデュース・制作した音楽や映像作品を配給する独自のネットを持っていると言う意味でも、会社の資産や従業員数と言う観点から見ても、 間違いなくメジャーレーベルと言う分類に分けても良い大企業である。日本を主な活動拠点とするUVMは国内のみならず、アメリカはニューヨークにハリウッド、 中国は北京に上海、イギリスはロンドン、フランスはパリ、ロシアはモスクワ等々、およそ世界の様々な国に支社を持っている程。文句なしの、グローバル企業である。 しかしこの会社の謎な所は、何と言っても世界において『最も新しいメジャーレーベル』であるのに、 『設立からたったの三十年にも満たないと言う余りにも短い時間で現在の規模にまでのし上がった』と言う事である。 簡単な筈がないどころか、不可能な話である。四捨五入を行って兆に届こうかと言う程の資産と、完全かつ完璧な未来予知能力があれば、話も別であろうが。 UMG、EMI、ソニー、ワーナー。世界の四大メジャーレーベルと呼ぶべきレコード社と並ぶ程の力を得られた理由は、表向きは、UVM社の現社長である、 ダガーと言う男の手腕によるところが大きいとされている。実際それは間違ってはいない。レコード会社は何と言っても、人材が全てである。 どれだけ優れた才能を持った人物を発見出来るか、そして育てられるのか、と言う所に全てが掛かっている。ダガーはそれを発見する天才だった。 ロシア人の美少女三姉妹から成る歌手グループ、Kira★Keira(キラ・キーラ)を見つけられたのも。 骨にすら響くと言う重低音のサウンドを鳴り響かせながら、透るような美声と轟く様な低いシャウトを駆使する歌姫、コスミナも 無尽蔵のスタミナと無尽蔵の声量を駆使し、観客を沸かせるパフォーマンスと魂に響く歌声を両立させる、Deadend ASURAも。 全ては、ダガー主導の下発見された原石であり、そして彼の計画の下育て上げられた世界的な音楽グループであり、歌手である。 彼が発見して来た原石は、数限りないと言う事になっている。それは確かな話だろう、そうでなければ、今のUVMの栄耀栄華は説明出来ない。 だがこれも、僅かな期間で急成長を遂げた企業と、その関係者の宿命のようなもの。 これだけの大躍進を遂げた企業なのだ。当然、妬みや嫉み、ネガティヴ・キャンペーンの一環として、悪い風聞が立つのは仕方のない事。 暴力団や裏社会と繋がっている、と言う噂があるが、芸能界であるならばそれも珍しくあるまい。 歌手や女優を枕にしていた、と言う噂もある。これも、『大人の常識』とは言え、経歴を洗えば確かにあったかもしれない。 大杉栄光にとって不可解なのは、『ダガー社長のある噂』についてである。 大躍進を遂げたレコード会社、誹謗中傷に晒されるのは、何も企業だけじゃない。その社長であるダガー・モールスと言う男もまた、あらぬ噂の矢面に立たされる。 その殆どが、余り頭の宜しくない栄光にとっては良く解らないものだ。粉飾決算がどうだとか、脱税の疑いがどうだとか、地頭の悪い栄光には理解すら出来ない。 しかし、そんな彼にも、これは妙だと言う事が一つある。彼が妙だと睨んだ噂、それは、『ダガーは人間ではない』と言うもの。 経営手腕や人間性を指して、人間ではないとか、怪物であるとか、そう言うのであるのならば、話はわかる。 『黒く、巨大なクラゲの様な頭を持っている』、となれば、無視する訳にも行くまい。そうだと言うのならば本当に人間ではない、真実怪物である。 真っ当な神経の持ち主ならば、幻覚を見たのだとか、寝ぼけていたで話は通じるだろう。但しそれは、純粋無垢なNPCのみに限る。 聖杯戦争の関係者どころか、完全なる当事者である栄光は、頭からこの話を疑った。 火のない所に煙は立たぬ、とはさても良く言ったもの。何の根拠も理由もなく、こんな荒唐無稽極まりない噂が、発生する筈がない。 ――噂の真偽を確かめんが為に、栄光はUVMの本社に潜り込もうとしていた。 嘗てはフジテレビの本社が建てられていた事で有名な、 新宿 の河田町。 魔震 によってフジテレビは跡形もなく倒壊し、現在は周知の様に、 港区の台場に特徴的な建造物を建造。昔本社のあった其処を本拠地としているUVMは、 魔震 の復興が始まったと同時に活動を始めた会社であり、 其処からとんとん拍子に業績が上がって行き、現在の立ち位置を占めるようになった、と言う事になっている。 しかし、順平に聞いても、元居た世界にUVM社などと言う会社もないと言う。無論、あの目立つタワーにしても、新宿区に建っていると言う話も聞いた事がない。 そしてそれは、栄光にしても同じ事である。大正時代の人間でありながら、昭和を飛び越え平成の未来の記憶を有すると言う特異な人物である大杉栄光。 記憶を洗ってみても、UVM社と言う会社が存在した記憶はない。繰り返された五つのループの中で、お笑い芸人として活躍していた事も、このサーヴァントにはある。 そのループ時に東京にいた事があるが、UVM社は勿論、新宿区にこんな大それた建物があった記憶もない。 平行世界と言う概念を知ってからは、寧ろこの建物がある世界の方が、本来的には正統なのかも知れないとも栄光は思う。 かも知れないが、やはり、クラゲの怪物の一件は確認しておきたい。この噂だけは、如何にも引っかかる。その目で栄光は、確かめておきたかったのだ。 ……尤も、それも叶わなくなった。 念話を通じて、順平から聞かされた一つの情報。即ち、 新宿 は霞ヶ丘町を所在地とする、新国立競技場で開かられるアイドルのライブコンサート。 其処に赴き、サーヴァントやそれを従えるマスターと何らかの話を、栄光も順平も付けておきたかったのである。 ただ、距離的問題から言って、今から向かっておかないと間に合わない可能性が高いと栄光は判断。仕方なく、UVM社の調査を後回しにし、順平との待ち合わせ場所である、 新国立競技場まで足を運ぶと言う計画に変更した、と言う訳である。順平はペルソナ能力と言う戦闘にも扱える力を使えるとは言え、いつまでも一人の状態にさせておくのは不安が残る。だからこそ、調査を打ち切ったのだ。 とは言え、河田町から新国立競技場等、電車を使えば三十分と掛からず到着出来る距離である。 調査をしてからでも公共の交通機関なら十分間に合うのでは、と思われるが、栄光はそうは考えなかったからこうやって戻っている。 その理由は単純で、電車を使うと遅延の可能性が高いからだ。 新宿 では既に、幾人かの聖杯戦争の主従が鎬を削っている事を栄光も順平も知っている。 一番有名な物で、 新宿 二丁目の辺りで勃発した、あの烈しい戦闘であろう。あの戦闘の余波で、今も自動車交通の便に混乱が生じているのだ。 公道ですらこれなのだ。電車の線路上でこんな事をやられては遅延が発生してたまったものではないし、電車内で戦闘に巻き込まれてしまえば、 ピンチの度合いは道路で戦闘に巻き込まれる比ではない。つまり栄光はもう、電車と言う交通手段を余り信頼していないのだ。 単刀直入に言えば、栄光は今『徒歩』で霞ヶ丘へと向かっている。 結局、UVM社から新国立競技場まで、二㎞と離れていない。これならば徒歩でも行けるし、栄光のスタミナなら走っても余裕である。 一番確実な到達手段が、科学と文明と交通網の整備が三位一体となって初めて成立する公共交通機関ではなく、自分の脚による移動と言うのだから、お笑い草だ。 「暑っちぃ……」 同じ夏でも、鎌倉と 新宿 では暑さの度合いが全く違う。 片や自然と海に囲まれた街、片やコンクリートとクーラーの室外機から放出される熱気が支配する町。これでは体感上の暑さに差が出るのは当然の事。 今年は例年通りの猛暑だと言う。例年の暑さがどんなものなのか、元を正せば大正時代の人間である栄光には理解不能であるが、少なくともこの暑さは異常だ。 そんな暑さの中、一㎞超の距離を徒歩で歩いて行くと言うのだから、どうかしている。真っ当な人間ならば電車やバスを用いる。 実際歩いて五分ほどで、既に栄光は後悔していた。サーヴァントの身の上でも、熱い寒いは当然感じる。 サーヴァントは食事の必要がない為、飢えや空腹は感じないが、皮膚を通して感じる温冷は別と言う事だ。