約 1,353,231 件
https://w.atwiki.jp/iwannabethewiki/pages/3965.html
製作者 I wanna be the新宿公園で韻踏む当然 DL先↓ http //www1.axfc.net/u/3682543
https://w.atwiki.jp/iihito/pages/92.html
~10月19日セミナーのお知らせ~ 1日1時間、8歳の子供でもできる○○をすれば毎月10万円以上作ることができます。 はいでました。 怪しい勧誘!!! そう思われた方?? その通りです。笑 ウソだと思って頂いて大丈夫ですので 私に2分ください。 きっとあなたにとって有意義な話になるので リラックスしながら読んでくださいね。 「一日たったの一時間空いた時間があれば、月に10万円以上稼げることができるとゆうことですか??」 その通りです!! 起きた後 寝る前 仕事の休憩中 通勤時間 TVを見てる時間 FBやTwitterを見てる時間 これらを合計1時間 ○○に変えて頂くだけで 月に10万円稼ぐことができてしまいます。 「でもその○○が難しいんでしょ??」 いいえ、 簡単かつシンプルで誰でもできる作業です。 実はその○○とは。。。 【コピペ】のことです。 コピーして貼り付ける。 これだけです。 ここまで読んで、 興味ない!!!!!! 私にはできない!!! そう思われた方はまたの機会にお会いしましょう♩ 正直、 今あなたの元にこの情報が届くことが なかなかの奇跡です。 この情報は「超」がつくほど新鮮な情報で、 誰もが真似できるシステムです。 今までこういった情報が表に出る事はほとんどありませんでした。。 何故なら、 知って実践したら誰でも稼げてしまう 情報だからです。。。 稼げないわけがないと言っても 過言ではないビジネスなんです。。 胡散臭いですよね? 今はそう思っていただいていて、 結構です。 ただ、他に類を見ないチャンスだと 私は確信してますのであまり表に出したくは なかったのですが、 あなたに “本当のところどうなのか” を確認してみて頂きたいと思ったので私の独断と偏見で 送らせて頂きました。 もう一度お伝えします。 「”コピペするだけ”なんです。」 “絶対、嘘。” “信じられない。” そう、思われてしまっても 仕方ないです。 ただ、しっかりと中身を確認して いただいたらすぐにご理解頂けるかと思います。 良いですか? “コピペだけ”です。 しかも、1日1、2時間程度それを するだけで月に数十万円、、、 何かスキルを身につけたり、 特別な知識もほぼ必要ありません。 試験的にこのビジネスを 実践して頂いたところ、 ビジネス未経験の40代の主婦 19歳の学生 お小遣い3万円のサラリーマン 等、世間一般では ビジネスに触れることさえも 考えられないような人が 結果を出しています。 ◇毎日、乗りたくもない満員電車に 乗らざるを得ない生活から抜け出したい。 ◇人生で成し遂げたい目標がある。 ◇将来の為にも収入源を増やした い。 ◇在宅で出来る仕事を探している。 そんな方にはぴったりの情報だと 思いますので、是非1度足を運ばれて 確認されてみてください。 【日時】 10月19日(月) 開場/19 00より 開始/19 30より (30分前にはお越し下さい) 【会場】 快・決いい会議室 ホールA(3階) 〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町2-4-10 3F TEL 0120-019-484 [アクセス] 東新宿駅 A1出口より左へ 徒歩0分 (東京メトロ副都心線) 東新宿駅 A1出口より左へ 徒歩0分 (都営地下鉄大江戸線) 新宿駅 東口 徒歩12分 (JR山手線) http //www.mapfan.com/index.cgi?MAP=E139.42.34.1N35.41.40.1 ZM=9 【参加費】 500円 ↓【参加表明はこちらから】↓ フルネームでご入力下さい* https //chouseisan.com/s?h=3d0d03589196477788485f794a6869cf
https://w.atwiki.jp/asoudetekoiq/pages/683.html
新宿西口反戦意思表示・第一陣 ユーモラスな若者たちの行動、政治への諧謔を受け入れることなく、表現の自由という基本的な権利を侵してまで、不当逮捕を強行したのは、何故ですか。 そこには、政治的な意図を感じざるを得ません。 法を守るべき立場を捨てゝ、政治権力の走狗と化すことは、警察の自滅的行為です。即刻三人の若者の拘束を解き、陳謝して本来の公僕に立ち返りなさい。
https://w.atwiki.jp/city_blues/pages/228.html
「……何で水が出ないのよ」 クイクイと、何度も水道のレバーを上げ下げしても、水一滴すら蛇口から滴りやしない。 この世界のTOTOの蛇口は技術力が馬鹿みたいに低いのかと思いながら、凛は苛々を隠せない。 「モデルハウスは上下水道が通っておりませんから水は出ませんよ、凛さん」 「先に言いなさいよ馬鹿贄!!」 「はぁ、申し訳ございません。それと私の名前は黒贄ですよ」 駄目だ、やはり話しているとストレスが溜まる。 黒贄と自分とでは、話が噛み合わないと解っているのに、何故話しかけてしまうのだろう。現状この狂人以外頼れる人物がいないからだ、と凛は思う事とした。 先程まで拠点としていた、香砂会の邸宅が、アサシンのサーヴァントであるレイン・ポゥと黒贄の戦闘の余波で破壊され、 拠点として活用するばかりか、騒ぎを聞き付けてNPCも集まりつつあった為に、凛達はその場所にいられなくなった。 結果遠坂凛は、人目のつかないルートを、態々遠回り覚悟で移動し、元の拠点だった邸宅を捨てて今の所まで北上して来た。 モデルハウスを選んだのは、家と言う体裁を保った建物を拠点にしたかった為だ。 今や世界規模の有名人――悪い意味で――である遠坂凛が、そこら辺の公園や空き地で待機する訳にも行かない。直に事が露見する。 だから、自分が潜伏している事が目立ちにくい、建物内部で隠れていたかったのだ。モデルハウスである以上、当然此処を担当する管理会社の従業員がいた。 黒贄が「何とかしましょうか?」、とか訊ねて来たが、この男の何とかするは殺人以外にあり得ないので、自分がやると凛は説得。 従業員全員に暗示を掛け、自分の事を忘却させてからその場を離れさせた。こんな情けない事に魔術を使うなんて、凛は夢にも思わなかった。父に合わせる顔がない。 遠坂凛が考える事は何時だって一つ。今後聖杯戦争をどう乗り切るか、であった。 自身の置かれた境遇が、この聖杯戦争に参加している全主従の中でも最低かつ最悪に近しいものである事は自覚している。 自覚していてもどうしようもない程、凛の窮状はマズいのである。指名手配を受けている上、彼女の顔も既に他主従に割れている為、 NPCに紛れてすっ呆けて生活する、と言う作戦も不可能。サーヴァントがあの調子であるから、同盟なんて論外であるし、そもそも組んでもらえるとも思えない。 そして、神秘の隠匿と言う、魔術師が何としてでも守らねばならぬ大原則に真っ向から喧嘩を売ってしまった、と言う事がネックだった。 冬木の聖杯戦争なら、監督役に申し入れて聖杯戦争を棄権する、と言う選択肢もないわけではなかった。しかし今の遠坂凛は指名手配を喰らったばかりか、 サーヴァントを用いた大虐殺の様相を世界中に公開された。如何に中立を貫く事が求められる監督役と言えど、これに関しては、天秤は片方に傾かざるを得ない。 即ち、遠坂凛を見捨てる――いや、契約者の鍵を通じて投影されたホログラムを確認するに、寧ろ一番抹殺に乗り気なのは向こうである。 棄権の旨を伝えようと、運営の本拠地に乗り込んだ瞬間、殺されてしまいかねない。要するに、遠坂凛の主従は、詰んでいた。 とは言え、勝ちの目がどんなに薄かろうが、遠坂凛は諦めない。 何せ掛かっているのは我が命である。社会的に死ぬだとか、死んだも同然と言う言葉があるが、凛の場合は比喩抜きで死にかねない。本気になるのが当たり前と言う物だ。 凛の引き当てた、黒い略礼服のバーサーカーは、ソファに腰を下ろし、「うぅむ、空腹を感じぬ肉体と言うのは便利でもある一方で何か違和感が……」と口にしている。 黒贄は確かに、とても良いサーヴァントとは言えない。彼を評価する場合、何にも先だってその性情や嗜好が前に来る。 人を殺さずにはいられないその性分、NPCであろうが、時としてマスターである凛にすら殺意を直撃させかねないその性質。これがあるだけで、 黒贄の評価は最低の更に下であると評価せざるを得なくなる。では、黒贄の良い所を評価しろ、と言われればどうなるか? 性質の悪い事に、実はこれも直に思い浮かぶ。単刀直入に言って、このサーヴァントの良い所は『強い』の一点が上げられる。 凛は、黒贄の強さを疑っていた。ステータス自体は凄い物である事は、マスターである彼女が良く解っている。しかし、それが実戦に活かせるか如何かとなると話は別。 実際凛から見た黒贄はかなりのんびりと言うか間が抜けていて、到底戦うに適したサーヴァントとは思えなかったのだ。 が、レイン・ポゥとの戦いで評価は変わった。他を圧倒する程のステータスは飾りではなく、スキルの不死も、真実本当の不死であった。 大脳がまるまる欠損されても、首の骨を圧し折られても、最早機能しない程内臓をズタズタに斬り裂かれても、黒贄は死なない。 そればかりでなく、戦闘が長引けば長引く程、黒贄の腕力と速さは天井知らずに上昇して行くと言う、持久戦に持ち込まれても、いや、持ち込まれた方が有利と言う性能。 つまり、性格を除けば黒贄は、先ず間違いなく、最強に近しいサーヴァントであると言う事だ。その性格が、ネックなのだが。 改めて、黒贄の方に目線を向ける凛。 いつもの略礼服、いつもの眠たげな瞳と薄い微笑み、いつもの屈強そうな肉体。召喚した当時の黒贄の姿とまるで変わりない。 それが、異常なのである。黒贄はレイン・ポゥとの戦いで、頭の眉より上を切断され、大脳は全て失い、内臓は挽肉より酷い状態にされ、首はほぼ直角に圧し折れ――。 しかも、下半身まで切断された状態だった筈なのだ。それなのに、黒贄は時間が経過したら本当に、元通りの状態になっていた。 頼りがいよりも寧ろ、一方的な恐怖を凛は抱いている程である。御伽噺や神話、伝説、そして、人の住まう世界に確かに存在した実在の英雄や猛将達。 人の想念と言う形のない、しかしそれでいて確かなるエネルギーによって精霊の域にまで押し上げられた存在。それこそがサーヴァント、即ち英霊である。 そんな彼らの中には、どんな攻撃を受けても死なない不屈の存在と言う者も、少なくないだろう。だが黒贄の場合は、常軌を逸し過ぎている。 第一、霊核を砕かれても消滅しない等、どうかしている。サーヴァントにとって霊核とは、心臓以上に破壊されれば戦闘続行が不可能の箇所。その筈なのに、黒贄は平然としているばかりか、当たり前のように霊核を破壊された状態からその霊核ごと完全復活していると来ている。 黒贄は確かに最悪のサーヴァントであるが、唯一の救いは強いサーヴァントであると言う事だ。 凛を取り巻く現状は頗る悪いとしか言いようがないが、聖杯戦争の唯一絶対の勝利条件は、『最後まで生き残る事』である。 聖杯戦争を勝ち残るには、マスター自体の資質と呼び出されたサーヴァントの強さが物を言うのは言うまでもない。 凛のマスターとしての資質は言うまでもないし、黒贄の戦闘能力も高い。これをどれだけ活かし切れるか、この主従が生き残る術は、もうそれしかないに等しいのだった。 「……黒贄」 「何でしょう」 何が面白いのか解らぬ微笑みを浮かべながら、黒贄が返事をして来た。 「貴方、聖杯に掛ける願いって、あるの?」 遠坂凛は、聖杯が万能の願望器である事を、此処 新宿 に来る前から知っていた、恐らくは唯一の参加者であった。 しかし、聖杯の性質を知ってなお、彼女は聖杯に託する願いはなかった。亡き父が志半ばで、求める事が叶わなかった聖杯は、凛にとっては『勝利のシンボル』であった。 聖杯は欲しい。但し、願いを叶えるが為に欲するのではない、聖杯戦争を制した証として、欲しかったのだ。 だが、此処 新宿 での聖杯に限っては違う。元の世界に戻りたいと言う凛の願い、それを叶える手段は凛の頭では聖杯以外思い描けない。 だから彼女は、宗旨を曲げて、聖杯に願いを託そうとしているのだ。そんな事を考えている内に、凛は気付いたのだ。自分は、黒贄が聖杯に何を願っているのか知らないと。 聞くタイミングがなかったのだ。召喚当初は周知の通り黒贄が無軌道極まりない殺人を引き起こし、逃げるのに手一杯。それ以降も凛は心労からグロッキー。 著名な英雄や猛将であれば、ある程度の推察は出来るが、黒贄に関してはそれが全く想像不可能。だから此処で敢えて凛は、黒贄が何を願うのか聞いてみる事としたのだ。……願いの次第によっては、本当に令呪を使って殺さねばならないのだから。 「何でも願いを叶える杯、との事ですが、本当に叶うのでしょうか?」 「願い次第じゃないかしら」 事の正否は兎も角、サーヴァントを召喚するだけの魔術礼装は、それ自体が埒外の魔力を内包している。 英霊と呼ばれる、使い魔の中でも最上位の格を有する精霊達を複数体世界に呼び寄せられる礼装である。その魔力を活かせば理屈の上では、叶えられない願いなど、ないのではなかろうか。凛はそう考えている。 「ううむ、そうですなぁ。敢えて私が願う事があるとすれば……」 「あると、すれば?」 「この世界が続く事ですなぁ」 予想外の返事に、凛が驚いた。 凛の想像を超える程その願いが邪悪であったとか、聖人君子染みた素晴らしいものであったとか、そう言う訳じゃない。 人を殺さずにはいられない、狂人の中の狂人である黒贄が抱くには、余りにも陳腐で在り来たりな物だったから、驚きを隠せなかったのだ。 「え……それって、世界平和、って奴?」 「か、どうかは解りませんが、地球環境保護活動は何回かした事はありますよ。植樹もやった事がありましたねぇ、若木の苗が予想以上に凶器に適してましたから、テンションが上がって一緒に植樹をしてたボランティアの人を殺してしまった事もありますけど」 後半の話は、聞かない事にした。 「だって黒贄、貴方は殺人鬼なんじゃ……」 「凛さん、殺人鬼が殺人鬼でなくなる時とは、どんな時だと思いますか?」 「死んだ時……とか?」 「それもありますが、それ以外では?」 「……」 沈黙は、解らない事の意思表示であった。 「世界から人がいなくなった時ですよ。人を殺すから、殺人鬼。