変な所で融通が効かないと、栄光は思う。 どうせならもっと無敵の身の上にでもなって欲しい物だと、栄光はつくづく思うのであった。 更に歩く事、十一分。 目的地であるところの、新国立競技場まで残り五分程度と言った所で、栄光はおもむろに立ち止まった。 自分が歩いていた歩道の側に、確実に聖杯戦争の主従の手によるものとしか思えない建造物があったからである。 「メフィスト病院、か」 その方向に身体を向け、ポツりと栄光が呟いた。 栄光は、物思いに耽りながら、その方向を眺めていた。見よ、俗世と汚穢から来る塵埃を跳ね除け、それらとは無縁とも言っても良い、あの白き大伽藍を。 この宇宙の何処から調達して来たのだ、と余人に思わせしめる、完全かつ完璧な白い建材で作られた、その巨大な施設は病院であった。 誰が呼んだでもなく、院長及び其処に従事する医療スタッフ達自らが、この病院の事を『メフィスト病院』と呼んでいる。 病院の名前としてはあり得ない事は、如何に勉強の不出来な栄光でも解る。確かメフィストとは、何某と言う作家の何某と言う本に出て来る悪魔の名前だったとは、記憶していた。 この病院については、勿論順平や栄光も知っていた。そして、調査も当たり前のように進めていた。 ネット、SNS、口コミ。それら全てをフル動員させて入って来た情報は、皆全て同じ。 『何世紀も進んだ技術で作られたみたいな医療装置や、卓越した医療技術の持ち主たちが、癌を含めたありとあらゆる病気を格安の値段で治療する所』。 誰も彼もが、同じ事を言う。工場で働く期間工やフリーター、果ては上場企業の役員幹部、官僚や一部の政治家ですらそう言っている始末だ。 余りに皆が此処の事を絶賛するので、洗脳でもされているのではないかと栄光らは疑った。実際他の主従の中には、そう思っている者も少なくないだろう。 実際栄光らはこの病院については相当疑ってかかっている。解法を用いずとも、此処がサーヴァントの根城である事は解る。 全く後先を考えずに、自らの拠点を病院として開放し、NPC達の治療の為にその力を奮うなど、栄光ですら頭がおかしいし異常である事が理解出来る。 本当に、タダみたいな値段で病気や怪我を治していると言うのであれば、本物の気狂いだ。何かしらの仕掛けがあるのだろうと、栄光は踏んでいた。 メフィスト病院は盛況の様子である事が、栄光には窺える。 駐車場に停められた車の数や、入り口を出入りする様々な人間を見れば、其処が隆盛であるかどうかなど直に解る。 やはり、安い値段で患者の病気や怪我を治して見せる、と言う評判が利いているのだろう。 新宿 中の病院から、この調子では患者が奪われかねない。これでは区内の他の病院など、商売上がったりだろう。 コンサートの開始まで時間がある。栄光は、敵に気付かれない範囲で、メフィスト病院の調査を行う事とした。 今まで行ってきた調査は、遠巻きからメフィスト病院を眺めるか、人伝でその評判や行われていた事を聞くと言った事しかしておらず、 その内部に踏み込んでの調査はしていなかった。つまり正真正銘、初めて栄光は今からメフィスト病院の敷地に足を踏み入れる事となる。 何故そんな思い切った事をしようと思ったのか、と言うと、此方の解法で逃げ果せられる自信があったと言う事。 そしてもう一つ、今のメフィスト病院の様相である。駐車場のスペースと言い、入り口付近と言い、今のメフィスト病院にはNPCが相当数多い。 人の出入りもそうだが、自動車の出入りもかなり多く、駐車場から車が出たり入ったりと、流動が絶えない。 これだけの数だ、当然向こうは荒事を起こさないだろうと言う予測があった。つまり、敵は下手を打てないと踏んだのである。 駐車場の中に入るなり、栄光は、人目のつかない所まで移動し、解法の力を発動させる。 五感を通して捉える、大杉栄光と言う存在の情報を書き換えさせる。今行っている事は、平時行っている、自分がサーヴァントだと思わせない隠蔽の発展系である。 今の栄光は、サーヴァントだと思われない所か、大杉栄光と言う存在がこの場にいるとすら思われない。今の栄光は他人から見れば、透明な空間に過ぎないだろう。 しかし彼は霊体化した訳でもなければ、解法で身体を透明化させた訳でもない。とどのつまり彼は、他人の認識や感覚を敢えて誤認させ、 『その場にいるのにいないように思わせる術』を行った。対象が大杉栄光ただ一人の、認識阻害の術と言えようか。余程勘の良いサーヴァントでなければ、下手したら三騎士ですら今の栄光の存在には、気付けまい。 この状態で栄光は、悠々と白亜の大医宮へと近付いて行く。 栄光ともあろう者が、如何してメフィスト病院と言う誰が見ても怪しい施設を知りながら、情報の収集手段を遠巻きから眺めたり、伝手を頼ると言う、 手の抜いた方法で行おうとしたか。それはひとえに、この病院が不気味であったからに他ならない。 邯鄲の夢。とどのつまり、栄光が操る技能の事を指す。 本来ならば人間の内的、精神的発露であり現実世界にはなんの干渉力も持たぬ『夢』と言うイメージの力を、現実世界で超常能力と言う形で発動させると言う技術である。 無論、精神的な現象に過ぎぬ夢と言う物を現実世界に持ち出す、と言う事は通常不可能な事。それを行うのであれば、盧生と呼ばれる特殊な才能を持った人物か、 その許可を受けた人物しか現実世界で邯鄲は発動させられない。なお、栄光は盧生ではない為、邯鄲を発動するには後者の方、盧生の許可が必要な形となる。 だが、サーヴァント化した事により当然今の栄光はその桎梏から解き放たれ、本来ならば彼のボスに相当する柊四四八と言う盧生の管理から外れた為、自由に邯鄲を扱える。 栄光はその内、五つに大別される邯鄲の技術、その内の解法に特に優れた才覚を示す男。言ってしまえば一点特化だ。 解法は他者の力や感覚、場の状況等を解析・解体する事に優れ、これを極めると、如何なる攻撃もすり抜けさせて無効化出来る上に、 相手の存在を解体させて破壊させる事も出来る。解法に特化した栄光はこれらにも精通しているだけでなく、場の状況や敵の力量、正体の看破に、自らや味方勢力の存在や情報の偽装など、お手の物。この男にとって、チャチな隠蔽スキルや宝具など、何の意味もなさない。全て筒抜けと言う訳だ。 ――その栄光に、全くメフィスト病院は『情報を認識させないのだ』。 その内部の様子を透視させる事は勿論の事、全力で解法を発動させても、一切情報は入って来ない。 外装は何で出来ているのか? 従業員の数は? 内装は? 全部が全部、まるで栄光に把握させない。 強いて解ると言う事は、此処がこの世の存在ではないと言う事が解ると言う事ぐらい。つまり肝心な事は何一つとして、アンノウン、と言う奴だ。 不気味に思うに決まっている。だからこそ、今までは怪しいと知りつつも距離を取っていたのだが、今は良い状況が揃っている。此方から打って出てやる、と栄光は思ったのだ。 目が焼けんばかりに白い、メフィスト病院の外壁まで近づき、栄光は其処に手を触れる。 肌触り自体に、特筆するべき所はない。何処にでもありそうな普通の外壁である。外壁に手を触れさせた、この状態で、栄光は解法を発動させた。 頭の中に入ってくる情報。此処メフィスト病院は、邯鄲の夢で言う所の『創法』、つまりイマジネーションを実際に物質世界に形成させる術で創られていると言う事。 ただの創法ではない。恐ろしく高度な、と言う形容語句が付く。創法は此処から、物質の創造や操作を成す形と、環境の創造や操作を成す界に別れ、此処メフィスト病院は、 この二つの合わせ技で形成されている。此処までのものは、栄光とて見た事がない。戦真館學園の同じ特科生である世良水希、 ――余り認めたくはないが――同胞である壇狩魔、自分達の宿敵でもあった甘粕正彦。 栄光にとっては創法のプロフェッショナルと言えばこの三名だが、もしかしたらこの三名をも上回っているのではないか? と思わずにはいられない程の技倆である。 しかし、この病院が、邯鄲の創法に近しい技術で形成されたものである事は、栄光も推測はしていた。それが解っただけでも、大きい収穫だろう。 だがやはり、まだ足りない。もっと他に得られる情報があるだろうと思いながら、解法による解析を行おうとした。そしてもう一つ――奇妙な結果を弾き出した。 ――これは……?―― この病院が、極めてレベルの高い創法、物質の形成の術で生み出された物である事は理解した。 だが創法に限らず、イマジネーションを物質世界に形を伴わせて具現化させると言う事は、術者の精神力や魔力と言うものを消費する。 そしてその具現化させたイメージを、ずっと物質世界に留まらせ続けると言うのであれば、それは膨大な魔力が入用となる。 メフィスト病院は少なくとも、栄光が順平によってこの 新宿 に呼び出された時から存在する建物である。 その時からずっとメフィスト病院を展開しっぱなしとなると、当然大量の魔力が其処で消費され続ける事になる。 この病院は、その魔力の消費が全く感じられないのだ。この 新宿 と言う世界に絶えず流出し続け、世界の方から其処に在れと強要されているかのようだった。つまり、この病院の維持に掛かる魔力は、『ゼロ』なのだ。 奇妙に思いながらも、更に解析を続けようとした栄光である――が。 突如として、夏の炎天下が、荒涼としたシベリアの荒野の冬よりも凍て付いた空気に変じて行くのを、栄光は感じた。 かいていた汗が、一つ残らず凍結し、皮膚の中に埋没して行くような、恐怖とも言うのも躊躇われるような圧倒的な恐怖。魔王・甘粕正彦と対峙した時ですら、こんな身震いは、覚えなかった。 「材質が知りたいのかね」 銀の剣で突き刺されたような感覚をその声に憶え、バッと後ろを振り返り――忘我の表情を、栄光は浮かべてしまった。 栄光の後ろには、美があった。白い闇と言う矛盾した表現が、これ以上となく適した、純白の暗黒が。 星の煌めきを編んで作ったと言われても皆が納得しようと言う程、踝まで覆う純白の美しいケープを身に纏った男だった。 だがその男は、そのケープの綺麗さが霞んで見える程に、美しかった。太陽系を遠く離れた、人も何も観測出来ていない銀河で輝く星の光を集めたように、 ケープの男の身体は光り輝いている風に栄光には見えた。その顔は、栄光には直視出来ない。数秒と見つめていれば、自我が崩壊してしまいかねない程美しかったからだ。 人類はきっと、人類自体が存続出来る全ての時間を費やしたとしても、この男の美を表現出来る言葉も技術も、開発出来まい。 目の前の、美の神ですらが妬いてしまいかねない程の、性差など問題にならない美貌の持ち主――ドクター・メフィストの美は、何者も犯せまい、表現出来まい。 「めだったものは使ってない。単なる大理石だ。但し、外部から透視させられないよう、内部に魔術的な刻印を埋め込み、病院内部のコンピューターでカオス処理と情報制御を行っている。少なくとも、君の力では解析は出来ない」 「アンタ……誰……だ」 その一言を紡ぐのに、栄光は、三十分も掛かった様な錯覚を覚えた。 「この病院の院長を務めている。クラスはキャスター。真名を、メフィストと言う」 聖杯戦争のセオリーである、真名の露呈を簡単に行うメフィスト。 尤も、この男にとって、その程度の定石の無視など、さしたる問題にならない。いやそれとも、この魔人にとっては、メフィストと言う名前すらも、本来のものではないのかも知れない。 バッと、周りを見回す栄光。 入口には相変わらず、人が出入りをしているし、駐車場自体も車が出たり入ったりを繰り返している。 全く皆、栄光の存在に気付いていない。そして、『メフィスト』の存在にも。栄光の存在が目立たないと言うのならばまだしも、何故、メフィスト程の男の存在に、誰も気付かないのか。天から降り注いだ隕石めいた存在感を放つ、この男に。 「何でアンタ……俺の存在に……」 「サーヴァントの存在を感知する装置を設置してある。それで、君の存在を知った。特別な手品は使ってない。それがなければ、私とて君の存在を知るのは難しかったかも知れない」 「嘘だろ? だって俺は……」 「どんなに情報を隠蔽した所で、君自身がサーヴァントである、と言う事実は変わらない。それを見抜く性質の装置と言う事だ」 そう、確かに栄光の解法の技量は凄まじいが、それで自らの存在が変わる訳じゃない。 栄光程優れた解法の持ち主と言えど、出来る事は精々が『偽装』止まり。どれ程腕を上げ、一般人だと誤認させる力を得たとしても、偽装しか出来ない。 自らの存在をサーヴァントではなく、NPCに『転生』させたり、存在自体を変化させる事は出来ない。どんな解法を用いたとしても、自身をサーヴァント以外の存在にさせる事は出来ない。解法の限界である。 「何故、私の存在がNPCに気付かれないのか、と言うような顔だな」 もう一つの疑問点を言い当てられた。まるでその目は、栄光の胸の中に沸騰した水に浮かぶ泡が如くに沸いて出る、心の言葉を見透かしているかのようであった。 「何て事はないだろう、君のやっている事に似た術を使わせて貰っただけに過ぎん」 予測出来ていなかった事と言えば、嘘になる。キャスターであると言うのなら、自分に匹敵する程の、解法に似た力を扱えるのも、道理ではある。 道理なのは事実だが、こうも簡単に自分と並ばれると、栄光としても驚きを覚える。いや、今栄光は、目の前の男ならば、それも可能なのではないかと思い始めていた。 この世に君臨していながら、本当はこの世界とは別の次元にその身を置いているのではないかと思えてならない程、浮世とは無縁な風を醸す男。魔人・メフィストならば。 此処で、ハッと栄光は自我を取り戻した。 今まで自分の身に起っていた、メフィストの美貌による呆然とした状態。それに、覚えがあったからだ。 貴族院辰宮こと、辰宮百合香。彼女が疎んでいた彼女自身の五常楽・破の段とかなり似通っているのだ。 傾城反魂香と呼ばれていた彼女の破段は、洗脳を施された事に相手に気付かせない程極めて高度な精神操作で、術者自体が制御出来てなかった為か、 この力は常に垂れ流しの状態であったと栄光は記憶している。だがその洗脳能力にしても、『邯鄲法』であると言う理由づけがあったからこそ、 その破段自体の強力さも納得が行くものであった。メフィストの場合、その理由づけがない。 解法で解析して見ても、今まで栄光が感じていた『この男ならば仕方がない』と言った感情や、メフィストの美を見て呆然自失の状態にあった事については、 全て神秘も魔術も絡んでない全てメフィストの純粋な美が齎した結果であるのだ。 つまりメフィストは――神秘に頼る事なく、素で辰宮百合香と似たような真似が出来ると言う事だ。だからこそ、栄光は恐怖を憶えそうになった。メフィストはつまり、栄光の思考が鈍っている間に、いつでもこのライダーを殺せる事が出来たと言う事なのだから。 「君の質問がないのであれば、私の質問にも答えて貰おうか。」 耳が痛い程に静かな夜を思わせる声であった。どんな感情の奔流も、その夜闇の深さと静けさの中は包み込んでしまう事であろう。 その声を聞いた瞬間、栄光は構えた。一瞬で脚部に、車輪の部分が巴紋を成す勾玉になっているインラインスケートを展開させ、腰を低くしメフィストを睨んだ。 逃走の準備は出来ている。此処で事を荒げる気は栄光にもないし、メフィストにもないだろう。だが、後者に関しては予測に過ぎない。警戒をしておくに、越した事はない。 「何の用があって、此処に来た」 「質問を質問で返すようで悪いけどよ、逆に何で来られないと思ったんだ?」 栄光は、メフィストが逆質問を許容するタイプには見えなかったが、それでも聞いて置きたかった事柄だ。 これだけ目立つ怪しい施設だ、他のサーヴァントが当然足を運んでくるであろう事は、栄光ですら想像出来る事柄。ならば、どんな馬鹿でも考えに至る事だろう。 それを、目の前の白魔が気付かぬ訳がない。気付いていなかったのならば、相当抜けている。 「ただの病院がそんなに気になるかね?」 ぬけぬけと、メフィストが返答する。 「やってる事は君達の思う病院のイメージから逸脱してはない。生を希求し、病と怪我とを治したい人物を、ただ癒すだけ。