だったら、世界に人が一人もいなければ、殺す人間がいないのですから殺人鬼はただの鬼になっちゃいます」 「そんなの、つまらない言葉遊びよ」 「いえいえ、殺人鬼にとってはそれは重要な事柄ですよ。如何に正気ではない殺人鬼であろうとも、人一人いない世界に放り込まれれば、一秒と耐えられません。死を選ぶのではないでしょうか。だって自分のアイデンティティを満たせないのですから」 「それを満たす為に、黒贄。貴方は人の世界の存続を願ってるの?」 「殺人鬼を標榜していながら、世界の滅亡とか、人類の絶滅を願うのは紛い物です。私は人が好きだから殺すのです。そんな好きな人間が滅ぶような選択は……あまり許容は、出来ないですなぁ」 初めて、黒贄の本当の狂気に触れた気がした。凛の想像していた以上に、この男は人類の理解の及ばぬ存在だったらしい。 人が嫌いだから世界を滅ぼすとか、そんなのであれば、許容こそ出来ないがまだ納得が行く。理に適っているからだ。 だが黒贄の場合は、人が好きで、世界の存続も願っている。しかし、殺すのだ。だって彼にとって殺人とはとても楽しい事柄だから。 そんな大好きで楽しい殺人が出来なくなるから、彼は世界の滅亡は認めない。人類の平和と人の世の存続を思う事は、とてつもなく有り触れた手垢のついた願いでありながら、その世界を求める理由は、何処までも捻じくれて狂っている。黒贄はやはり、狂人(バーサーカー)のクラスに当て嵌められるに相応しい存在であったのだ。 「やっぱり貴方は狂っているわ、黒贄」 「ううむ、自覚はしてませんなぁ」 やはり、自分と黒贄では会話は噛み合わないと思い知らされた凛。 どちらにしても、黒贄は聖杯に望む願いはかなり薄いと言う事だけは解った。ならば後は、聖杯を勝ち取るだけ。 ――そんな事を考えていた、その時であった。モデルハウスと言う建物の中にいても聞こえる程の遠鳴りが、ガラスと壁越しに響いて来たのと、 地震でもあったかのように家全体がぐらぐらと揺れ始めたのは。 「な、何……?」 凛が不安そうに周りを見渡した。 揺れは錯覚でも何でもなかった。シャンデリア型のシーリングライトが、振り子のように左右に振れている。 「ううむ、地震ではないようですね」 黒贄が呑気そうに言うが、それに関しては同意だった。 凛の聞いた轟音は凄まじく重い物――そう、例えば巨大な建物が崩れ、その瓦礫が落下し衝突して行くようなそれに似ていた。 音源が何によって齎されたのかまでは解らない。解らないが、一つだけ確かな事は、何処かの主従が自分達の知らない所で、戦っている、と言う事だ。 「向いましょうか?」 「……」 と、黒贄が伺いを立てて来た。十秒程考え込む凛であったが、首を横に振るった。 強いサーヴァントを引き当てられたのならば、自分の足で相手の方へと出向くのは、決して間違った選択ではないのだが、このサーヴァントでそれは避けたい所だった。 要らぬ被害を増やしてしまうだけだからだ。待ちを狙って、勝つ。それが、凛の定める自身の勝ち筋であった。 「正しい判断ね」 ――突如としてリビングに響き渡る、艶やかな女性の声。 当然、凛のものでも黒贄の物でもあり得ない。バッと、声のする方向、廊下へと繋がる入口の方に目線を向ける凛。 其処には、世間から見れば美女の水準を容易く満たす遠坂凛から見ても、美しいとしか見えぬ女性がいた。 椿油でも塗っているのだろうか。艶も見事な黒髪をポンパドールに纏めた、妖艶な女だ。 格調高い黒のスーツを身に纏ったその風は、見る者に特権階級の出と言う印象を与える程決まっていた。 しかし、浮かべているその妖しげな笑みは、その見事なまでのプロポーションと妖艶で美しい顔つきのせいか、清純や清楚と言ったイメージは想起させない。淫猥さ、と言う物の方を、寧ろ凛は感じた程であった。 「誰!?」 バッと、左手の人差し指を女性の方に突き付ける凛。 彼女の左腕は、淡く緑色に光っていた。これこそが、遠坂家が五代にわたって受け継いで来た研究成果、いわば遠坂家の叡智と研鑽の結晶。魔術刻印であった。 傍目から見れば一人でに淡く光る入れ墨の様なそれを見て、スーツの女性は、不敵な笑みを浮かべるだけ。 「ガンドね。北欧神話の魔術に造詣が深いのかしら?」 「詳しいわね。なら、解るんじゃないかしら? 逃げ場はないわよ、貴女」 「度胸は一級だけど、実力が伴っていないのがダメね。貴女程度じゃ私を殺せないわ」 どうもこの女性は、凛が魔術師に類する少女である事を看破しているようである。 していてなお、まるで恐れを抱いてない。それが演技でもブラフでもなく、真実の装いである事を、凛は本能的に理解していた。 凛は目の前の存在が、サーヴァントである事を見抜いている。だから、恐れない。ステータスは確認出来ない。隠蔽に纏わるスキルを持っているのかもしれない。 視認は出来ないが、保有する魔力量が規格外のそれである事からも、目の前の存在が、人以外の存在である事を雄弁と物語っていた。 「私は、貴女と事を争いに来た訳じゃないのよ? さる御方が、畏れ多くも貴女と話をしてみたいと言うから、その仲介人として此処を訪れただけ」 スタスタと此方に向かって歩いてくる。よく見ていたら彼女は、室内であると言うのにハイヒールを履いていた。フローリングがヒール部分とぶつかって、細やかな傷を刻んでいる。 「ふぅむ、お知り合いですかな? 凛さん」 「違う!!」 相変わらず、黒贄はマイペース極まりなかった。 凛とスーツの女を交互に眺める黒贄。その瞳には何処か、不服気な表情があった。その感情は主に、スーツの女に向けられている。 「此処で事を争う自由も、当然貴女にはあるけど、リスク計算が出来ない程教養のない娘じゃないでしょう?」 言われて凛が、痛い所を突かれたような顔で女性を睨んだ。 正論である。少なくとも凛の魔術の腕前では、スーツの女性は如何あっても殺せない。必然的に、黒贄を運用しなければ殺せなくなる。 だが、黒贄を用いると言う事は、どう言う結果を齎すのか。それを考えれば、到底迂闊に黒贄に『殺せ』などと命令を下せないのであった。 「心配しなくても、争うつもりは本当にないわ」 「じゃあ何で、私達の所に態々姿を見せたのかしら? 私の今の立場が解らない訳じゃないでしょう?」 「用があるのは、私よりも、私の主に相当する御方よ」 「貴女の、マスター?」 「ミス・遠坂に甚く興味を抱いている、やんごとなき御方よ。――御入り下さい」 入って来た扉の方に身体を向け、恭しくそう言うと、開け放たれたドアの奥の暗がりから、一人の男がリビングへと現れた。 「お初にお目に掛かるね、お嬢さん」 入って来た男の姿を見た時、凛は、例えようもない程の不気味な感覚を、覚えたのであった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 灰色をしたシングルのスーツジャケットとスラックスを身に付けた青年だった。ビジネスマンと言うよりは旅行者や旅人と言うイメージを、見る者に与える。 その証拠に、頭に被るハンチング帽と、右手に持つ黒い革のボストン・バッグは、これから仕事に行く物と言うよりは、行楽に向かうかのようなアクティヴなイメージを想起させる。 この上、若々しい青春美に溢れた、西欧風の整った顔立ちである。 同性であっても、十人が十人ハンサムと答える程の美男子で、こんな男がオフィスで一緒に働いていたら、同僚は嫉妬の念すら起きないであろう。 それ程まで、美のレベルが隔絶していた。立ち居振る舞いや発散される雰囲気もインテリジェンスに富み、非の打ち所のない紳士にしか到底見えない。 遺伝子のレベルで完璧としか言いようがない程のこの男を見て凛は、言いようのない程の恐怖を覚えた。 凛にとって目の前の男は、この世に並ぶ者のいない、世界の全ての物事と事柄を知悉し尽くした至天の賢者に見えた。 そして、この世に並ぶ者のいない、世界の全ての悪徳を犯し全ての罪を一身に背負った、この宇宙が存続出来る全ての時間を費やしたとて許されぬ至悪にも見えた。 無限大にも等しいプラスと、無限大にも等しいマイナスがぶつかり合い、辛うじて人間に見えるか? と言った、人間以外の『何か』。それが、目の前の男について、凛が抱いた印象だった。この男は――何者だ。 「驚いているかな?」 そう言って男は、黒いワークブーツを履いたまま、何の恐れも抱かず黒贄の方へと近付いて行く。 男は黒贄が腰を下ろすソファの、対面のソファに腰を下ろし、同時もせずに黒贄と、凛の方に目線を送った。 「君も察しているかと思うが……。今此処にいる私は、ある協力者の力を借りて送られた、一個の核に魔力を形を伴わせて纏わせた弱い分霊に過ぎなくてね。本体は此処から離れた所にある。真の姿を此処に見せられぬ非礼を、先ずは詫びさせて貰おう」 「サーヴァントの原理と、同じ……」 今になって凛も気付いたが、目の前にいる男は、明らかにスーツの女性よりも弱い。 それなのに女性が男に送る態度は、畏敬と畏怖に溢れたそれで、最大限の敬意を払う事を徹底しているのが、事情を知らぬ凛にすら理解が出来る程だった。そんなか弱い存在なのに、脅威の程は、圧倒的に男の方が上であると、凛に思わせる程の何かを男は発している。 「御明察。流石は、シュバインオーグ老に師事した偉大なる太祖を持つ、遠坂家の六代目当主だね」 淀みなく言葉を紡ぐスーツの男に凛は瞠若してしまう。秘密にしていた事柄を全て、言い当てられてしまったような感覚であった。 「何で、私の事と、シュバインオーグの事を……?」 「彼の『時の翁』とは顔を会わせる機会があってね。まぁ、他愛もない事を話す仲さ」 窓から入ってくる夏の日差しよりも明るい笑みを浮かべて、スーツの男がそう言った。 陽の当たり具合の影響で、陰になっている顔の部分に、途方もなく悪辣で邪悪なものが蠢いているように、凛には見えた。 「少しは緊張もほぐれたかな? それとも、ハハ。より素性が解らなくなって、余計に気味を悪くしたかね?」 「……後者の方よ」 「正直なお嬢さんだ」 男は笑みを強めた。 「其処にいては、話もし難いだろう。もっと近くに来ないかな?」 「此処で話すわ」 キッチンの水洗い場の前で、凛が言った。 「警戒心の強い娘だ。良いだろう。では君は其処で構わない。バーサーカーくん、君は如何する?」 「黒贄、アンタは其処よ」 「はぁ」 近くに来られて、万一戦闘になったら凛まで巻き添えを喰いかねない。それ故の判断だった。 「君達の事を私は知っているのだ。此方の事も話さねばフェアじゃないだろう。私の名はルイ・サイファー。尤も今は、先程言った通り分霊に近い存在だがね」 「私の名は百合子(ゆりこ)。ルイ・サイファー様の従者のような者、と言う認識で差し支えないわ」 「貴方達は、サーヴァントなの?」 「違うね。僕はマスターで、其処の百合子は、私の使い魔に近しい」 凛が絶句したのは言うまでもない。 使い魔を使役する魔術師など、魔術師の常識に照らし合わせれば、珍しい事でも何でもない。 根元を目指し、途方もない時間を研究室たる工房で過ごす事の多い魔術師、しかし、必要上外界に赴かねばならぬ機会は少なくない。 そう言った時の為に用いられるのが使い魔だ。彼らはその魔術師が外で用を達成する代理人として創られた存在である。 当然それを達成させるには知性と、強い柔軟性(フレキシビリティ)と言う物が求められる。無論、工房内での雑務庶務までもが彼らの仕事の範疇だ。 つまり使い魔とは、その魔術師にとって紋章(エンブレム)であり、外界で活動する為のその魔術師のもう一つの仮面(ペルソナ)であるのだ。 当初凛は、ルイの事をキャスターのサーヴァントであり、百合子と名乗る女性は、そのルイが生み出した、サーヴァントに近い高度な使い魔だと認識していた。 しかし実態は、ルイは正真正銘のマスター、つまり人間であり、百合子はその人間に従う使い魔だと言う。 サーヴァントとはその名が仄めかす通り、実態は精霊に近しい最高位の使い魔と言うべき存在であるのだが、この百合子と言う存在は、 サーヴァントに肉薄する程の強さと自律性を持っている。そんな存在を使い魔として創造、使役する魔術師など、この現代では考えられないのである。 「先ずは、何処から話そうか。先程君達も聞いた、音の件から行こうかな」 そう言えば、黒贄にその音源の所に向かうかと聞かれ、否と答えた時、百合子はそれを正しい判断だと称賛した。彼女が何故そんな事を言ったのか、凛はまるで解らない。 「有体に言えばあれは、とあるバーサーカーがルーラーのサーヴァントに対して宣戦布告代わりに宝具を放った音だよ」 「……え? それじゃ、私がもしもその方向に行っていたら……?」 「無論、ルーラーと鉢合わせ。当然向こうは君の事を快く思ってないから、殺されてたよ」 途端に、冷たい氷の蛇が背筋をいやらしく這い回るような感覚を凛は憶える。 今となってはifの話だが、もしも、あの時その音源の方に野次馬根性を出していたら、自分は真実殺されていたかも知れないのだ。これほどまで恐ろしい話などあろうか。 「……と言うか、ちょっと待って。ルーラーって要するに主催者及び監督役なんでしょう? 何でその監督役に、参加者が喧嘩を売ってるの?」 「……さぁ?」 凛にとっても理解出来ないが、ルイもまた理解が出来ないらしい。バーサーカーのやる事だから、と、凛は思う事にするのであった。 「それで、ミスター・ルイ。先ず、と言うからには、当然まだ話す内容があるのでしょう?」 「無論。まぁ、それが本題でね」 「それは一体、何なの?」 凛の方ではなく、黒贄の方に目線を向けて、ルイは口を開く。 「君は既に予測出来ているだろうが、この聖杯戦争は君の様な魔術師以外の存在も参戦している。君の常識では少々、考え難い事だろうがね」 そんな予感は、先程の戦いでしていた。 香砂会の邸宅で戦った、虹を操る暗殺者のマスターは、全く魔術師に見えなかったし、現に魔力など一かけらとて感じなかった。 身体を機械に換装させた人間。つまりは、一般の人間である。そんな存在が、到底聖杯戦争に参戦出来る筈がない。 筈なのだが……、現にあのマスター、英純恋子は参戦していた。だからもしかして、他にもあんな存在がいるのでは、と凛は予測はしていたのだ。 「君にとっては、それは確かにあり得ない常識だろう。しかし、他の多くの参加マスター達はそうは思っていない。何故だか解るかね?」 「……その『常識がない』から。常識はつまり、前提があるから成り立ってる。私と違って他の多くの主従は、『此処に来る前から聖杯戦争について学べる機会がなかった』」 容易に想像出来る事柄である。 そもそも魔術の知識に明るい凛ですら、この聖杯戦争に巻き込まれたのは予測不能で不可避の事柄であった。 果たして誰が、契約者の鍵などと言う物に触れたら、異世界の 新宿 に飛ばされる事を予測出来たと言うのか。 凛ですらこれなのである。他の者達など、魔術等の才能のあるなしを問わず、訳も分からず此処に連れて来られた事は簡単に思い描ける。 