それだけの施設を、もの珍しがるのは余程の田舎者だ」 「普通の病院は、外壁に魔術の刻印を埋め込んだり、カオスなんたらだとか情報なんたらなんてものを施さないぜ」 「ならば君の言う普通の病院は、意識が低すぎるのだろう。無能な者が運営しているに相違ない、解体するべきだな」 こんな院長が運営する病院と比較される他の病院が、堪らなく哀れで仕方ないと、栄光としては思わざるを得なかった。 「サーヴァントが運営する病院。そんなの、疑わない方がどうかしてるだろ」 「その通りではある。だが、当病院の評判は、直接患者だった者に聞いてみるが良いだろう。私が余計な事をせずとも、彼らが証明してくれる」 この無限大の自信。何処から湧いてくるのかは知らないが、何に誓っても自分は潔癖であると、メフィストは言いたいのだろう。 そして、言葉を交わして栄光は理解した。この男は、断固としたプロフェッショナリズムの持ち主。例えNPCであろうとも、自分の医術を頼る患者であるのならば、 捨てはおけない性分であると言う事を。解法等使わないでも、余人に理解せしめる言外不能の『力』、いわば説得力が、メフィストにはあった。だから、これ以上栄光は追及しなかった。 「私から問いたい事は、もう一つある」 メフィストが更に言葉を続ける。木枯しが流れるような寒さを、栄光は感じた。 「何処まで知った」 「何?」 「君が解析の術に長けた小賢しいライダーである事は承知している。見事なものだ。彼の魔都においても、君程優れた解析者は滅多にいなかったろう。我が病院にしても、然りだ。それを踏まえた上で、なお、問う」 目を合せれば、魂すら抜き取られかねない程深遠な瞳が、栄光を捉えた。 「我が病院の秘密をどこまで知ったか」 「……返答次第では、どうするつもりだ?」 「知られたくない事を知ってしまった者に対する処遇は、何時だって一つだ。向かう先を、天国か地獄に定めさせるまで」 其処まで言った瞬間、解法で自らの身体に透過処理を行った後、栄光が地を蹴った。 彼が踵の辺りに展開させた物は、邯鄲法の一つ、創法で形成された装備であり、サーヴァントの身の上にあっては栄光の宝具の一つである、風火輪。 栄光の移動力を補助するブースター的な機能を果たすこの宝具は、凄まじいまでの移動速を栄光に約束する。その最高速度は音以上。 更に、最高速度をそのままに、栄光自身の解法の才能により慣性や重力と言った諸法則を無視した、三次元的な軌道での移動をも約束させる、 単純な性能以上に凄い宝具だ。その宝具の、勾玉のローラー部分からオレンジ色の光をたばしらせ、栄光はその場からの逃走を図った。 垂直に、栄光が飛び上がる。助走も何もなしで、七m程の距離を、時速三百㎞程の速度で飛び上がった。 それと同時にメフィストの手が、雪化粧を施された平原の銀世界ですら黒ずんで見える程の、白いケープの中で霞んだ。 その瞬間を目の当たりにし、何か来ると、栄光が思った瞬間だった。予想通りその何かが、栄光の移動ルート上に展開され、それが栄光の移動を阻んだ!! 「なっ!?」 激突したそれは、例えるなら防球ネットに近いものだった。激突した衝撃自体は、それ程強いものではない。 しかし、栄光にとって驚きだったのは、そのネットの様な物を、『すり抜けられない』と言う事だった。 十万の剣林、百万の弾雨の中を悠々と歩いて見せられる程の、栄光の解法による透過が、まるで意味を成していないのだ。 何だこれは、と思いながら目線を上に向けると、銀色をした細い糸が、格子状に広く展開されているではないか。太さは凡そ1mm。 解法を用いた所、それが針金である事を栄光は知った。しかもただの針金ではない、表面に、到底理解出来ない内容の文字が、人間には視認不可能な小ささでビッシリと刻まれているのだ。 針金は栄光を勢いよく地面に弾き飛ばした。 慌てて体勢を整え、地面に着地する。それと同時に、例えようもない恍惚とした感情を、栄光は感じた。 ――メフィストの左手が、栄光の左肩を掴んでいたからだった。石英を削り、滑らかに磨いた様な繊指が、栄光の衣服に掛かっていた。 それに気付いた瞬間、栄光は急いで解法を行おうとしたが、全く発動させられない。簡単な話だ。 メフィスト自身が、栄光に匹敵する程の解法に似た力で、栄光の解法を無効化させているからだ。では風火輪で逃走を図ろうとしても、まるで見えない巨人の手で握り締められているかのようにその場から動けない。これに関しては、栄光の解法ですら解析不可能なのが、堪らなく恐ろしかった。 「疾しい事がなければ、解放する」 「あったら死ぬんだろ!!」 返答しなかった。自分の都合を優先する男らしい。それとも、都合の悪い事は答えない性格か。 栄光の眉間に、右手の人差し指を当て始めるメフィスト。「クソ、何てベタな記憶の読み方だよ!!」、と悪態を吐く栄光。 無言を貫く白い魔人であったが、何故だろう。栄光は、無感動と冷静さを煮詰めた様なメフィストの黒い瞳に――驚きと、興味の光が煌めいた様に見えたのは。 メフィストが、スッと人差し指を離した。相変わらず左手は栄光の肩に乗せられた状態。これがあるせいで栄光は、全くその場から動けずにいた。 「君は病気だ」 メフィストは、敵を断罪する魔人としての表情から、冷徹な医者の顔になっていた。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 先ず、メフィストが思った事は、今まで自分が見た事のない症状だったと言う事だ。 記憶を読み解く術を用い、目の前のライダーの真名が大杉栄光と呼ばれる、異なる大正時代の英雄の一人であり、夢を用いる戦士である事を知った。 無論メフィストにとって、栄光の辿った道程などまるで興味がなく、メフィスト病院の何を知ったかだけが興味の対象――であった筈なのだ。 メフィストの興味を引いたのは、大杉栄光の記憶に生じている、奇怪な空白(ブランク)だった。 記憶喪失の人物の記憶を確認した時の症状と似ている、と一瞬メフィストは思ったが、実態は全く別の物だと直に思い直した。 記憶喪失の人物と言えど、その記憶が完全になくなる訳ではない。父親の事が思い出せない人間がいたとして、その記憶を眺めてみると、 断片的に父親の情報の一部を記憶に留めていたり、父親の記憶の混濁が起っていたりなどと言ったケースがよく見られる。 これらはつまり、記憶喪失とは言っても、『完全に当該記憶の事を忘却している訳ではない』と言う事を意味する。 栄光の記憶は、完全にそれだった。彼の記憶に生じている奇怪な空白とは、その記憶が完全に消失している事の表れだった。 このライダーのそれは記憶喪失ではなく『記憶消滅』と言うべきもので、魔界医師と言われたメフィストにですら、消滅した記憶が元々何であったのか、 悟らせないし理解もさせない程完璧に、記憶がなくなっているのだ。この世界から物質が自然と完全消滅する事があり得ないように、 人間の頭からも記憶が自然に完全消滅する事はあり得ない。外部から手を加えればそれも可能ではある。但しそれには、メフィスト病院レベルの設備と、メフィストレベルの魔道の知識が必要になるのだが。 「俺が、病気? 頭が悪いとか抜かすなよ」 「馬鹿は病気じゃない、君の努力不足だ」 「(何で其処まで言われなきゃいけないんだろう)身体がおかしいって言うのか?」 「身体は健康そのものだ。君の記憶に、問題がある」 「記憶? 俺は見ての通りの脳も若々しいティーン・エイジャーだぜ? 英単語全然わからねぇし、数学もお察しレベルだが、生前の友達達との記憶は、忘れた事はねぇ」 メフィストが病気だと判断したのは、これだった。 大杉栄光は確かに記憶の消滅が過去にあった筈なのに、『栄光自身がその事に気付いていない』ばかりか、『記憶の消滅した現在の状態が自分にとっての本来正しい状態』、 と誤認している状態なのだ。記憶の空白が、小さい物だったり、空白の数自体が極端に少ないのであれば、今の栄光の状態も説明出来る。 だが、メフィストが見た栄光の記憶の空白は、恐らくは今の様な記憶の消滅が起こる前の栄光にとって、かなり重要なウェートを占めていたものであろう事が解るのだ。 空白自体がかなり大きいだけでなく、その数もかなり多い。