その中には一般人同然の者もいた事だろう。当然、聖杯戦争の事など事前に学べなかったどころか、そんな単語など聞いた事すらない人物も、この 新宿 にはいるのだろう。 「その通り。この 新宿 に集った聖杯戦争の参加マスター。その多くの者は、君の知る聖杯戦争のセオリーから大きく外れている。何故ならば、知らないからだ。学べなかった事柄を、人は常識に設定出来ない」 「凛さんはそんなに珍しい方なのですかな?」 「少なくとも私が観測している限りでは、此処 新宿 で唯一、この街にやって来る前から聖杯戦争について知っていた参加者だよ。バーサーカー」 「そんな私に、貴方は何の用なの?」 「君は本来ならば、有利になって然るべき存在なのだよ。聖杯戦争の事も事前に知っている、魔力もある。なのに君の現状は、如何だ? 頼る味方もバーサーカー以外にいなければ、神も悪魔からも今の君は見放された状態。君の窮状は、目に余る」 そんな事、言われなくても解っている。と言うような瞳で凛がルイを睨みつける。 彼女に背を向けていても、そんな敵意は感じられたのだろう。ルイは続けて言葉を紡ぐ。 「力ある者が時と場の運で途端に不公平になる。とても心苦しいし、見ていて胸が痛む。弱い人間の味方としては、ね」 其処でルイは、凛の方に目線を向けた。凛の怒りの感情が、途端に吹っ飛ぶ。彼の目は、酷く澄んでいた。 「私の方から手を差し出す事は出来ないが、君には知る権利を与えよう。此処 新宿 の聖杯戦争のある程度をね」 「 新宿 の聖杯戦争に、ついて……?」 「聡明で優れたキャスタークラスならばある程度辿りつける可能性のある真実だが、現状私がこれから話そうとしている事柄を知っているマスターは、私以外にいない。それが、これから一人増える。君だよ、遠坂凛」 「そんな事を話して……貴方達には何か益でもあるの?」 その言葉を受けて、ルイは笑みを零し、百合子はクスりと笑って見せた。 「面白いじゃないか」 「……面白い?」 「厳密に言えば、今話す事柄。知っている主従は、参加者の中では現状私だけだ。参加者以外の存在では、知っている者は『ルーラー』と『運営者』。つまり真実、私を含めた三人だけしかこれから話す事は知らない」 「そんな事を私が知って、貴方達は面白いの?」 「ゲームが引っくり返りかねないからね、面白くないわけがない。……さて、此処から君達は二つの選択が取れる。私の話を与太だ作り話だと嘲弄し、此処から我々を追い返す事。そして、私の話に耳を傾ける事、だ。どちらを選ぶ?」 「……話して」 凛は六秒程考えてから言った。 無論、嘘である可能性は高い。だが、この男は自分の来歴ばかりか、大師シュバインオーグの事すらも知っていた。 話を聞いてみる価値はある。それに、話された事柄を全て頭から信じる程、凛は馬鹿ではない。何が虚で何が実なのか、それを見極めねばと堅く引き締まる。 「良いだろう」 相好を崩し、ルイは口を開いた。 「改めて述べるまでもないが、 新宿 での聖杯戦争は、本来君が冬木市で行う筈だった聖杯戦争とは全くその形を異にするものだ。何故だか解るかい?」 「私が思ったのは、『ルーラー』と言うクラスの存在。そして、今貴方が言った事で思った事。『同じクラスのサーヴァントが複数いる』と言う事」 「悪くない着眼点だ。冬木の聖杯戦争について学んでいた君なら、それがおかしい事が解るだろう」 「先ず、ルーラーと言うクラスのサーヴァントから聞かせて。聖杯戦争は七騎のサーヴァントが、七つのクラスのどれかから選ばれて、召喚者に応じて呼び出されて戦う物の筈。ルーラー何てクラス、聞いた事がない」 「だろうね。君の思う通り、ルーラーと言うクラスは本来的には存在しないクラスだ。だがごく稀に、例えば召喚者自体の資質や、触媒によって、通常の七クラスとは違うクラスの存在が呼び出される事がある。それを、エクストラクラスと呼ぶ」 「『特別』なクラスって事?」 「或いは、『余分』なクラスかも知れないがね。続けよう。ルーラーなるクラスはその名の通り、裁定者のクラスだ。但し、聖杯戦争においては他のエクストラクラス以上に呼び出される可能性が低い。その理由は、その聖杯戦争が非常に特殊な形式で、運営した場合及び完遂の結果が未知な時。そして理由のもう一つは、その聖杯戦争によって、世界に歪みが出る可能性がある場合。こんな時に、ルーラーは聖杯の求めに応じて出現する」 「その論で行くと、 新宿 での聖杯戦争も、貴方の言った条件に当て嵌まるからルーラーが求められたって事? まぁ、クラスの重複が起こる位異端なんだし、当然よね」 「この聖杯戦争の真の姿に比べれば、クラスの重複など瑣末な問題に過ぎないがね」 「私の知る聖杯戦争よりも、もっと大きい謎が隠されている、と?」 「そうだね」 其処まで言われて、続きが気にならない訳がない。 先程ルイが話したクラスにしても、嘘にしては信憑性があり過ぎるし、真に迫っている。もっと聞いてみる価値があると、凛は判断。「続けて」、と話を更に促していた。 「聖杯戦争の大前提とは、何だと思う?」 「聞くまでもないわ、聖杯よ」 何故皆が。それこそ、御三家とすら呼ばれた存在ですらが、聖杯を求め、争おうとしたのか。 それは、聖杯と言う規格外の礼装があるからに他ならない。神の子の血肉を受け止めた黄金或いはエメラルドの杯、或いは最後の晩餐で用いられた杯。 食物を無から無限に生み出させると言うダグザの大釜を原形(ルーツ)とするその聖杯には、どんな願いでも叶えると言う力が秘められている。 だからこそ、サーヴァントやマスターは、これを求めて争うのである。凛ですら例外ではない。 彼女の場合はかける願いこそはなかったが、遠坂家と、実父である遠坂時臣の悲願を成し遂げると言う意味で、聖杯を求めていたのだ。そう、聖杯戦争の参加者にとっての大前提にして、この催しの根幹を成す要素。それこそが、聖杯なのだ。 「その通り。聖杯とは文字通り聖杯戦争の根幹に当たるアイテムだ。これを求めて血を流し、殺し、争う。地上の人間の全ての罪を贖った男がワインを飲むのに使い、彼の血を受け止めた聖なる杯が、野卑なる闘争の連鎖によって顕現する。中々面白いジョークだがね」 フッと、魅力的な笑みを零しながらルイは言った。陽光を受けるその白い歯は、石英の様に光り輝いていた。 「――『この聖杯戦争では聖杯は顕現しない』」 「……えっ?」 ルイが、野に花が咲いているとでも言うようなあっけらかんとした風に口にした言葉の内容は、凛の思考を奪い去るには十分過ぎるものだった。 余りの言葉に、口は半開きになる、その瞳は痴呆の老人めいた節穴にでもなったかの如く、何らの感情も映せずにいた。 「今一度言おう。この聖杯戦争では、君の想起する聖杯は現れない」 「聞こえてるッ!! 待ちなさいよ!! それじゃあ私達は何の為に――」 スッと、凛の方に右腕を伸ばすルイ。話はまだ終わっていない、と言う合図だった。 千年の時を生きる貴族めいた優雅な動作を以て凛の口火を制止するルイの立ち居振る舞いは、人間では到底及びもつかない程典雅で、光の破片がその周りに舞い散りそうな程であった。 「聖杯は現れない。だが、『願いは叶う』。いや、願いを叶える力と言う一点に関して言えば、遍く並行世界で開催されたあらゆる聖杯戦争の中で、最も優れていると言った方が良い」 「聖杯は出ないけど、願いは叶う。その論理の帰結が今一良く解らないのだけれど?」 「説明しよう」 ルイは深くソファに腰を下ろすような座り方に体勢を変えて、説明を続けた。 「アカシックレコードと言う物を知っているかな?」 「……根源」 それは、およそ全ての魔術師が最終的な到達地点、究極目標としている、超と言う言葉が幾つあっても足りない程の、概念的かつ形而上学的な世界である。 曰く、ゼロ。曰く、真理。曰く、全ての原因。曰く、森羅万象の流出地点。曰く、全ての始まりにして全ての終点。 全ての原因であり全ての未来であるが故に、全ての答えを導き出せる、究極の知恵。それこそが、根源の渦なのである。 魔術師とは即ち、根源への到達を渇望する旅人であり、その為の手段として魔術を研鑽する者達の事を言う。 凛ですら、根源の存在を意識している程、魔術師にとって根源と言う場所は大きな意味を持っている。 この世界に足を踏み入れる為に、魔術師は代を重ねてまで研究を子に継がせ、より強い魔力を持つ子孫を作り、子孫もそれを繰り返す。 このような、血と叡智のリレーを続けてまで、到達する意味が根源にはあるのだ。まさかこの世界で、根源であるアカシックレコードの事を知らされるとは、思いもしなかった。 「そもそも、冬木の聖杯戦争自体が、聖杯ではなく、聖杯の魔力を用いて根源へと向かう為の、それ自体が一種の儀式である事を、君は知っているかい?」 「……初耳だわ」 それは、本当に初めて知った事柄だった。――と言うより 「出来るの? そんな事が」 「聞かされていないのかい? 御三家と呼ばれる魔術の大家の誰かが聖杯戦争に最後まで勝ち残ったら、令呪と言う強制命令権を用いてサーヴァントを自害させるつもりだったんだよ。それまでに脱落したサーヴァントは、サーヴァントの魂を溜めておく器に回収される。当然最後に令呪で自害させられたサーヴァントも其処に溜められる。この、サーヴァントの魂を溜めておく器こそが聖杯なのさ。そして、聖杯に溜められた七騎分のサーヴァントの魂を座へと解放させ、その時に世界に空いた孔から、根源に向かうのだよ」 「聞かされてなかったわ……じゃなくて。そんな方法で可能なの? 第一、抑止力がある筈よ?」 そう、根源に向かう事が何故難しいのか、と言う理由の半分にこれがある。 根源そのものに足を踏み入れると言う事自体が、そもそも凄まじく難しい。多くの魔術師は、この難易度の前に膝を屈するか、無情な時の力に敗れてしまう。 ところが、いざ根源に到達出来そうな研究行おうとしたり、到達出来そうな人物の前には、世界はある力を発揮させる。 それこそが、抑止力。所謂世界のセーフティである。決まった形を持たぬ無形のそれは、人類の破滅回避の総意である、つまり人類の意識の海たるアラヤ。 そして、地球そのものが有する、霊長の生命の存続の為に働く意識であるガイアである。 根源に人が到達し、触れると言う事は、この抑止力からの妨害に遭う可能性が高いのである。根源とは、人の力と人智の遥か外にある力。 理屈の上では星は愚か、宇宙ですら無へと回帰させる事の可能性だってゼロじゃない力へ人間が到達する事を、破滅回避の為の安全弁である抑止力が許容する筈がなく。 妨害にあって、研究が頓挫するレベルならばまだ命があるだけ良い方だろう。最悪の場合は、有無を言わさず世界から消されかねない。 魔術師の根源への到達とは、その難易度も然る事ながら、この抑止力が最終的に待ち受けているからこそ達成が不可能に近いのだ。だからこそ魔術師の親はその子供に対し、『オマエがこれから学ぶことは、全てが無駄なのだ』と説くのだ 聖杯戦争の真の目的が、根源への到達。 成程、確かに生粋の魔術師が行う催しであるのならば、理に適っている。後は、それが本当に出来るのか? そして、抑止力はクリア出来るのか、と言う事だが。 それを説明するべく、ルイは言葉を紡いだ。 「御三家の誰かが余程無能じゃない限りは、達成される蓋然性が極めて高い儀式だよ」 「なら安心じゃないかしら。四度にわたる積み重ねがあったんだものの、完成度は折り紙つきでしょ?」 「かもしれないね」 凛の言葉を受けて微笑むルイの表情は、何処か皮肉気なそれだった。 「話を 新宿 の聖杯戦争に戻そう。此処の聖杯戦争の目的は、その『アカシックレコードへの到達』こそが本当の目的なんだ。全員が全員これを目指す」 「……まさか」 「そう。 新宿 の聖杯戦争でどうやって願いを叶えるのか、もう解っただろう? 『アカシックレコードへと到達し、其処で記録を操作』するのさ」 余りにも雄大――いや、雄大を通り越して荒唐無稽にも程がある計画プランに凛は絶句する。 魔術の理論的には、間違っていないのかもしれない。だが、願いを叶える為に行わねばならない事柄が、余りにも無茶苦茶過ぎて、言葉を失ってしまったのだ。 「無理だ、と思う君の気持ち。良く解る。だが、成功する可能性だって高い」 其処で、一呼吸間を置いてから、ルイは続けた。 「アカシックレコードに到達する上で、難事となる課題は三つだ。一つ目は、そもそも其処への辿り着き方。二つ目に、抑止力。そして三つ目が、アカシックレコードの操作の仕方だ」 ルイの言った事を本気で行おうとするのであれば、その三つの課題のクリアは必要不可欠となるだろう。 実際凛には、この三つの難題をどうやって乗り越えるのか。全く想像すら出来ない。 「この三つの課題をクリアするのに、全てにサーヴァントが関わってくる。厳密に言えば、サーヴァントの魔力と言うべき物なのだがね」 「魔力を?」 此処で、聖杯戦争を成り立たせる為のもう一つの要素、サーヴァントが、此処で関係して来るとは。 「理屈としては冬木の聖杯戦争で用いられるメソッドと大して変わりはない。先ず前提として、此処 新宿 にはルーラーを含めなければ『二八体』のサーヴァントが存在する」 その数字の真否はさておいて、もしもそれが本当であると言うのならば、恐ろしいまでの大所帯で聖杯戦争を行うものである。 この狭い 新宿 に、二十八組の聖杯戦争の主従がいて、その全員が激しく戦えば、こんな狭い街、数秒と持たないのではなかろうか。 「先ず、この内の九騎のサーヴァントを用いて、アカシックレコードの存在する世界。即ち、アーカーシャ層への孔を空ける」 其処までは、確かにルイの口から告げられた冬木のそれと変わらない。 「この時点で根源へと到達する訳だが、次に待ち受けているのは抑止力だ。何せ根源そのものに人が到達したのだ。向こうも形振り構っていられない。代行者や守護者を派遣するなどと言うまどろっこしい真似はしないだろう、そのまま有無を言わさず排斥させかねない」 一拍間を置いて、ルイが続ける。 「そして、続く九騎のサーヴァントを用いて、今度は『抑止力からの排斥を防ぐ防御の機構』を作る。想定されている形状は、膜だね。これを生み出す」 「……信頼性は?」 「抑止力のやり方次第だが、少なくとも初撃は防げる。間違いなくね」 どうにも信用出来ない。しかし、凛の猜疑の念など知らぬ存ぜぬと言う風に、ルイは言葉を紡いで行く。 「そして、最後の九騎で、そもそものアカシックレコードの操作する為の『資格』を創造する」 「資格?」 前二つに比べて、サーヴァントの最後の使い道が、今一要領を得ない為、疑問気な声を凛は上げてしまった。 「アカシックレコードの操作は人間には不可能なんだよ。それこそ特殊な装置か、そもそも最初から根源に繋がっているかとか言う才能が必要になる。無手でアーカーシャ層、君達で言う根源に行っても、無駄骨に終わる。