これだけの空白があるのなら、日常生活を送る内に、何処かで絶対に奇妙な感覚に襲われるものであろうが、 栄光にはそれがない。だからこそ、メフィストは病気だと判断した。 そして、メフィストがこの病気――と暫定的に定義する――に興味を抱いたのは、何故もたらされたのかと言う事。 こんな奇特な現象、自然に起こる筈がない。外部から意図的に手を加えられた事は確実だが、それが何による物なのか、推測すら出来ない。 記憶に関する病気は、メフィストは幾度も目にして来たし、治しても来た。魔界都市に於いては、外宇宙の邪神の記憶と運悪く繋がってしまい、 発狂を引き起こした患者まで見て来たが、そんなメフィストですら栄光の症状は、未知。だからこそ、この場でもっと栄光の今の記憶の事を、知りたかったのだ。 「今一度訊ねるが、自身の記憶におかしなところは、ないのだな」 「だから、ねぇって!! そんなに俺はヤバい事を知ったのか?」 「君自身は、我が病院の秘密は触れられなかったようだ。其処は良い。だが、別の所で興味が湧いた」 其処で、栄光の左肩から、おもむろにメフィストは左手を離した。 その隙に逃げようとする栄光だったが、まるで追う気配を見せないメフィストを、逆に奇妙に思い、その選択を敢えてやめた。 あの不思議な針金も展開されるかもしれないと言う警戒心も、当然ある。 「取引をしよう」 不意にそんな事をメフィストが言うと、ケープの裏地から何かを取り出した。 宝石だった。見事なカットの成された、血赤色をした惚れ惚れする程綺麗な宝石。陽の光を浴びて、地面に鮮やかな赤い光を放っている。 その宝石が取り分けて美しい物に見えるのは、偏にそれを摘まんでいるメフィスト自身の美のお零れを、宝石が貰っているからかもしれなかった。 「ルビー……?」 「スピネルだ。魔力を内包させてある」 言われて栄光は、解法を用いて宝石を解析する。 見ると、栄光が二回は全力で戦っても問題がないレベルの魔力が、宝石に込められているではないか。 それ以外の細工は、ほぼゼロ。手に持ったとて、栄光が不利益を蒙る小細工は、込められていない。 「君の記憶の障害を私に治させてくれると言うのなら、この宝石を君にやろう。無論、入院を選んでくれても構わないが」 「……貴重な物じゃないのか? それ」 「命と魂より貴重な物はこの世にない」 宝石商が見れば、今のメフィストの持っているスピネルは、言い値で、それこそ億の値段を付けられても買うと言う人間が出て来る程のクオリティとカラットを持っている。 そんな宝石でも、メフィストからすれば、何らの価値もない小石同然。余人はきっと、メフィスト自身が、宝石よりも美しいからそんな事を言えるのだと、思うかも知れない。 だが何て事はなく、メフィスト病院に設置された分子・原子構成変換機により、ただの小石をこのような宝石に変える事が出来るのだ。 つまりこの病院では、宝石などそれこそ何の価値もない。従業員が作って欲しいと言えば、メフィストの機嫌次第では作ってくれるのだ。 聖杯戦争のマスターやサーヴァントにとっては黄金よりも貴重な魔力にしても同じ。院長であるメフィスト以外誰も知らない所に設置されていると言う、 動力と燃料なしで平均的な原子力発電所の七百倍の発電効率と発電量を可能とする発電装置と、電力を魔力に変換するコンバータにより、実質上の魔力は∞である。 魔界医師にとっては、最早魔力の多寡など、何の問題にもならないと言う事だ。 「……俺は今でも、自分が記憶の病気だって言う自覚はねぇ。だが、仮に、アンタの言った事が正しい事柄だとして……如何して、俺に其処まで肩入れする?」 「未知の事柄を知る事は、楽しい事なのだよ。勉強の楽しみとはつまるところそれだ」 要するに、今のメフィストは、医者として患者を治すと言う使命感や責任感、正義感の類がある訳ではない。 ただ、栄光の今の症状に甚く興味を覚えたから、それをもっと詳しく知りたいだけ。その程度に過ぎない。 そして、今メフィストの言った事が一切の嘘偽りのない真実だと、栄光も本能的に察知したらしい。狂人を見るような目で、メフィストの事を見つめていた。 「……条件を二つつけさせて欲しい」 「伺おう」 「一つ。今俺は単独行動中だ。マスターと離れてる。今マスターの所に向かう最中だから、治療するならなるべく時間のかからない方法で頼む」 「どれ程の時間なら良いのだね」 「一分だ」 「良かろう」 栄光が目を剥いた。本人としては、無理難題を吹っ掛けたつもりなのだろう。一分で記憶の障害を治せる治療など、前代未聞にも程がある。 だが、その前代未聞はあくまでも、普通の医者に限った話。魔界医師・メフィストならば、ものの数分で記憶の病気を治せる術、心得ている。 但し、栄光の症状はかなり特別の為、病院のあらゆる装置を使ったとしても、治らない可能性の方が遥かに高い。 況してや一分程度の治療では、完治など不可能である。しかしそれでも、最低限の事は出来るだろうと、メフィストは踏んでいた。 「……も、もう一つ。俺はまだアンタの医療を信頼してないし、俺のその記憶って奴が、戻っちまったら大変な事になる奴だったら、俺としても難だろ?」 「そうだな」 記憶が戻る事が、必ずしも良い事なのかと言われれば、それは違う。 人間の脳は時たま、思い出したくもない程嫌な記憶に封をすると言う意味で、記憶を混濁化させると言う事を行う時がある。 その混濁や記憶の喪失を治すと、人は、死を選んだり、破滅の道を自分から歩こうとする時がある。記憶の喪失は、本人にとってプラスの結果に繋がるとは限らないのである。 「治療するって言うのなら、ごく簡単な誰にでも出来そうな方法で。記憶が戻るって言うのなら、一気に戻るんじゃなくて徐々に徐々にって感じの奴で頼む」 「承った」 言ってメフィストは、摘まんでいたスピネルを、栄光に手渡す。 その瞬間逃走をしようかと思った栄光であったが、今は不思議とそんな気になれなかった。余りにも、メフィストは真面目に記憶が云々と言う物だから。 ひょっとしたら、本気で自分は何かを忘れたのでは、と言う疑惑を憶えてしまったのだ。 ――変な事したら即逃げる―― あの針金を展開させようが、関係ない。今度は、針金の展開が無意味に成程烈しく動き回るだけだと、栄光は心に決めた。 メフィストはそっと、向こう側が透けて見えるのではと思う程の白い指を栄光の額に当て、スルスルと謎の軌道を描いて行く。 眉間を動かし終えると、今度は眉間に指を持って行き、同じ様に、謎の動きを行い、再び額に指を持って行き、また動かす。 それを行う事一分、メフィストは指を額から離した。 「ごく簡素だが、治療を終えた」 メフィストはそう告げた。本当かよ、と栄光が思うのは無理もない。誰がどう見たって、いまメフィストが行った事は、単なる悪ふざけの延長線上にしか見えなかったからだ。 指先に、極めて薄く少量の魔力を纏わせていた事は、栄光も解る。が、本当にこれで何かが変わるのかとは思えない。念の為解法を使って、己自身を解析して見ても、全く問題も異常も、刻まれた様子はなかった。 「で、治りそうかい? ドクター」 「君の思っている所感と概ね同じだ」 要するに、治らないと言う事だ。 「もし、本格的な治療を望むと言うのならば、此処を訪れ、受付で私を呼びたまえ。それ相応のもてなしを約束しよう」 「おう、考えとくよ。……それじゃ、もう帰って良いか?」 「結構。お大事に、大杉栄光君」 「どうも、ドクター・メフィストさん」 言って、メフィストの左手の袖に、銀色の針金がスルスルと戻って行く、 案の定と言うか、頭上だけじゃなく、栄光の背後、左右にまで配置していたらしい。つくづく、抜け目がない。 栄光はメフィストに背を向け、スタスタと歩んで行く。その様子を眺めながら、この白魔人は、栄光の病気についての考察を行っていた。 自分自身、今の栄光の様な症状の者を治療に当たった事はない。しかし、確か過去にあれに似た症状の者について記された書物があった筈。 その事を考える事、二秒。メフィストは思い出した。栄光の今の記憶障害に近い者について記された、メフィスト病院の秘密の図書館に内蔵された一冊の本の事を。 ――『生贄、それについての考察と論考』だったか―― それは、かのイエズス会の創始者の一人にして、此処日本においても著名な宣教師である、フランシスコ・ザビエル。 彼と共にインドや日本、中国と宣教の旅を行った、あるカトリックの宣教師の男が記したとされる、ラテン語の論文である。 その宣教師はアフリカやインド、モルッカ諸島や中国、そして日本と言う長い航路を旅する内に、土着の諸宗教に興味を持ち始め、それについての研究を行っていたと言う。 尤もその研究を纏めた論文自体は、当時のカトリック宗教界にとっては興味を抱かせるようなそれではなかったらしく、これを受けて宣教師は、それまでの研究を放棄。 論文も散逸したと言うが――何故、その論文の一つを、メフィストが持っているのか。それはまた、不明である。 今メフィストが想像した論文は、タイトルの通り、生贄と言う文明の意義について考察したものである。 その中でもメフィストは、超自然的存在が求める生贄についての考察の項を、思い出していた。 生贄を何故、神や悪魔、邪龍に妖獣は求めたのか? 諸人は連想する。祟りを鎮める為、その土地に福を齎して貰う為、そして、怒りと暴虐を抑えて貰う為。 それ自体は正しい。この論文は、何故彼らは、人を喰らわねばならなかったのかと言う事を考えた。 生娘や戦士の血肉が、美味である筈がない。人の肉の味よりも、品種改良された鳥獣の肉の方が、美味いに決まっている。なのに何故か、彼らは人を求めた。 何故――? 答えは、超自然的な存在が喰らっているのは、『人の肉体ではない』。彼らが食べているのは実は、『生贄にされた人間の幸せな精神と、過去未来を含めた運命』なのだ、とその宣教師は説明した。 宣教師は論文中で語る。巨大な化け鯨に捧げられたアンドロメダは、彼女が王女であり美しい外見をしていたからと言う理由で生贄に捧げられたのではない。 ヤマタノオロチに喰らわれる事を運命づけられていた、地祇の夫婦の娘である櫛名田姫は、神の娘だからという理由で喰らわれかけたのではない。 『彼らの運命が輝かしいものである事を怪物や神が知っていたから、彼らは生贄として選ばれたのである』。 その証拠にアンドロメダは英雄ペルセウスに助けられ、後のギリシャ神話に於いて名を残す英雄達の大母となり、死後は星座にまで祀り上げられた。 櫛名田姫は記紀神話に於ける大神霊・素戔嗚尊に後に助けられ、偉大なる神の妻にまでなった。 そう、怪物が美味としたのは、彼らの肉ではない。彼らの輝かしい運命と、豊かになりつつある精神をこそ、彼らは至上の甘露として好んだのである。 更にその論文中に於いて、宣教師とその一団は、日本滞在時にある農村が行っていた、土地神に捧げる生贄の少年少女とそれに纏わる儀式を見た時の事を記録していた。 その村においては人と言う資源は大変重要なそれであり、一々生贄を捧げていては如何にもならないと考えていた。 其処で村長は村の巫女と相談を行い、その後巫女が土地神に、人を失わない生贄について何かないかと神宣を乞うた事があると言う。 そしてその日以降から、生贄の在り方が変わったと言う。生贄に捧げられた少年少女は確かに、命に別状もなければ身体の何処かが欠けたと言う訳でもなく。 五体満足の状態で戻って来られたのだが、何故か彼らは、どんなに顔が良くどんな働き者でも、結婚も出来ないばかりか、 少年ならばあれだけ仲の良かった少女と関係が冷え込み、少女ならばその逆、と言った現象が頻繁に起こった。 その時、その宣教団が生贄にされた事のある少女の一人の事を精査した所、恐ろしい事実に気づいてしまったのだ。 神は確かに、人の肉を喰らう事を止めた。だが神は、その人物が誰かと結ばれる『可能性』と、『親しかった人物との記憶』だけを、的確に喰らっていたのだと言う。 この時記憶を確かめたところ、奇妙な空白が幾つもその少女には見られた、と、その論文は語っていた。 その論文が語る、生贄の少女についての事と、今の大杉栄光の症状は、似ている気がしてメフィストにはならない。 仮にもし、あの少年のサーヴァントが、過去に何かを生贄――いや、何かを代償にしたサーヴァントであると言うのならば。 何に対して、そして何を引き換えに、奇跡を成させたと言うのか? 神に捧げた物は、何があっても戻らない。メフィストであろうとも、取り戻せない。 自分は、凄まじい何かに対して、挑戦状を叩きつけようとしているのではないかと、考えるメフィスト。 「好奇心は猫をも殺す、か」 ポツリ、とメフィストが呟く。その頃には栄光は、駐車場を出て、大通りを歩いていた。 「それで死んでみるのも、また面白いだろう」 言ってメフィストは、懐から取り出した一本のメスを振り下ろし、何もない空間を切開し、其処に身を投げた。 切開した空間が閉じて行き、切断した跡も完全に消滅させると、後には誰も、その空間にはいなくなる。 世界から色彩が落ちた様な錯覚を、今まさに退院し、入口を歩いていた家族連れの両親と子供は、覚えたのであった。 間違いだろうと、思い直す事とした。空はあんなにも、蒼く瑞々しい色を世界の果てまで広げているのであるから。 【四谷、信濃町(メフィスト病院)/1日目 午前12:30分】 【キャスター(メフィスト)@魔界都市ブルースシリーズ】 [状態]健康、実体化 [装備]白いケープ [道具]種々様々 [所持金]宝石や黄金を生み出せるので∞に等しい [思考・状況] 基本行動方針:患者の治療 1.求めて来た患者を治す 2.邪魔者には死を [備考] この世界でも、患者は治すと言う決意を表明しました。それについては、一切嘘偽りはありません ランサー(ファウスト)と、そのマスターの不律については認識しているようです ドリー・カドモンの作成を終え、現在ルイ・サイファーの存在情報を基にしたマガタマを制作しました そのついでに、ルイ・サイファーの小指も作りました。 番場真昼/真夜と、そのサーヴァントであるバーサーカー(シャドウラビリス)を入院させています 人を昏睡させ、夢を以て何かを成そうとするキャスター(タイタス1世(影))が存在する事を認識しました アーチャー(八意永琳)とそのマスターを臨時の専属医として雇いました ジョナサン・ジョースター&アーチャー(ジョニィ・ジョースター)、北上&モデルマン(アレックス)の存在を認識しました 浪蘭幻十の存在を確認しました 現在は北上の義腕の作成に取り掛かるようです ライダー(大杉栄光)の存在を認知しました。 ライダー(大杉栄光)の記憶の問題を認知、治療しようとしました。後から再び治療するようになるかは、後続の書き手様にお任せします。 マスターであるルイ・サイファーが解き放った四体のサーヴァントについて認識しました(PM1:10時点) ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「俺が病気だってよ、あのヤブ」 独り言だと解っていても、つい悪態を吐いてしまう。 メフィスト病院から離れて、国立競技場駅に着くなり、栄光は思わずそう言ってしまった。 自分の記憶の事だ。自分自身が一番良く解ってるに決まってるだろう。そんな当たり前の事すら解らないのか、あのイケメンは、と、思い出すだけで苛々が溜まって行く。 「俺が忘れる筈ないだろ、全部……大事な記憶だ」 そう、忘れる筈がないのだ。初めて邯鄲の夢に潜った時の、地獄のような艱難辛苦も。 一度は甘粕正彦に敗れ、想定していなかった邯鄲のループの周回し直し、其処で経験した、栄光だけの二十一世紀の人生も。 大正時代の日本――いや、世界の平和を護る為に、甘粕正彦とその眷属と死闘を繰り広げたあの時の事も。生まれてから死ぬまで栄光は、忘れた事がなかった。 ――何も知らない真っ新な状態で、相模湾の砂浜で朝っぱらから見当違いな事を誓った事もあったな……―― 自分達の本当の目的と記憶を失い、朝の相模湾で、若さだけで全てを乗り切ろうと皆で誓っていた事を栄光は思い出す。今にして思えば、苦笑いしか浮かばないが。 ――四四八の親父に、恵理子さんを殺された事もあったな……―― 初めて自分達のリーダーである柊四四八の父親、柊聖十郎と出会った事を栄光は思い出す。 