操作の為に必要になる資格と言うのが、我々が『アストロラーベ』と呼んでいる『座』だ。これを疑似的に創造し、アカシックレコード自体を騙すのさ。本物に限りなく近いアストロラーベがあって、一時的に人間はアカシックレコードの編纂が許される存在になる事が出来る。無論、権限を偽って操作する物だから、永続的な操作は不可能だ。短い時間の間に、アカシックレコードを編纂するんだね」 「纏めると、こう言う事になる」 「九騎のサーヴァントの魔力で世界に孔を空け、九騎のサーヴァントの魔力で抑止力の妨害を防ぎ切る膜を生み、九騎のサーヴァントの魔力でアカシックレコードを操作する為の座を偽造する。計二七騎。ピッタリ割り切れるだろう?」 「二八騎いる、と言ってなかったかしら? ミスター。その計算じゃ一騎余るわよ」 「その残りの一騎こそが、聖杯戦争の勝利者だよ。遠坂凛」 光り輝く笑みを、ルイは凛へと投げ掛けた。 「なれると良いですねぇ、その生き残りに」 と、惚けた調子で黒贄が凛に向かって言ってきた。 黒贄の言葉が頭の中に入って来ない程、凛は緊張していた。ゴク、と生唾を飲む音を、ルイ、百合子、黒贄は聞いたかどうか。 自分が生き残る為には、この狭い 新宿 で、二八騎ものサーヴァント達の襲撃を凌ぎ切り、殺し尽さねばならないのだ。 しかも、今の自分の現状よ。最早遠坂凛に味方する主従、同盟を組んでくれる者など、一人もいない。NPCですら、最早敵なのである。余りの難易度に、気が遠くなり、そのまま卒倒しそうになる凛であった。 「……ミスター。貴方は聖杯と言うものは、サーヴァントの魔力ないし魂を溜めておく為の容器、と言ったわね」 「ああ」 「此処 新宿 にも、それがあるのね?」 「勿論あるよ。但し、場所と正体に関しては答えられないな。知らないんだ」 内面を悟らせぬ声音で、ルイは返事した。歳の若い凛には、それが本心なのか見抜けなかった。 「孔を空け、抑止力を凌ぎ切り、座と資格を偽造する。理屈は理解したわ。そして、極めて大仰な儀式である事も。それを理解して、もう一つ聞きたいの」 「伺おう」 「私は魔術師よ。抑止力がどう言ったものかも、人よりは理解してるつもり。サーヴァントの魔力を以て創られた膜、偽りの座。長い時間それが持ち堪えられると思わないし、事実ミスターも永続的には持ち堪えられないと言ったわ。……どれ程の時間、耐えられるの?」 根源に至り、剰えその力を利用して私的な願いを叶えようとする者だって、いるだろう。 その願いの中には、人類或いは霊長の存続を主目的としたガイア・アラヤ双方の抑止力からみて許容出来ない願いだってあるだろう。 そうでなくても、アカシックレコードの到達自体が、抑止力の排斥事例である。其処に到達するとなると、当然魔術師が経験した事もないレベルの排斥を受けるかも知れない。 抑止力の全力の排除排斥を、膨大な魔力とは言え、サーヴァントの魔力で防ぎ切れるとは思えない。防いだとしても、リミット付きであろう事は容易に想像出来る。その時間が、凛は知りたかった。 「四分だね。だが、四分全てをアカシックレコードの操作に使いきると、今度はその操作者がアーカーシャ層から逃げ切れる時間がなくなる。つまりは聖杯戦争自体が、勝利者のいなかった徒労の争いに終わる。だから、アカシックレコードの操作時間は、実質的には二~三分。残りの一~二分は、アーカーシャ層から逃げ切る時間に使う必要性がある」 「……つまり、この聖杯戦争は――」 「『たった三分間だけ全知全能になれる時間を掛けて争う戦争』。言いたい事は、そうじゃないのかい? 間違っていないよ。それが 新宿 の聖杯戦争の、真の姿だ」 自分の想像を超えた、 新宿 の聖杯戦争の真の姿。今の感情をどう表現すれば良いのか。 凛はそれすらも解らない。想像をはるかに超えたスケールの大きい計画は、最早荒唐無稽だと馬鹿にする事すら出来ない。 良く出来た作り話だと、ルイの事を笑い飛ばしたかったが、とても、嘘には聞こえない。全てを静かに理解した上で、凛はそっと口を開き、言葉を発した。 「何が聖杯戦争よ……。詐欺じゃない、聖杯は何処よ?」 「本当の聖杯が降誕しないと言う意味では、冬木の聖杯戦争だって詐欺も同然だろう。名称にさしたる意味はない」 かぶりを振るうルイ。 「宝石魔術を得意とする君には、釈迦に説法と言う物かも知れないが、ルビーとサファイアと言う宝石は、元を正せば同じ石だ。コランダムと言う石が、赤いか青いかの違いでしかない。聖杯もそれと同じさ。結局皆誰一人として、神の子の血を受け止めた聖杯を求めていない事が解る。願いだけに用があると言うのならば、ただ聖杯に祈れば良い。聖杯戦争を勝ち残ったと言う証が欲しいのならば、その証を願えば良い。聖杯戦争に挑む大本の理由である、願いを叶えると言う機能だけは本物なのだ。聖杯の有無など、何ら問題ではないだろう」 其処まで語り終えるとルイは、フローリングに置いていたボストンバッグを右手で握ってから、すっくと立ち上がり百合子の方に目配せした。それを受けて、彼女は軽く首肯する。 「おや、帰られるのですか?」 本当にいつもの声の調子で黒贄が訊ねた。 今まで凛とルイが語っていた話、その九割九分九厘理解出来ていないと言う事が、声からも態度からも解る辺りが、もういっそ清々しい程である。 「我々にも時間と言う物があってね。私はこれから元の鞘に戻らねばならない。そちらの百合子は、ある男の所に事務報告をしに行かねばならない。結構忙しいんだ、我々も」 「今言った話、何処まで真実なのかしら、ミスター」 「仮に私が今の話に嘘を交えていたとして、それを正直に話す程鈍い男だと思うかい?」 「ならば、質問を変えるわ。恐らくこれから味方も作れない、まともに話にも取り合って貰えない私達に、何でそんな核心に迫る話を教えたのかしら?」 途端に、ルイは黙った。 但しその表情は、痛い所を突かれて黙然としているのではなく、不敵な笑みを浮かべるだけと言うものだったが。笑みのベクトルが、黒贄とまるで違う。ルイの方は、途方もない暗黒を腹に隠し持っている事が窺える、そんな笑みだった。 「嘘かどうかは、生き残れればわかるわ。嘘を教えて、私達が不様に右往左往する様を肴にして、愉悦に浸るって言うのならば、絶対に許せないわ」 「勇ましい言葉だ。先程のバーサーカーくんの言葉を借りるなら、生き残れるといいね。遠坂凛」 「黒贄。嘘だったら、其処の二名を全力で殺しなさい」 「……うーむ、興が乗りませんなぁ」 「は? 何でよ」 威圧感すら感じられる程の凛の言葉を受けて、黒贄は、ルイと百合子の双方に、交互に目線を送る。 そして、やはり、と言った様子で首を縦に振り、その後口を開いた。 「殺人鬼は、人を殺すから良いのですよ。……人以外の、況して『悪魔』は少し……いや、だけどなぁ」 「……は? 悪魔?」 言われて凛はキョトンとした表情を浮かべるが、対照的に、百合子とルイの方は、驚きの表情を浮かべていた。 百合子よりも、ルイの方が圧倒的に、元の微笑みの表情に戻る方が早く、直に言葉を紡いだ。 「成程……。存外、頭の鈍いサーヴァントではないと言う事か」 改めて、凛の方に身体を向けるルイ。 「君の引き当てたサーヴァントでも、十分勝ち残る事は可能だよ。悲観する事はない」 「百合子」、とルイが口にする。無言で、彼女が頷いた。 「縁があれば、また会えるだろう。次に出会った時は、私が集めた情報を、再び君達に教えてあげよう。その時が来る事を、祈っているよ」 其処でルイは言葉を切る。 凛と黒贄が、全く同じタイミングでまばたきをしたその瞬間だった。彼らの姿は消えていた。 「瞬間移動……!?」と凛が驚くのも無理はない。長距離の空間移動は、それこそ現代においては魔法級の御業だからだ。 現代科学においても、未だ成功例を聞いた事がない高級技術。それをあの二名は難なくやってのけた。名残も気配も一切残さず、彼らは消滅している。 全ては白昼夢の中で起った、奇妙な出来事だったのではないかと。思うしかないそんな一幕だった。 「黒贄、今の男達の事、記憶してる?」 「おやおや、健忘症ですか? 少々値段が張りますが、魚はDHAが豊富で頭に良いと聞きましたよ」 ルイより先にこの男の方を殺したくなるが、凛はグッと堪える。怒るのは疲れるしカロリーも消費する。 ロクに飯も食べられてない現状でカッカするのは余り宜しくない。 「心配せずとも、私は殺人鬼ですからね。それはもうやたらめったら、必要以上に殺しちゃいますよ。凛さんの敵も、ちゃんと殺しちゃうんで怒らないで下さいね」 少なくとも、この最低最悪のバーサーカーは、自分の事をある程度は守ってくれるらしい。 正直今の発言を聞いても、凛としてはまるで安心が出来ないのであるが、少しだけ、本当にほんの少しだけだが、安堵した。 最後まで生き残る、と言う目標が出来た。この先何が起こるのか、凛としては想像も出来ない。だが、何としてでも生き残る。それだけは胸に誓った。心に刻んだ。 「出るわよ、黒贄。此処がルーラーに近い拠点だっていうのなら、余り長居はしてられないわ。……何処か隠れられそうな所を探すわよ」 「はいはい」 言って黒贄は霊体化を行った。それを確認してから、凛は、入口の方へと歩んで行く。 あの得体の知れない男達は、何処かで自分のこれからを嗤っているのだろうか。そう思うと、余計に死んでられないと思う。 靴を履きドアを開け放つ。 新宿 の夏の火は、殺人鬼探偵のマスターにも、等しくそのギラついた光を投げ掛けて来るのであった。 【早稲田、神楽坂方面(矢来町のあるモデルハウス)/1日目 午前11:50】 【遠坂凛@Fate/stay night】 [状態]精神的疲労(極大)、肉体的ダメージ(小)、魔力消費(中)、疲労(小)、額に傷、絶望(中) [令呪]残り二画 [契約者の鍵]有 [装備]いつもの服装(血濡れ) [道具]魔力の籠った宝石複数(現在3つ) [所持金]遠坂邸に置いてきたのでほとんどない [思考・状況] 基本行動方針:生き延びる 1.バーサーカー(黒贄)になんとか動いてもらう 2.バーサーカー(黒贄)しか頼ることができない 3.聖杯戦争には勝ちたいけど… 4.今は此処から逃走 [備考] 遠坂凛とセリュー・ユビキタスの討伐クエストを認識しました 豪邸には床が埋め尽くされるほどの数の死体があります 魔力の籠った宝石の多くは豪邸のどこかにしまってあります。 精神が崩壊しかけています(現在聖杯戦争に生き残ると言う気力のみで食いつないでる状態) 英純恋子&アサシン(レイン・ポゥ)の主従を認識しました。 バーサーカー(クリストファー・ヴァルゼライド)が 新宿 衛生病院で宝具を放った時の轟音を聞きました 今回の聖杯戦争が聖杯ではなく、アカシックレコードに纏わる操作権を求めて争うそれであると理解しました 【バーサーカー(黒贄礼太郎)@殺人鬼探偵】 [状態]健康 [装備]『狂気な凶器の箱』 [道具]『狂気な凶器の箱』で出た凶器 [所持金]貧困律でマスターに影響を与える可能性あり [思考・状況] 基本行動方針:殺人する 1.殺人する 2.聖杯を調査する 3.凛さんを護衛する 4.護衛は苦手なんですが… [備考] 不定期に周辺のNPCを殺害してその死体を持って帰ってきてました アサシン(レイン・ポゥ)をそそる相手と認識しました 百合子(リリス)とルイ・サイファーが人間以外の種族である事を理解しました 現在の死亡回数は『1』です 時系列順 Back Abaddon Next 一人女子会 投下順 Back さくらのうた Next 推奨される悪意 ←Back Character name Next→ 39 有魔外道 遠坂凛 48 Cinderella Cage バーサーカー(黒贄礼太郎) 百合子(リリス)
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/25658.html
劇場版シティーハンター -VOCAL COLLECTION- 期間生産限定盤 シティーハンターアニメ全史ぴあ 発売日:2月22日・8月21日 TVアニメ放送開始30周年記念! 2019年2月全国ロードショー『劇場版シティーハンター』の 劇中歌を収録したコンピレーション・アルバムがリリース。 TVアニメ『シティーハンター』のエンディングテーマとしてブレイクした TM NETWORKの代表曲「Get Wild」ももちろん収録。 ここを編集 2019年2月公開。CITY HUNTER 百万ドルの陰謀に続くシティーハンター劇場版第4作。2019年1月30日、初のTV版Blu-rayBOXが発売。劇場第5作に劇場版CITY HUNTER 天使の涙 エンジェルダスト がある。 https //cityhunter-movie.com/ 総監督 こだま兼嗣 チーフ演出 佐藤照雄、京極尚彦 原作・ゲストキャラクター原案 北条司 脚本 加藤陽一 コンテ こだま兼嗣、佐藤照雄、京極尚彦、佐藤真人 演出 鎌倉由実、馬引圭、山内愛弥、大島克也 キャラクターデザイン 高橋久美子、菱沼義仁 サブキャラクターデザイン ことぶきつかさ、西村博之 総作画監督 菱沼義仁 作画監督 可児里未、伊藤裕次、竹内進二、田頭真理恵、松川哲也、赤井方尚、齋藤卓也、城前龍治、平岡雅樹、中島里恵、柴田淳、兵渡勝、中村勝利、前澤弘美、ことぶきつかさ、片山みゆき、桑名郁朗、茂木信二郎、工藤友靖、佐藤正樹、寺尾洋之、仲盛文、鈴木卓也、有田周平、津野田勝敏 デザインワークス 田頭真理恵、黒川あゆみ、岩佐有祐、大橋沙也伽 メカデザイン 石垣純哉、植田大貴 車輛設定 山根公利 車輛設定資料協力 田中むねよし 銃器設定 青木悠 設定協力 明貴美加 軍事ディレクション 金子賢一 美術監督・美術ボード 加藤浩、坂上裕文 美術設定 加藤浩 美術監督補佐 後藤千尋 色彩設計 久保木裕一 色彩設計補佐 岡宮志帆 撮影監督 長田雄一郎 撮影監督補佐 飯島亮 撮影管理 川下裕樹 3DCGディレクター 後藤優一 モニターデザイン 青木隆 2D効果 前林文恵 特殊効果 村上宜隆、谷口久美子、荒畑歩美、小林香織 編集 今井大介 編集助手 小笠原風 音響監督 長崎行男 音響効果 西村睦弘 ミキサー 山本寿 アシスタントミキサー 鶴巻慶典 音楽 岩崎琢 文芸制作 高橋哲子 オープニングアニメーション 内藤直也、椋代浩章 アニメーション制作 サンライズ ■関連タイトル Blu-ray 劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ 完全生産限定版 シティーハンターアニメ全史ぴあ Blu-ray シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション 豪華版 アニメ版 シティーハンター 冴羽獠ぴあ 『CITY HUNTER』ジャンプ ベストシーン 劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ -ORIGINAL SOUNDTRACK- 初回仕様限定盤 劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ -VOCAL COLLECTION- 期間生産限定盤 CITY HUNTER Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 シティーハンター 冴羽獠ぴあ ベスト盤 City Hunter Sound Collection X-Theme Songs- City Hunter Sound Collection Y-Insertion Tracks City Hunter Sound Collection Z-Dramatic Album- CITY HUNTERパーフェクトガイドブック 別冊宝島 シティーハンター最強読本―TVシリーズ全140話+スペシャル版全6話ダイジェスト シティーハンターイラスト集X 【コミック・マスターピース】 『シティーハンター』 1/6スケールフィギュア 野上 冴子 【コミック・マスターピース】 『シティーハンター』 1/6スケールフィギュア 冴羽 りょう フィギュア・ホビー:CITY HUNTER 原作コミック 北条司/シティーハンター ―Complete edition 1巻 rakuten_design= slide ;rakuten_affiliateId= 053df7e0.7c451bd1.0c852203.190c5695 ;rakuten_items= ctsmatch ;rakuten_genreId=0;rakuten_size= 468x160 ;rakuten_target= _blank ;rakuten_theme= gray ;rakuten_border= on ;rakuten_auto_mode= on ;rakuten_genre_title= off ;rakuten_recommend= on ; 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Switch ゼルダの伝説 Tears of the Kingdom Switch 世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER Switch ピクミン 4 大友克洋 Animation AKIRA Layouts Key Frames 2 小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女 1 ONE PIECE FILM REDデラックス・リミテッド・エディション 4K ULTRA HD Blu-ray Blu-ray 劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ 完全生産限定版 Blu-ray 映画『ゆるキャン△』 Blu-ray 【コレクターズ版】 Blu-ray ウマ娘 プリティーダービー 4th EVENT SPECIAL DREAMERS!! Blu-ray 天地無用!GXP パラダイス始動編 Blu-ray第1巻 特装版 天地無用!魎皇鬼 第伍期 Blu-ray SET 「GS美神」全話いっき見ブルーレイ Blu-ray ソードアート・オンライン -フルダイブ- メーカー特典:「イベントビジュアル使用A3クリアポスター」付 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所 Blu-ray Memorial BOX 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち Blu-ray BOX 特装限定版 地球へ… Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 神風怪盗ジャンヌ Complete Blu-ray BOX HUNTER×HUNTER ハンター試験編・ゾルディック家編Blu-ray BOX BLEACH Blu-ray Disc BOX 破面篇セレクション1+過去篇 完全生産限定版 MAZINGER THE MOVIE 1973-1976 4Kリマスター版 アニメ・ゲームのロゴデザイン シン・仮面ライダー 音楽集 テレビマガジン特別編集 仮面ライダー 完全版 EPISODE No.1~No.98 MOVIE リスアニ!Vol.50.5 ぼっち・ざ・ろっく!号デラックスエディション ヤマノススメ Next Summit アニメガイド おもいでビヨリ アニメ「魔入りました!入間くん」オフィシャルファンブック 『超時空要塞マクロス』パッケージアート集 CLAMP PREMIUM COLLECTION X 1 トーマの心臓 プレミアムエディション パズル ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works はんざわかおり こみっくがーるず画集 ~あばばーさりー!~ あすぱら画集 すいみゃ Art Works trim polka-トリムポルカ- つぐもも裏 超!限界突破イラスト&激!すじ供養漫画集 開田裕治ウルトラマンシリーズ画集 井澤詩織1st写真集 mascotte 鬼頭明里写真集 my pace 内田真礼 1st photobook 「まあやドキ」 進藤あまね1st写真集 翠~Midori~ 声優 宮村優子 対談集 アスカライソジ 三石琴乃 ことのは 亀田祥倫アートワークス 100% 庵野秀明責任編集 仮面ライダー 資料写真集 1971-1973 金子雄司アニメーション背景美術画集 タローマン・クロニクル ラブライブ!サンシャイン!! Find Our 沼津~Aqoursのいる風景~ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会[復刻版] 梅津泰臣 KISS AND CRY 資料集 安彦良和 マイ・バック・ページズ 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』編 氷川竜介 日本アニメの革新 歴史の転換点となった変化の構造分析 Blu-ray THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th Anniversary Celebration Animation ETERNITY MEMORIES Blu-ray おいら宇宙の探鉱夫 ブルーレイ版 Blu-ray 映画 バクテン!! 完全生産限定版 アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~ Blu-ray BOX 初回生産限定版 はたらく細胞 Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 Blu-ray 長靴をはいた猫 3作品収録 Blu-ray わんぱく王子の大蛇退治 Blu-ray 魔道祖師 完結編 完全生産限定版 魔道祖師Q Blu-ray Disc BOX 完全生産限定盤 にじよん あにめーしょん Blu-ray BOX 【特装限定版】 Blu-ray 鋼の錬金術師 完結編 プレミアム・エディション Blu-ray付き やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。完 限定版【同梱物】オリジナルアニメ Blu-ray「だから、思春期は終わらずに、青春は続いていく。」
https://w.atwiki.jp/keio_unyo/pages/50.html
13運行 桜上水駅4#出庫 〔 前運用 平日:21運行 休日:17運行 〕 回送 8003 〇-桜上水 0605 → 0620 東府中 ┐ 普通 6401 └ 東府中 0622 → 0624 競 馬 ┐ 普通 6400 ┌ 東府中 0632 ← 0629 競 馬 ┘ 普通 6403 └ 東府中 0642 → 0644 競 馬 ┐ 普通 6402 ┌ 東府中 0655 ← 0653 競 馬 ┘ 普通 6405 └ 東府中 0702 → 0705 競 馬 ┐ 普通 6404 ┌ 東府中 0715 ← 0713 競 馬 ┘ 普通 6407 └ 東府中 0722 → 0724 競 馬 ┐ 普通 6406 ┌ 東府中 0732 ← 0729 競 馬 ┘ 普通 6409 └ 東府中 0737 → 0739 競 馬 ┐ 普通 6408 ┌ 東府中 0747 ← 0744 競 馬 ┘ 普通 6411 └ 東府中 0752 → 0754 競 馬 ┐ 普通 6410 ┌ 東府中 0802 ← 0759 競 馬 ┘ 普通 6413 └ 東府中 0807 → 0809 競 馬 ┐ 普通 6412 ┌ 東府中 0817 ← 0814 競 馬 ┘ 普通 6415 └ 東府中 0822 → 0825 競 馬 ┐ 普通 6414 ┌ 東府中 0832 ← 0830 競 馬 ┘ 普通 6417 └ 東府中 0837 → 0840 競 馬 ┐ 普通 6416 ┌ 東府中 0847 ← 0845 競 馬 ┘ 普通 6419 └ 東府中 0852 → 0855 競 馬 ┐ 普通 6418 ┌ 東府中 0907 ← 0905 競 馬 ┘ 普通 6421 └ 東府中 0915 → 0917 競 馬 ┐ 普通 6422 ┌ 東府中 0930 ← 0927 競 馬 ┘ 普通 6425 └ 東府中 0938 → 0940 競 馬 ┐ 普通 6426 ┌ 東府中 0949 ← 0947 競 馬 ┘ 普通 6429 └ 東府中 0957 → 0959 競 馬 ┐ 普通 6430 ┌ 東府中 1009 ← 1006 競 馬 ┘ 普通 6433 └ 東府中 1017 → 1019 競 馬 ┐ 普通 6434 ┌ 東府中 1032 ← 1029 競 馬 ┘ 普通 6437 └ 東府中 1038 → 1040 競 馬 ┐ 普通 6438 ┌ 東府中 1050 ← 1047 競 馬 ┘ 普通 6441 └ 東府中 1056 → 1058 競 馬 ┐ 普通 6442 ┌ 東府中 1108 ← 1105 競 馬 ┘ 普通 6445 └ 東府中 1116 → 1118 競 馬 ┐ 普通 6446 ┌ 東府中 1131 ← 1128 競 馬 ┘ 普通 6449 └ 東府中 1138 → 1140 競 馬 ┐ 普通 6450 ┌ 東府中 1150 ← 1147 競 馬 ┘ 普通 6453 └ 東府中 1156 → 1158 競 馬 ┐ 普通 6454 ┌ 東府中 1208 ← 1206 競 馬 ┘ 普通 6457 └ 東府中 1216 → 1218 競 馬 ┐ 普通 6458 ┌ 東府中 1228 ← 1225 競 馬 ┘ 普通 6461 └ 東府中 1236 → 1238 競 馬 ┐ 普通 6462 ┌ 東府中 1250 ← 1247 競 馬 ┘ 普通 6465 └ 東府中 1256 → 1258 競 馬 ┐ 普通 6466 ┌ 東府中 1309 ← 1306 競 馬 ┘ 普通 6469 └ 東府中 1316 → 1318 競 馬 ┐ 普通 6470 ┌ 東府中 1328 ← 1325 競 馬 ┘ 普通 6473 └ 東府中 1336 → 1338 競 馬 ┐ 普通 6474 ┌ 東府中 1349 ← 1346 競 馬 ┘ 普通 6477 └ 東府中 1356 → 1358 競 馬 ┐ 普通 6478 ┌ 東府中 1409 ← 1406 競 馬 ┘ 普通 6481 └ 東府中 1416 → 1418 競 馬 ┐ 普通 6482 ┌ 東府中 1428 ← 1425 競 馬 ┘ 普通 6485 └ 東府中 1436 → 1438 競 馬 ┐ 普通 6486 ┌ 東府中 1448 ← 1445 競 馬 ┘ 普通 6489 └ 東府中 1456 → 1458 競 馬 ┐ 普通 6490 ┌ 東府中 1508 ← 1505 競 馬 ┘ 普通 6493 └ 東府中 1515 → 1517 競 馬 ┐ 普通 6494 ┌ 東府中 1527 ← 1524 競 馬 ┘ 普通 6499 └ 東府中 1533 → 1535 競 馬 ┐ 普通 6498 ┌ 東府中 1543 ← 1540 競 馬 ┘ 普通 6405A └ 東府中 1547 → 1549 競 馬 ┐ 普通 6404A ┌ 東府中 1559 ← 1556 競 馬 ┘ 普通 6411A └ 東府中 1601 → 1604 競 馬 ┐ 普通 6410A ┌ 東府中 1609 ← 1606 競 馬 ┘ 普通 6415A └ 東府中 1611 → 1614 競 馬 ┐ 普通 6414A ┌ 東府中 1621 ← 1617 競 馬 ┘ 普通 6421A └ 東府中 1624 → 1626 競 馬 ┐ 普通 6420A ┌ 東府中 1632 ← 1630 競 馬 ┘ 普通 6427A └ 東府中 1635 ← 1638 競 馬 ┐ 普通 6426A ┌ 東府中 1646 ← 1644 競 馬 ┘ 普通 6431A └ 東府中 1650 → 1652 競 馬 ┐ 普通 6428A ┌ 東府中 1657 ← 1654 競 馬 ┘ 普通 6435A └ 東府中 1701 → 1704 競 馬 ┐ 普通 6434A ┌ 東府中 1710 ← 1707 競 馬 ┘ 普通 6439A └ 東府中 1712 → 1714 競 馬 ┐ 普通 6438A ┌ 東府中 1726 ← 1724 競 馬 ┘ 普通 6447A └ 東府中 1734 → 1736 競 馬 ┐ 普通 6440A ┌ 東府中 1746 ← 1743 競 馬 ┘ 普通 6447A └ 東府中 1752 → 1755 競 馬 ┐ 普通 6442A ┌ 東府中 1802 ← 1800 競 馬 ┘ 普通 6449A └ 東府中 1813 → 1815 競 馬 ┐ 普通 6444A ┌ 東府中 1823 ← 1820 競 馬 ┘ 普通 6451A └ 東府中 1832 → 1834 競 馬 ┐ 普通 6446A ┌ 東府中 1842 ← 1840 競 馬 ┘ 普通 6453A └ 東府中 1849 → 1851 競 馬 ┐ 普通 6448A ┌ 東府中 1859 ← 1856 競 馬 ┘ 普通 6455A └ 東府中 1904 → 