あんな傲岸不遜で最低な男が、四四八の父であるだなどと、血の繋がりのない栄光ですら思いたくなかったが、あの男もあの男なりの、事情があったのだと思うと、複雑な気分になる。 ――狩摩の馬鹿が勝手に俺達と争った事もあったっけな……―― 今にして思うとあの男の精神や考える事は、全く理解不能も良い所だった。 一時のノリで、よりにもよって眷属が主である盧生を本気で殺そうとするなど、本当に頭がどうかしている。マジでめくらだったんじゃないのかアイツ。 ――本当の戦真館で、今度こそ皆と甘粕を倒そうと誓った事もあったよな……―― 四四八が真の盧生になり、自分達も記憶の全てとやるべき事を思い出し、思い出の詰まった教室で、仲間達と誓い合った事もあった。 クソが付く程真面目な四四八が、机に小刀で文字書きをしている所は、今思い出しても笑ってしまう。まさかあの謹厳実直を絵に描いた男が、ジュブナイルドラマみたいな真似を行うとは、思ってもなかったから。 ――また、■■るかな―― ――何……? 栄光は思わず、ポカンとした表情を浮かべてしまった。ふと、心の中に浮かんできた記憶。それは確かに自分のものでありながら。 『思い出す事自体に、堪らない違和感を覚える内容だった』からだ。 ――ええ、きっと―― ――■■はまた、■■後にでも……―― ――ええ、■咲く■■■で■■■しょう―― 酷く、声にノイズが掛かる。自分の声は、聞き間違えようがない。一方の男の声が、自分の物である事は解る。 もう一方の方だ。この声は、女性のもの。そして、その声も、聞き間違えようがない。あの甘粕との戦いの時にずっと一緒だった、戦真館の同じ仲間。 「……野枝、さんか?」 そう、この声は、戦真館學園の同じ生徒であり、壇狩摩の部下である、伊藤野枝のものだ。 だが何故、彼女の声が、思い出されるのだ? 深く、その時の、自分と野枝とのやり取りの事を思い返してみても、酷くイメージがボヤけて、見えやしない。 ――クソ、あのヤブ、変な記憶植え付けやがって―― 軽く舌打ちして、心の中に湧いて来た記憶と言葉を振り払い、栄光は、待ち合わせ場所で順平を待った。 街ながら、夏のギラつく太陽が浮かぶ空を見上げながら、栄光は物思いに耽る。 「……野枝さんかぁ」 ポツり、と呟く。 「あの人、綺麗な人ではあったけど……。素っ気なくて、俺苦手だったなぁ……」 国立競技場駅を行き交う人の波をボーっと見ながら、栄光が呟いた。 何で四四八や晶、鳴滝達は、彼女と俺を、いつも一緒にいさせようとしたのだろうかと。栄光は生前の最期まで、そして今に至るまで、解らずにいるのだった。 【四谷、信濃町方面(霞ヶ丘町、国立競技場駅前)/1日目 午前12 50分】 【ライダー(大杉栄光)@相州戦神館學園 八命陣】 [状態]健康、覚えのない記憶(進度:超極小) [装備]なし [道具]宝石・スピネル(魔力量:大) [所持金]マスターに同じ [思考・状況] 基本行動方針:マスターを生きて元の世界に帰す。 1.マスターを守り、導く 2.昼はマスターと離れ単独でサーヴァントの捜索をする。が、今は合流を優先 3.UVM社の社長にまつわる噂の真偽を後で確かめてみる 4.何で野枝の記憶植え付けるんだよあのヤブ [備考] 生前の思い出す事が出来ない記憶について思い出そうとしています。が、完全に思い出すのは相当困難でしょう キャスター(メフィスト)の存在を認知。彼から魔力の籠った宝石を貰いました キャスター(メフィスト)から記憶に関する治療を誘われました。判断は後続の方々にお任せします 時系列順 Back 軋む街 Next 魔胎都市〈新宿〉 投下順 Back Abaddon Next 復習の時間 ←Back Character name Next→ 14 アイドル学概論 ダガー・モールス 49 ggr アーチャー(那珂) 48 Cinderella Cage 29 軋む街 ライダー(大杉栄光) 48 Cinderella Cage 45 インタールード 白 キャスター(メフィスト) 33 黙示録都市<新宿>
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編集する。 2021-12-08 18 33 58 (Wed) - [[]]とは、 videoプラグインエラー 正しいURLを入力してください。 リンク内部リンク 外部リンク 討論用 編集者用ミニ編集参加(文の提供・嘘・誤字等) 出典、参考 リンク 内部リンク [[]] [[]] [[]] 外部リンク 討論用 名前 コメント すべてのコメントを見る 編集する。 2021-12-08 18 33 58 (Wed) - トラックバック一覧 trackback テクノラティ検索結果 #technorati 口コミ一覧 #bf 関連ブログ一覧 #blogsearch ニュース #gnews Plugin Error キーワードを入力してください。 #gnews Plugin Error キーワードを入力してください。 リンク元 #ref_list 編集者用 ミニ編集参加(文の提供・嘘・誤字等) 出典、参考
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劇場版シティーハンター -VOCAL COLLECTION- 期間生産限定盤 シティーハンターアニメ全史ぴあ 発売日:2月22日・8月21日 TVアニメ放送開始30周年記念! 2019年2月全国ロードショー『劇場版シティーハンター』の 劇中歌を収録したコンピレーション・アルバムがリリース。 TVアニメ『シティーハンター』のエンディングテーマとしてブレイクした TM NETWORKの代表曲「Get Wild」ももちろん収録。 ここを編集 2019年2月公開。CITY HUNTER 百万ドルの陰謀に続くシティーハンター劇場版第4作。2019年1月30日、初のTV版Blu-rayBOXが発売。劇場第5作に劇場版CITY HUNTER 天使の涙 エンジェルダスト がある。 https //cityhunter-movie.com/ 総監督 こだま兼嗣 チーフ演出 佐藤照雄、京極尚彦 原作・ゲストキャラクター原案 北条司 脚本 加藤陽一 コンテ こだま兼嗣、佐藤照雄、京極尚彦、佐藤真人 演出 鎌倉由実、馬引圭、山内愛弥、大島克也 キャラクターデザイン 高橋久美子、菱沼義仁 サブキャラクターデザイン ことぶきつかさ、西村博之 総作画監督 菱沼義仁 作画監督 可児里未、伊藤裕次、竹内進二、田頭真理恵、松川哲也、赤井方尚、齋藤卓也、城前龍治、平岡雅樹、中島里恵、柴田淳、兵渡勝、中村勝利、前澤弘美、ことぶきつかさ、片山みゆき、桑名郁朗、茂木信二郎、工藤友靖、佐藤正樹、寺尾洋之、仲盛文、鈴木卓也、有田周平、津野田勝敏 デザインワークス 田頭真理恵、黒川あゆみ、岩佐有祐、大橋沙也伽 メカデザイン 石垣純哉、植田大貴 車輛設定 山根公利 車輛設定資料協力 田中むねよし 銃器設定 青木悠 設定協力 明貴美加 軍事ディレクション 金子賢一 美術監督・美術ボード 加藤浩、坂上裕文 美術設定 加藤浩 美術監督補佐 後藤千尋 色彩設計 久保木裕一 色彩設計補佐 岡宮志帆 撮影監督 長田雄一郎 撮影監督補佐 飯島亮 撮影管理 川下裕樹 3DCGディレクター 後藤優一 モニターデザイン 青木隆 2D効果 前林文恵 特殊効果 村上宜隆、谷口久美子、荒畑歩美、小林香織 編集 今井大介 編集助手 小笠原風 音響監督 長崎行男 音響効果 西村睦弘 ミキサー 山本寿 アシスタントミキサー 鶴巻慶典 音楽 岩崎琢 文芸制作 高橋哲子 オープニングアニメーション 内藤直也、椋代浩章 アニメーション制作 サンライズ ■関連タイトル Blu-ray 劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ 完全生産限定版 シティーハンターアニメ全史ぴあ Blu-ray シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション 豪華版 アニメ版 シティーハンター 冴羽獠ぴあ 『CITY HUNTER』ジャンプ ベストシーン 劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ -ORIGINAL SOUNDTRACK- 初回仕様限定盤 劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ -VOCAL COLLECTION- 期間生産限定盤 CITY HUNTER Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 シティーハンター 冴羽獠ぴあ ベスト盤 City Hunter Sound Collection X-Theme Songs- City Hunter Sound Collection Y-Insertion Tracks City Hunter Sound Collection Z-Dramatic Album- CITY HUNTERパーフェクトガイドブック 別冊宝島 シティーハンター最強読本―TVシリーズ全140話+スペシャル版全6話ダイジェスト シティーハンターイラスト集X 【コミック・マスターピース】 『シティーハンター』 1/6スケールフィギュア 野上 冴子 【コミック・マスターピース】 『シティーハンター』 1/6スケールフィギュア 冴羽 りょう フィギュア・ホビー:CITY HUNTER 原作コミック 北条司/シティーハンター ―Complete edition 1巻 rakuten_design= slide ;rakuten_affiliateId= 053df7e0.7c451bd1.0c852203.190c5695 ;rakuten_items= ctsmatch ;rakuten_genreId=0;rakuten_size= 468x160 ;rakuten_target= _blank ;rakuten_theme= gray ;rakuten_border= on ;rakuten_auto_mode= on ;rakuten_genre_title= off ;rakuten_recommend= on ; 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Switch ゼルダの伝説 Tears of the Kingdom Switch 世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER Switch ピクミン 4 大友克洋 Animation AKIRA Layouts Key Frames 2 小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女 1 ONE PIECE FILM REDデラックス・リミテッド・エディション 4K ULTRA HD Blu-ray Blu-ray 劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ 完全生産限定版 Blu-ray 映画『ゆるキャン△』 Blu-ray 【コレクターズ版】 Blu-ray ウマ娘 プリティーダービー 4th EVENT SPECIAL DREAMERS!! Blu-ray 天地無用!GXP パラダイス始動編 Blu-ray第1巻 特装版 天地無用!魎皇鬼 第伍期 Blu-ray SET 「GS美神」全話いっき見ブルーレイ Blu-ray ソードアート・オンライン -フルダイブ- メーカー特典:「イベントビジュアル使用A3クリアポスター」付 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所 Blu-ray Memorial BOX 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち Blu-ray BOX 特装限定版 地球へ… Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 神風怪盗ジャンヌ Complete Blu-ray BOX HUNTER×HUNTER ハンター試験編・ゾルディック家編Blu-ray BOX BLEACH Blu-ray Disc BOX 破面篇セレクション1+過去篇 完全生産限定版 MAZINGER THE MOVIE 1973-1976 4Kリマスター版 アニメ・ゲームのロゴデザイン シン・仮面ライダー 音楽集 テレビマガジン特別編集 仮面ライダー 完全版 EPISODE No.1~No.98 MOVIE リスアニ!Vol.50.5 ぼっち・ざ・ろっく!号デラックスエディション ヤマノススメ Next Summit アニメガイド おもいでビヨリ アニメ「魔入りました!入間くん」オフィシャルファンブック 『超時空要塞マクロス』パッケージアート集 CLAMP PREMIUM COLLECTION X 1 トーマの心臓 プレミアムエディション パズル ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works はんざわかおり こみっくがーるず画集 ~あばばーさりー!~ あすぱら画集 すいみゃ Art Works trim polka-トリムポルカ- つぐもも裏 超!限界突破イラスト&激!すじ供養漫画集 開田裕治ウルトラマンシリーズ画集 井澤詩織1st写真集 mascotte 鬼頭明里写真集 my pace 内田真礼 1st photobook 「まあやドキ」 進藤あまね1st写真集 翠~Midori~ 声優 宮村優子 対談集 アスカライソジ 三石琴乃 ことのは 亀田祥倫アートワークス 100% 庵野秀明責任編集 仮面ライダー 資料写真集 1971-1973 金子雄司アニメーション背景美術画集 タローマン・クロニクル ラブライブ!サンシャイン!! Find Our 沼津~Aqoursのいる風景~ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会[復刻版] 梅津泰臣 KISS AND CRY 資料集 安彦良和 マイ・バック・ページズ 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』編 氷川竜介 日本アニメの革新 歴史の転換点となった変化の構造分析 Blu-ray THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th Anniversary Celebration Animation ETERNITY MEMORIES Blu-ray おいら宇宙の探鉱夫 ブルーレイ版 Blu-ray 映画 バクテン!! 完全生産限定版 アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~ Blu-ray BOX 初回生産限定版 はたらく細胞 Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 Blu-ray 長靴をはいた猫 3作品収録 Blu-ray わんぱく王子の大蛇退治 Blu-ray 魔道祖師 完結編 完全生産限定版 魔道祖師Q Blu-ray Disc BOX 完全生産限定盤 にじよん あにめーしょん Blu-ray BOX 【特装限定版】 Blu-ray 鋼の錬金術師 完結編 プレミアム・エディション Blu-ray付き やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。完 限定版【同梱物】オリジナルアニメ Blu-ray「だから、思春期は終わらずに、青春は続いていく。」