1906 競 馬 ┐ 普通 6450A ┌ 東府中 1914 ← 1911 競 馬 ┘ 普通 6457A └ 東府中 1919 → 1921 競 馬 ┐ 普通 6452A ┌ 東府中 1929 ← 1926 競 馬 ┘ 回送 8177 └ 東府中 1935 → 1938 高幡不-△ 高幡不動検車区入庫 高幡不動検車区出庫 普通 5214 ┌ N新宿 0032 ← 2322 高幡不-〇 普通 5605 └ N新宿 0041 → 0054 桜上水-△ 桜上水駅2#入庫 〔 翌運用 平日:11運行 休日:11運行 〕 30運行 桜上水派出所10#出庫 〔 前運用 平日:11運行 休日A:桜上水全休① 休日BC:30運行 〕 回送 8201 〇-桜上水 0832 → 0902 東府中 ┐ 普通 6421 └ 東府中 0905 → 0908 競 馬 ┐ 普通 6420 ┌ 東府中 0918 ← 0915 競 馬 ┘ 普通 6425 └ 東府中 0927 → 0929 競 馬 ┐ 普通 6424 ┌ 東府中 0941 ← 0938 競 馬 ┘ 普通 6429 └ 東府中 0947 → 0949 競 馬 ┐ 普通 6428 ┌ 東府中 1000 ← 0957 競 馬 ┘ 普通 6433 └ 東府中 1006 → 1008 競 馬 ┐ 普通 6432 ┌ 東府中 1019 ← 1016 競 馬 ┘ 普通 6437 └ 東府中 1029 → 1031 競 馬 ┐ 普通 6436 ┌ 東府中 1041 ← 1038 競 馬 ┘ 普通 6441 └ 東府中 1047 → 1049 競 馬 ┐ 普通 6440 ┌ 東府中 1059 ← 1056 競 馬 ┘ 普通 6445 └ 東府中 1106 → 1108 競 馬 ┐ 普通 6444 ┌ 東府中 1119 ← 1116 競 馬 ┘ 普通 6449 └ 東府中 1128 → 1130 競 馬 ┐ 普通 6448 ┌ 東府中 1141 ← 1138 競 馬 ┘ 普通 6453 └ 東府中 1147 → 1149 競 馬 ┐ 普通 6452 ┌ 東府中 1159 ← 1156 競 馬 ┘ 普通 6457 └ 東府中 1205 → 1208 競 馬 ┐ 普通 6456 ┌ 東府中 1219 ← 1216 競 馬 ┘ 普通 6461 └ 東府中 1225 → 1227 競 馬 ┐ 普通 6460 ┌ 東府中 1239 ← 1236 競 馬 ┘ 普通 6465 └ 東府中 1247 → 1249 競 馬 ┐ 普通 6464 ┌ 東府中 1259 ← 1256 競 馬 ┘ 普通 6469 └ 東府中 1306 → 1308 競 馬 ┐ 普通 6468 ┌ 東府中 1319 ← 1316 競 馬 ┘ 普通 6473 └ 東府中 1325 → 1327 競 馬 ┐ 普通 6472 ┌ 東府中 1339 ← 1336 競 馬 ┘ 普通 6477 └ 東府中 1346 → 1348 競 馬 ┐ 普通 6476 ┌ 東府中 1359 ← 1356 競 馬 ┘ 普通 6481 └ 東府中 1406 → 1408 競 馬 ┐ 普通 6480 ┌ 東府中 1418 ← 1415 競 馬 ┘ 普通 6485 └ 東府中 1425 → 1427 競 馬 ┐ 普通 6484 ┌ 東府中 1439 ← 1436 競 馬 ┘ 普通 6489 └ 東府中 1445 → 1447 競 馬 ┐ 普通 6488 ┌ 東府中 1459 ← 1456 競 馬 ┘ 普通 6493 └ 東府中 1505 → 1507 競 馬 ┐ 普通 6492 ┌ 東府中 1518 ← 1515 競 馬 ┘ 普通 6497 └ 東府中 1524 → 1526 競 馬 ┐ 普通 6496 ┌ 東府中 1536 ← 1533 競 馬 ┘ 普通 6403A └ 東府中 1540 → 1542 競 馬 ┐ 普通 6402A ┌ 東府中 1550 ← 1547 競 馬 ┘ 普通 6407A └ 東府中 1552 → 1555 競 馬 ┐ 普通 6406A ┌ 東府中 1604 ← 1601 競 馬 ┘ 普通 6413A └ 東府中 1606 → 1609 競 馬 ┐ 普通 6412A ┌ 東府中 1614 ← 1611 競 馬 ┘ 普通 6419A └ 東府中 1616 → 1619 競 馬 ┐ 普通 6416A ┌ 東府中 1626 ← 1624 競 馬 ┘ 普通 6423A └ 東府中 1629 → 1632 競 馬 ┐ 普通 6422A ┌ 東府中 1638 ← 1636 競 馬 ┘ 普通 6429A └ 東府中 1643 → 1646 競 馬 ┐ 急行 1400 ┌ N新宿 1729 ← 1656 競 馬 ┘ 回送 8169 └ N新宿 1731 → 1741 桜上水-△ 桜上水派出所10#入庫 〔 翌運用 平日:16運行 休日A:桜上水全休① 休日BC:30運行 〕 29運行 高幡不動検車区出庫 回送 8144 ┌ 東府中 1653 ← 1642 高幡不-〇 回送 8513 └ 東府中 1655 → 1657 競 馬 ┐ 普通 6430A ┌ 東府中 1704 ← 1701 競 馬 ┘ 普通 6437A └ 東府中 1707 → 1709 競 馬 ┐ 普通 6436A ┌ 東府中 1714 ← 1712 競 馬 ┘ 普通 6443A └ 東府中 1718 → 1720 競 馬 ┐ 急行 1402 ┌ 新 宿 1754 ← 1725 競 馬 ┘ 回送 8171 └ 新 宿 1756 → 1840 高幡不-△ 高幡不動検車区入庫 44運行 高幡不動検車区出庫 回送 8123 〇-高幡不 0634 → 0642 北 野 ┐ 普通 6111 └ 北 野 0643 → 0657 高尾山 ┐ 普通 5108 ┌ 新 宿 0835 ← 0705 高尾山 ┘ 普通 5125 └ 新 宿 0842 → 1015 高尾山 ┐ 回送 8116 △-高幡不 1044 ← 1027 高尾山 ┘ 高幡不動検車区入庫 高幡不動検車区出庫 回送 8126 ┌ 東府中 1553 ← 1542 高幡不-〇 回送 8509 └ 東府中 1556 → 1559 競 馬 ┐ 特急 0400 ┌ 新 宿 1651 ← 1621 競 馬 ┘ ▼東府中 特急 0083 └ 新 宿 1655 → 1742 八王子 ┐ 特急 0090 ┌ 新 宿 1831 ← 1750 八王子 ┘ 特急 0093 └ 新 宿 1838 → 1920 八王子 ┐ 特急 0002A ┌ 新 宿 2012 ← 1930 八王子 ┘ 特急 0005A └ 新 宿 2015 → 2100 八王子 ┐ 普通 5076 ┌ 新 宿 2231 ← 2107 八王子 ┘ 区急 4723 └ 新 宿 2241 → 2332 橋 本 ┐ 快速 2706 ┌ つつじ 0014 ← 2343 橋 本 ┘ 回送 8187 └ つつじ 0021 → 0032 若葉台-△ 若葉台駅2#入庫 〔 翌運用 平日:49運行 休日:47運行 〕 46運行 高幡不動検車区出庫 回送 8130 ┌ 東府中 1613 ← 1602 高幡不-〇 回送 8511 └ 東府中 1618 → 1623 競 馬 ┐ 特急 0402 ┌ 新 宿 1712 ← 1641 競 馬 ┘ ▼東府中 特急 0085 └ 新 宿 1715 → 1800 八王子 ┐ 特急 0092 ┌ 新 宿 1852 ← 1810 八王子 ┘ 特急 0095 └ 新 宿 1855 → 1941 八王子 ┐ 特急 0004A ┌ 新 宿 2032 ← 1950 八王子 ┘ 特急 0009A └ 新 宿 2038 → 2120 八王子 ┐ 急行 1004 ┌ 新 宿 2219 ← 2128 八王子 ┘ 特急 0217 └ 新 宿 2231 → 2306(高幡不)→ 普通 6023 →(高幡不)2308 → 2319 八王子 ┐ 特急 0016A ┌ 新 宿 0012 ← 2332 八王子 ┘ 特急 0231 └ 新 宿 0018 → 0050(高幡不)→ 普通 6035 →(高幡不)0051 → 0101 八王子-△ 京王八王子駅2#入庫 〔 翌運用 平日:40運行 休日:41運行 〕 1運行 高幡不動検車区51#出庫 回送 8166 ┌ 飛田給 1926 ← 1910 高幡不-〇 回送 8175 └ 飛田給 1929 → 1933 東府中 ┐ 普通 6459A └ 東府中 1935 → 1938 競 馬 ┐ 普通 6454A ┌ 東府中 1944 ← 1942 競 馬 ┘ 普通 6461A └ 東府中 1950 → 1953 競 馬 ┐ 普通 6456A ┌ 東府中 1959 ← 1956 競 馬 ┘ 普通 6463A └ 東府中 2004 → 2006 競 馬 ┐ 普通 6458A ┌ 東府中 2016 ← 2014 競 馬 ┘ 普通 6465A └ 東府中 2024 → 2024 競 馬 ┐ 普通 6460A ┌ 東府中 2036 ← 2034 競 馬 ┘ 普通 6467A └ 東府中 2044 → 2046 競 馬 ┐ 普通 6462A ┌ 東府中 2056 ← 2054 競 馬 ┘ 普通 6469A └ 東府中 2104 → 2108 競 馬 ┐ 普通 6464A ┌ 東府中 2116 ← 2114 競 馬 ┘ 普通 6471A └ 東府中 2122 → 2124 競 馬 ┐ 普通 6466A ┌ 東府中 2133 ← 2130 競 馬 ┘ 普通 6473A └ 東府中 2141 → 2144 競 馬 ┐ 普通 6458A ┌ 東府中 2151 ← 2149 競 馬 ┘ 普通 6475A └ 東府中 2156 → 2158 競 馬 ┐ 普通 6470A ┌ 東府中 2204 ← 2202 競 馬 ┘ 回送 8515 └ 東府中 2208 → 2210 府 中 ┐ 回送 8508 ┌ 東府中 2219 ← 2217 府 中 ┘ 回送 8181 └ 東府中 2229 → 2240 高幡不-△ 高幡不動検車区51#入庫
https://w.atwiki.jp/wgcranking/pages/424.html
西新宿清掃曲 / サイモンマン NORMAL Rank Name Score Result Just Great Good Bad Poor Rate Date 1 SOLB 1250 リザルト 315 24 2 0 0 AAA 23/6/25 2 Yamajet 1238 リザルト 377 38 31 0 0 AAA 23/6/14 3 areacode60 1196 リザルト 341 73 27 0 6 AA 23/6/17 4 S.CROW 1156 リザルト 305 101 39 1 1 AA 23/6/5 5 ちよや 1081 リザルト 232 173 39 1 3 A 23/6/24 6 凹・_・凹 1004 リザルト 209 140 97 0 0 A 23/6/10 ANOTHER Rank Name Score Just Great Good Bad Poor Comment 1 朝倉千仙 1518 401 102 111 4 11 リザルト 2 SYD 1429 347 124 140 6 10 79967-hs3 登録者一覧 S.CROW SOLB SYD Yamajet areacode60 ちよや 凹・_・凹 朝倉千仙
https://w.atwiki.jp/city_blues/pages/190.html
内憂外患と言う言葉がある。 本当に噛み砕いて説明すれば、内にも外にも敵がいると言う状況の事を指す。 言うまでもなく、極めて厄介な状況であると言わざるを得ない。外に敵がいると言うのならば、詮方ない事で納得が出来る。 だが、本来は味方である、と言う想定でなければならない内部にすらも敵がいる。これが厄介なのである。 内部、解りやすい例を挙げるならば、チームと言うべきか。自分のチームにいるのがすべからく自分の味方である、と言う『想定が崩される事』は問題である。 想定の崩壊は猜疑を生み、猜疑が亀裂を生じさせ、亀裂がチームの決裂と言う、最早修復不可能な断裂を生み出す。 こうなってしまえば後は、外敵によるクリティカルの一撃で、敗北、或いは、死が与えられるだけである。 三(にのつぎ)香織――もとい、レイン・ポゥは、基本的には人生の多くを一人で過ごして来た少女である。 但しこの場合の一人と言うのは、親兄弟、一族郎党が死に絶え、友人と言う友人もいない、正真正銘の天涯孤独と言う意味ではない。 心境を理解してくれる人間が、少なかったと言う意味で、一人なのである。 物心ついた時には親がいなかったような気がする。長い間姉と二人きりの生活だった。そして、その姉が、顔も見たくない位の屑だった事は、 サーヴァントとして召喚された今でもよく覚えていた。縫い針で傷にならない程度に刺されたりもした。冬場なのに水風呂にも入れられたりした。 窒息寸前までクッションで顔を抑えつけられたりもしたし、ペンチで舌先を伸ばされたりもした。 姉は、自分が優秀な側面を発揮する事は許さなかった。だから、あらゆる面でレイン・ポゥこと三香織は、姉より劣っていなければならなかった。 姉より優れてはならず、少しでも杭が出ようものなら、姉から手ひどく叩かれる。そんな生活が、何年も続き、その度に彼女は孤独になって行く。 あの小生意気でゲスな妖精であるトコの手で、魔法少女へと転身していなければ、人生の何処かで自殺を敢行していたかも知れない。 その意味では、あの妖精には感謝してもしきれない。魔法少女になってから、彼女の姉は逆に、彼女に頭が上がらなくなった。 『何故か』階段から足を転ばせて三日間会社を休んだ、その日から、である。 親と言う模範が、幼年・思春期の多感な時期に存在せず、唯一頼れる筈だった姉が、そんな調子。 そんな時に、実に下卑た妖精の手により、魔法少女と言う過ぎたオモチャを与えられた人間。それが、彼女、アサシンのサーヴァント、レイン・ポゥなのだ。 まともな人間の筈がない。レイン・ポゥは自分本位で、利己的で、楽して金を稼いで豪奢な生活をしたい。そんな性格の持ち主である。 また送った境遇のせいか、基本的に人は信頼していない。仲間等、以ての外である。彼女は自分の仕事に関しては、殆ど一人で遂行して来た。 仲間なんていた所で、ギャラが減るだけではないか。精々が、盾になるか捨て石になるか程度の役割しか期待出来ない。 そしてそれは、その仲間にしても同じだろうと彼女は考えていた。無能な仲間を数人抱え込むよりは、一人の方が、動き易い。それが彼女の美学だった。 ――そしてその、無能な……と言うよりは、厄介な爆弾と共に、生活せねばならないのだ。 癪に障る話である。如何してこうも自分は、依頼主(クライアント)との星の巡り合わせが悪いのかと、歯軋りをしたくなる。 「アサシン、一つ聞きたいのですけれど」 「何」 ぶっきら棒に、ルーム・サービスの握り鮨を口に運びながら、レイン・ポゥが言った。 「私の腕に換装出来る武器、連射が出来るガトリング式の銃か、一発の威力が高いライフル式、どっちが良いと思うかしら?」 「私が知るかっ」 突き放すようにレイン・ポゥは言った。特に気にする風でもなく、当座の彼女の依頼主……もとい、マスターである少女、 英純恋子は、顎に手を当てて、机の上においてある換装式の銃器の数々を見て、再び考え込み始めた。 朝起きて、聖杯戦争の開催を契約者の鍵から投影されたホログラムで知ってから、純恋子はあの調子であった。 「ついに始まりますのね……」などとのたまう彼女の瞳に、隠し切れない期待の光が輝いていたのを思い出す。頼むから大人しくしていて欲しい。 召喚されてから今日に至るまで、マスターと共に生活し、彼女と触れあい、解った事が一つある。 マスター、英純恋子と、彼女のサーヴァントであるレイン・ポゥは、反りが全く合わない。聖杯戦争に対するスタンスが、正反対と言っても良い。 レイン・ポゥのクラスは、アサシンである。つまりは暗殺者だ。このクラス自体に、不満がある訳ではない。聖杯戦争のクラスに自分を割り当てるとしたら、寧ろ妥当だ。 当然、暗殺者には、暗殺者のやり方と言うものが有る。それは、自分が暗殺者だと如何に気付かれず、そして、如何に自分が今から殺しに掛かるかを気取られないか。 これが重要なのだ。このやり方を忠実に守る事で、生前、自分よりも遥かに格上の魔法少女を葬る事に実際成功している事からも、このやり方がどれ程正しいか窺い知れよう。 如何もこのマスターは、そのやり方の正当性、と言うより、アサシン(レイン・ポゥ)の使い方を分かっていないと見える。 自分も打って出ようとする気概が、身体からこれでもかと言う程に発散されているのだ。 無論、自分から戦おうとする姿勢は一概に駄目と言えるものではなく、寧ろマスターも危険に晒されると言う聖杯戦争の都合上、純恋子の心構えは当然の物である。 このマスターの最大の問題は、アサシンが最もその実力を発揮出来る、不意打ちと言う方法ではなく、真正面から正々堂々彼女を戦わせようとするのである。 アサシンと言うクラスに割り振られた事からも凡その察しはつくかも知れないが、レイン・ポゥの能力は暗殺に特化した魔法少女であり、直接の戦闘は不得手である。 が、彼女自身もそれなりに場数を踏んで来た魔法少女である。対等、或いは少し上程度の実力の魔法少女を、工夫で葬って来た経験はゼロではない。 戦闘も、確かにこなせる。しかしそれは、賢い選択ではない。汗をかかない疲れない、血も流さないしリスクも無い殺しを行うのに、全ての努力を費やす。 それが、魔法少女、三香織のやり方なのである。――そのやり方を、純恋子と言うマスターは全否定していた。 レイン・ポゥは生粋の暗殺者である。言うなれば、生き汚く、狡猾な性格である。対して純恋子は、お嬢様気質でプライドが高い。 自分も戦闘の場に赴かねば気が済まない、レイン・ポゥに言わせればガンガンオラオラ系である。……人は見かけによらない、と言うか何と言うべきか。 お嬢様はお嬢様らしく、こう言った所でのほほんとしているか、出向くにしても、他参加者が見られない所で指示を飛ばして欲しい。 要するに英純恋子は、聖杯戦争と言うステージを軽く見ているのだ。 今も換装可能な銃器を真剣に選ぶ姿からは、アサシンを呼び出し、暗殺に失敗した時の仕切り直しの為のそれを選んでいる、と言うよりは、 自分が直接戦闘に打って出る時に用いる武器を選んでいる、としか見えない。この時点で、聖杯戦争と言うより、殺し合いを舐めている。 レイン・ポゥの見立てでは、この聖杯戦争にも、真正面から戦った場合自分の能力が全く機能しないサーヴァントは、当然いると見ていた。 虹を操る自身の能力は、一度こう言う能力だとタネが割れてしまえば実に攻略が容易い――但しこれは他の魔法少女全般にも言えた事――。 だからこそ、不意打ち闇討ちを、レイン・ポゥは上等としているのだが、それを説明してなお、純恋子は自分に直接戦闘をさせようとしている。 ――何でこう言う女に限ってセイバーとかバーサーカーが来ないんだろうね……―― 心の中で愚痴を零すレイン・ポゥ。 こう言う性格の女性にこそ、三騎士やバーサーカー等のサーヴァントが相応しい筈なのに、何故か宛がわれたのは自分である。 余りの適当さに、驚きを通り越して呆れてしまう。 最期は不可抗力で自分を裏切ってしまったとは言え、生前の相棒が懐かしかった。 笑ってしまう程小悪党で、ゲスで、しかし、自身が唯一心を開いていた魔法の妖精。 このような境遇になって、解る事であった。彼女、トコは、自分にとって最優のパートナーだったのだと。 とは言え、全面的に純恋子が使えないマスターなのかと言えば、そんな事はない。 特に優れていると思う面も、彼女にはあった。金である。彼女の最大の武器は、英財閥の令嬢と言う地位から来る、潤沢極まりない財源なのだ。 ハイアットホテルと言う、国内でも随一の超高級ホテルのワンフロアを何日も貸し切りに出来るだけでなく、レイン・ポゥに好きなルームサービスを頼んでも問題ないと、 太鼓判を押して来た。今現在レイン・ポゥが食べている鮨、ルームサービスのサービス表を確認した所、六千円以上するらしい。 値段も一切確認せず、他人の金で寿司が食べられると言うので頼んだが、後から頼んで目が飛び出そうになった。 因みに計算した所、召喚されてから今日まで、レイン・ポゥは十三万弱分のルームサービスを平らげている事になる。彼女も彼女で容赦がなかった。 ホテルのワンフロアを貸し切っている、と言う事実にしたってそうである。高級ホテルを階層一つを貸し切っているのである。 一日に掛かる料金だって、五十、六十万ではきくまい。それに今純恋子達が拠点としている部屋を見てみるが良い。 スイートルームなど、漠然としたイメージしかレイン・ポゥにはなかったが、実際に宿泊して見ると、凄い以外の言葉を失う。 生前の自分の部屋の四倍以上はあるのではないかと言う程広々とした空間、恐ろしく凝った部屋のデザイン、 貴族が使っていると説明されても納得してしまう洒落たバスルーム、使う事はないだろうが業務が捗る事請け合いのワークエリア。 漫画やドラマの中でしか見られなかった全てが、其処にはあった。これ位が当たり前ではなくて? と自分に言っていた純恋子の顔を思い出す。死んでしまえ。 それにしても、金と言うのはある所にはある物だと、レイン・ポゥは世の不条理さを憎んでしまう。 ギャラの為に仕事を遂行する、そんな魔法少女は少なくない。魔法少女などと言うメルヘンな言葉を用いているが、魔法の国と言う組織に組み込まれてしまえば、 人間世界のサラリーマンと全く大差がない。かく言うレイン・ポゥも、結局は金の為に動いていたような物である。 魔法少女になっても、金は入用になる。魔法少女にならなくても、金はある所にはある。解っていた事であるが、こうまでその現実を見せつけられると……何だか釈然としない。 「ねぇマスター」 「何でございましょう?」 散々悩んだ末に、ライフル式の兵装を手に取りながら、純恋子が言葉を返した。その武器で行くんだ、と言う疑問は、この際レイン・ポゥは無視する事とした。 「前言ってたアレさ、結果出た?」 「……あぁ、調査の事ですわね? 勿論、英財閥の調査室を動かしましたわ。ですが……」 「です、が?」 「聖杯戦争の開催が思ったより早かった物ですから、まだ結果の方が出ていませんの」 残念そうな口ぶりで、純恋子が言った。 自分のマスターとしては正直この少女は不適格極まりない人間ではあったが、流石にこれは、責めに帰すべき事柄ではないだろう。 今から二日程前、レイン・ポゥは純恋子にこのような提言を行った事がある。英財閥の力を用いて、 新宿 を調査して見たらどうだ、と。 無論訝しんだ純恋子であったが、この魔法少女は、「マスターが戦うのに相応しい主従を予め知っておくのも良いでしょ」、と丸め込んだ。 その時は純恋子は納得していたが、無論、レイン・ポゥの本心は其処にはない。レイン・ポゥの本当の狙いは、自分が殺せそうな主従に当たりを付ける事であった。 より正確に言えば、マスターである可能性が高い人物を探す事、であろうか。アサシンと言うクラスが主に暗殺のターゲットとする存在は、サーヴァントではない。 その手綱を握る、マスターの暗殺を主だった仕事とするのである。その為、アサシンを引き当てた主従が腐心すべきは、聖杯戦争に参加している主従は誰で、 アジトは何処か、その察知なのである。そもそもサーヴァントと言う存在は、マスターから供給される魔力で世界に顕現している超常存在だ。 つまり、マスターが殺されればサーヴァントも退場する。故に、人よりも遥かに強いサーヴァントを狙うよりも、マスターを狙った方が合理的であると言うのは、レイン・ポゥでなくても誰もが考える事柄であった。 英財閥お抱えの調査室に命じた事は、身体の何処かに『トライバルタトゥー』を刻んだ者は誰かの調査。これは、令呪の発見の意味がある。 新宿 は、純恋子やレイン・ポゥ、もとい三香織の知る東京都二十三区の一つである新宿区の面影を強く残す都市である。早い話、ファッションも多様だ。 この街でタトゥーを入れている人間などそれこそゴマンといる。それに、聖杯戦争の参加者も馬鹿ではなかろう、令呪が発現すれば、その部位を隠す事は解っていた。 それ故に純恋子達は、『主観から言ってタトゥーを入れている事が考えられないような人物』を発見したら、報告を義務付けるように命令を下していた。 また、経済界や政界にも影響力を持つ英財閥の力を利用し、純恋子は、医療機関にも手を伸ばした。無論、令呪を刻んだ者が診療に来ていないかの調査の為だ。 結果は、今日に至るまでそれらしい報告は、今の所ゼロ。医療機関にしても、入れ墨を刻んだ者はいるにはいたが、それはヤクザ者が刻むようなそれであって、 令呪のそれでは断じてなかった。尤もこう言った結果は、純恋子もレイン・ポゥもある程度は予測出来ていた。 本命は、もう一つの命令。より広義的に、『不審な人物はいないか』、と言う調査命令を下していた。 その最たる例が、今世間を賑わす大量殺人鬼のバーサーカーと遠坂凛、仔細こそは知らないが百名超の人間を殺したバーサーカーとセリュー・ユビキタスと言う外国人達だ。 サーヴァントは見方を変えれば、これ以上とない兵器であり、オモチャである。参加者の中には、聖杯戦争の本戦まで待てず、 無軌道な行動を行っているであろう人物も、当然予測が出来る。現にそう言った主従は、実際に存在した。 尤も、契約者の鍵を通じ、早速主催者なる人物から事実上の指名手配を喰らうような主従は稀であろうが、大抵の場合は世間の話題の俎上にも上がらず、 裏で上手くやっている筈だ。その裏で上手くやっている人物とは、果たして誰なのか。これを、彼女らはあぶり出そうとしたのである。 ――とは言えこれも、簡単に事は運ばないだろうとは、二人も思っていた。 如何に英財閥の調査部と言っても、相手がサーヴァントを従えているとなると、分が悪い。 仮に調べるとしても、ゆっくりと時間を掛ける必要がある。一昨日調査を命じて、早速目星を着けられるのか、と言えば、そう上手くも行くまい。 「結局、自分の足を使うしかないのかね~」 やだやだ、と言った風に、最後の寿司を口に運ぶレイン・ポゥ。 「そうなりますわね」、と口にした純恋子の顔は、何処か嬉しそうであった。本当にこいつは……、と名状しがたい感情が身体の中で燻って行く。 「取り敢えず、進捗の方を聞いて見ましょうか、多少なりとも、進展はある筈でしょうから」 「そね」 二日程度の猶予では大した事は調べ上げられてはいないだろうが、聞いて見ない事には、解らない。 財閥の者を呼び出す為のスマートフォンを取り出す純恋子。「電話終わったらルームサービスになんか甘いデザートとか頼んどいて~」とリクエストするレイン・ポゥ。 はいはい、とそれについて了承する純恋子。幾らでもルームサービスを頼んでよいと言われれば、躊躇なく頼む事が出来る。 他人の金で食べる鮨もステーキも、実に美味しかった。働くのが、それはもう馬鹿らしくなる位に。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「あー……お呼びでしょうか、純恋子お嬢様……」 純恋子の呼び出しに了承し、彼女らが拠点としているフロアーまでやって来たのは、スーツを着た小柄な男だった。 頭は見事なまでに禿げ上がっており、肌は病的なまでに白い。陶磁の様な白と言うよりは、長年陽のあたらない洞窟で生活して来た生物の様な、不健康な白さだ。 彼の名は、霊体化して部屋で待機しているレイン・ポゥも知っている。良くこの場所へとやって来て純恋子に報告を行う事があるからだ。 名をエルセンと言う。日本の財閥に所属する人員なのに、外人なのかと思われるが、グローバル化が進んだ現代、しかも英財閥レベルの組織では、外国人の構成員など珍しくないのだ。 「呼び出した理由は、先程説明した通りです。覚えていますでしょうね、エルセン」 「あ……確か……、入れ墨の事と、不審な人物の……」 「結構。早速ですが、説明なさい」 帝王学を知悉し、極めた風な人間の様な気風を漂わせながら、純恋子は続きを促した。威風堂々、そんな言葉が実に相応しい。 堂々としている事は悪い事ではないが……如何してその気質が、聖杯戦争に於いて好ましくない方向に動くのかと、レイン・ポゥは全く疑問だった。 「あー……、仔細を記した書類を此処に置いておきます……。概要を、ザックリと説明させて貰いますね」 「良いでしょう」 言ってエルセンは、純恋子が足を組んで座る椅子の近くまで歩いて行き、付近のテーブルに、それまで手に持っていたブリーフケースをドンと置いた。 此処に、英財閥が誇る調査部の調査結果が入っているのだろう。全部見るとなると、中々の手間かも知れない。果たして自分のマスターが、 一々精読してくれるのだろうかと、レイン・ポゥの脳裏に一抹の不安が過った。 ケースを置き終えたエルセンは、数歩後ろに下がり、自分達が知り得た情報の報告を行おうとした。彼は立ちっぱ、純恋子は仰々しく座りながら、の関係だった。 「始めに、入れ墨……あっ、トライバルタトゥー、って言うんでしたか……。それに関しては、何と言いますか……、一般的な入れ墨も含めると、 それを彫り入れている人物は 新宿 には相当数いる為に、怪しい……と思える人物のピックアップは、未だに出来ておりません……」 これについては予想出来ていた事だ。目くじらを立てる程ではない。「続けなさい」、冷たく突き放すような口調で純恋子が言った。 「あー……次の、怪しい人物……と言いますか、これに関しても、 新宿 には多いのですが……。此方で、特に妙だな、と思った事を優先してお伝えする、と言う形で……」 「構いません」 「そ、それでは説明させていただきますね……」 ……前々からレイン・ポゥは気になっていたが、如何してこのエルセンと言う男は、人をイラつかせる様な話し方をするのだろうか。 人を騙す演技力には自身のある彼女であったが、そんな自分でも、イライラを隠せないかも知れないとエルセンを見ていてつくづく思う。 そんな人物と話していて、全く怒りの片鱗すらも見せない純恋子は、かなりの大物なのではないか、とも。 「先ず、一番怪しい人物からお教え致します……。し、知らないと言う事はよもやないでしょうが……、あの、遠坂凛と言う女子高校生……」 「えぇ、知っています」 レイン・ポゥもその名前は知っていた。何せ、現状唯一と言っても良い、近代メディアに露出してしまったバーサーカーのマスターであるのだから。 と言うより、二人が聖杯戦争の参加者であると言う事実は、真っ当な情報環境に身を置く人物であるのならば、誰だって推測が出来るであろう。 黒礼服のバーサーカーの、流れるような殺人手腕。あれを見て、サーヴァントだと思わない聖杯戦争の関係者が、どうかしている。 「その遠坂凛が、市ヶ谷に住んでいる事が解りました」 「成程、近づかない方が宜しいですわね」 表面上は至極尤もな事を言って、エルセンの報告に相槌を打つ純恋子。 特に驚いた様子がない事が、レイン・ポゥから見ても解った。と言うより、この魔法少女自身も、さして驚いてはいなかった。 寧ろこの主従に関しては、早期に見つかる方が当然だとすら思っていたのだ。百五十にも超える人物を殺害した、極悪人。 世間の人間が彼女らに抱くイメージがこれである。当然、そんな凶悪犯を警察が野放しにする訳がない。 ましてや今現在この主従は、殺す事が出来れば令呪が一画報酬として貰えると言う、正真正銘の賞金首である。 故に皆、血眼になって捜索するであろう。そして、早期に舞台から退場する事も、十分予測していた。故に、目撃談の一つや二つ、拠点が何処なのか。 それが割れた所で、今更驚くに値しないのである。 【向うの、そこ?】 レイン・ポゥが念話で訊ねた。 【私達が行くには及びませんわ。こんな無軌道な主従、私達がむざむざ足を運ぶまでもありません。他の主従にでも手柄は与えます】 意外そうな目でレイン・ポゥは己がマスターの事を見た。 繊細そうに見えて驚く程好戦的な性格の純恋子の事、絶対に向かうと思っていたのだが、アテが外れた。 臆したと言うよりは、どうやら自分達が戦うにこのバーサーカー主従は相応しいと思っていないように見える。 レイン・ポゥとしては、このバーサーカー達の性質さえわかれば、令呪が貰えるのだから、即座に殺しに行きたかったのだが、生憎、契約者の鍵から投影された情報は、その肝心要のサーヴァントの性質が伏せられている。待ちの一手でも、特に問題はない。 「他に目ぼしい情報は?」 「あー……、次に話す情報は、確定情報と言うか、信憑性は高いが、あくまでも疑い段階の事柄何ですが……」 「お話しなさい」 「わ、解りました……。続いて話す情報は、 新宿 で頻繁に起こる、ヤクザ殺しの情報です。そ、その……ヤクザの意味の説明を、致しましょうか……?」 「それ位は解ります」 解るんだ……、とレイン・ポゥは驚いた。が、後で考えて、この女なら知っててもおかしくないなと考える事にした。 「これはあまり表沙汰になってはいませんが……、 新宿 ではこの頃頻繁に、暴力団が組ごと壊滅される案件が増えています。組の壊滅、つ、つまりは……組員全員皆殺し、です」 「表沙汰になっていない、と仰りましたが、歌舞伎町で起った、マンション住民が全員殺された事件は違いますの?」 今から数日前、歌舞伎町のラブホテル街に建てられたとあるマンション。其処に住んでいた住民が全員、文字通り一人残らず殺される事件があった。 この事件、本来的には世間の話題に上がる事がない事件であった。と言うのもこのマンション、立地場所からおおよその推測がつくだろうが、 住んでいる住民は全員ヤクザやその舎弟達であり、近隣住民やその筋の人間からそのまま、『ヤクザマンション』と呼ばれる程の異次元空間だったのである。 ヤクザは、自分達に間に起った事件を警察に任せる事を非常に嫌う。自分達の間に起った抗争の尻拭いも出来ないのは、面子に関わる事柄だからだ。 だから本来的にはこの事件は、そのヤクザ達が面子に掛けて解決に向かわせるそれであった、筈なのだ。 しかしこのマンションに住んでいた住民は、全てヤクザであったと言う訳ではなく、一割程度、ヤクザと接点のない所謂カタギの住人が生活していた。 ヤクザマンション殺害事件、と現在俗に言われるこの事件が、特に話題になっている理由。それは、その一割のカタギの関係者及び遺族、親族が、 何処かで彼らが殺された事を知り、警察に被害届を出した事から、表社会に露呈したのである。現在ではこの事件は、先の遠坂凛の主従が行った大量虐殺に並んで、特に世間的にも注目が集まる事件となっていた。 「い、今から報告する事柄には、確かに……、そのマンションの事件の犯人、と思われている人物もいます。ですが……それとは別に、裏社会ではもう一つの、ヤクザ関連の事件があるんです……」 「それは?」 「あー……、結局、そのマンションの事件が何で有名になってしまったかと言えば、殺した住民の中に、ヤクザ達と全く接点のない……、俗に言う『カタギ』の人間がいたからです」 これは事実、その通りであった。当該事件がニュースでも取り上げられる経緯を知れば、明らかな事柄だった。 「もう一つの事件が、全く話題にならないのは、そちらの方は……明白に、『ヤクザだけを殺している事件だから』です」 成程、確かにエルセンの言った通りであれば、表沙汰になる事はあるまい。身内だけで粛々と処理が出来るからである。 「警視庁や警察庁とコンタクトを取りました所……、最も有力と考えられる、それぞれの犯人の情報がリークされました」 エルセンが話を続ける。 「先ず、ヤクザマンションの事件ですが……此方の件で犯人だと目されている人物は、『セリュー・ユビキタス』と言う外国人女性です」 今度は純恋子もレイン・ポゥも目を見開いた。繋がった。 遠坂凛とバーサーカーの主従と全く引けを取らない人数を、如何して、バーサーカーを引き当てたとは言えあの主従が殺せたのか。 それは、ヤクザマンションの住民達を全員殺したからである、と考えれば、辻褄は合う。 「如何してその人物が、犯人だと解ったのですか?」 「え、え~っと……何て事は、ありません。押収した監視カメラの映像に、しっかりと殺害の瞬間が映っていました」 「警察の方は、どれ程そのセリューと言う女性の情報を掴めているのです?」 「住所年齢氏名、電話番号、家族構成まで」 「其処まで解っていて、如何して全く捕まらないのですか?」 普通、其処まで情報が掴めているのであれば、今頃は遠坂凛に並ぶ有名人の筈である。 「あー……これは本当に、聞いただけの話なのですが……逮捕に向かった警察関係者が全員、行方不明になっているんです……」 「行方不明……?」 訝しげに顔を顰める純恋子。 「セリュー・ユビキタスが、落合方面に住んでいる事は既に解っています。当然警察も、其処まで覆面パトカーで向かい、住まいのアパートを包囲したんです……が」 「が……?」 「今から逮捕に向かう、と言う連絡を最後に……消息が途絶えたみたいなんです……」 【マスター……】 【バーサーカーが何かやった、とみて間違いありませんわね】 セリュー・ユビキタスと言う女性が既に聖杯戦争参加者であると露見された今、こう考えるのが最も至極真っ当な事柄であろう。此方の主従は、少々知恵が回るらしい。油断は出来ない。 「逮捕に向かった警察関係者の行方不明がニュースにならないのは……、向こうも公言こそしませんでしたが、警察の面子に掛けて職務中に消息不明になった事を表沙汰にさせる訳には行かない……、と言う考えがあるものかと……」 そう考えるのが自然かも知れない。 警察はヤクザ以上に、面子に拘泥する組織だ。バックボーンが国である上に、警察自体が他の組織以上に面子と体裁を気にする組織だからである。 そんな組織が、自分達の恥部を表沙汰にするとは思えない。行方不明になったと言う事実をボカしつつ、セリューを逮捕しようと、今頃は躍起になっているに相違ない。 「セリューに関しての詳しい情報や住所は、先程渡したブリーフケースの中の書類に記載されています」 「解りました。……それで、もう一つの、表沙汰になっていないヤクザ関係の事件とは?」 「あー……、此方の方は、情報源がヤクザなどの裏社会の住民である為、かなりあやふやな所がありますが……」 「問題ありません」 政財界にすら極めて強い影響力を与える事が出来る英財閥は、ある意味でヤクザより怖い組織と言っても良い。 そもそもの保有する財力からして違い過ぎるのだ。きっと、権力と金の力と言う、この世で最もエゲつない力でねじ伏せて、情報を得たんだろうなぁ、とレイン・ポゥは推測した 「此方も、件の犯人は、監視カメラに映っていましたが……これが何とも……」 「何です?」 「あー……、此方に関しては、本名も住所も解っておりません。日本国民であるかどうかも、今のところは解りません」 「……それでは実質、何も掴めていないのと同然ではありませんか?」 「いえ……この話を切り出したのは、その犯人がかなり特徴的な姿をしていたからでして……」 「姿?」 「……メイド服を着用していたんです……」 ――数秒の沈黙の後、眉間を人差し指で軽く押さえながら、純恋子は口を開いた。 「……冗談で言っているようには見えないので、何も言わない事と致しましょう」 純恋子もレイン・ポゥも、そのヤクザ殺しの人物が、何故メイド服を着用していたのか、その理由を考えようとした。 恐らくは、セリューと違い、監視カメラの存在に気づいていた、と言う推測が先ず浮かび上がった。後々特定される可能性を低減させる為に、メイド服を着用し、攪乱したのではないだろうか。 「そのメイド服の人物についての情報はそれで結構です。仔細は、書類に纏めてありますね?」 「はい」 「宜しいでしょう。他に何か情報はありましたか?」 「あー……此処からの報告は、あくまで噂程度の情報、何ですが……」 「構いません」 「では順繰りに説明して行きます……。先ずは、UVM社の社長の噂です」 「UVM」 その言葉を口にする純恋子。純恋子もその会社の事はマークしている。と言うのも、純恋子の知る新宿区に、そんな会社は立っていなかった筈だからだ。 此処が本来の新宿区とは違う歴史を歩んだ、『 新宿 』だからこそ存在する企業なのかも知れないが、それでも、マークするに越した事はない。 「何でもあの会社の社長は、人間ではないと言う噂が少しだけ立っておりまして……」 「人ではない、と言いますと?」 「あー……黒いクラゲめいた姿をしていたような気がする……、と言った、今一要領を得ない目撃談でして……」 なんだそりゃ、とレイン・ポゥも思ったが、既に聖杯戦争は始まっている。何が起きてもおかしくないのが聖杯戦争である。 なれば、芸能界に非常に強い影響力と発言力を持ったUVMの社長が実は悪魔だった、と言う突拍子もない馬鹿らしい話も、途端に無視出来ない話になる。 と言うのも、これは聖杯戦争に関するゴシップに限った事ではないが、噂と言うものには大抵ルーツとなった何かが存在するのである。 話を多くの人々に伝播して行く伝言ゲームの途中で、尾ひれが付いたりするのが、噂の常であるが、大抵はルーツの核となった部分は変わらない。 この場合の噂の核とは、即ちUVM社の社長であるダガー・モールスなる男は、人間とは思えない容姿をしているか、或いは、人間離れした何かを持っているか、 と言う事だった可能性が高い。何れにせよ、そう言った噂がある以上は、マークしておくべきであろう。 「他に何かありますか?」 「あー……そう言えば、『メフィスト病院』なる場所ですが」 「それに関しては結構です」 すぐに純恋子はエルセンの話を打ち切った。 と言うのもこの主従は、エルセンからの報告を受けるまでもなく、その病院の名前を知っていたからだ。 曰く、治せぬ病気などこの世にない病院。曰く、何世紀も先を往く極めて進んだ医療技術と医療装置。曰く、安すぎて逆に法に触れるレベルの診療費。 そして――余りにも美し過ぎるとされる、その院長。その噂は、ネットで調べれば何万件とヒットする程であり、噂の種類に居枚挙に暇がない。 先ず間違いなく、聖杯戦争の主従、それも、キャスターを引き当てたと言う事がすぐに解る。 レイン・ポゥは、街のど真ん中に病院の姿をした拠点を立てる何て、と、そのサーヴァントの判断に訳も解らずにいた。 流石の純恋子も、そのキャスターが何を思っているのか、理解に苦しむ程であった。恐らくは多くの主従が、この病院の存在を認知しているに違いあるまい。 それにも関わらず今の所誰も、この病院に戦闘と言う形でコンタクトを取った形跡がない事を見ると、考える所は皆同じらしい。 それは、『不気味』。度が過ぎたノーガードは、攻め手に逆に不信感を与える事が出来る。このメフィスト病院もまさに、その手合いであった。 何れにしても、英純恋子にとっては、真の女王となるには避けて通れない道。レイン・ポゥにしても、第二の生を受けるには無視出来ない施設。時が進めば戦わねばならない事は、十分に予想出来た。 「他に何かありませんか?」 「他に……ですか。現状我々が調べられた事柄は以上で……あー、一つだけ、報告するべき事が」 「何でしょう?」 「実はどうも……、我々と同じように、 新宿 を調査している人物がいるらしいんです」 「私達の様に……ですか?」 疑問気な調子で純恋子が言った。 「純恋子お嬢様が我々に 新宿 の調査を命じるよりも前に、 新宿 中の記者や公共機関、警察や自治体に金をばら撒いて、情報を自分に伝えるように頼んだ男が……」 この情報に注目したのは寧ろレイン・ポゥの方である。 自分達と同じような手段を用いて情報を集める主従は、冷静に考えればいないとも限らないだろう。 だが、その為に多額の金銭を用いる、と言う手段の方が寧ろこの場合重要であった。それはつまり、この聖杯戦争の舞台である 新宿 には、 純恋子や、一部の大企業の社長を除き、秘密裏に多額の金を持ち合わせた人間が潜伏し、しかもその人物が、戦争関係者である可能性が高いと言うのだ。 今の所結構純恋子の所にも情報が集まるには集まるが、そもそもこのマスター自体が、そう言った情報を蔑ろにする傾向が強い。 情報を積極的に集め、積極的に活用して行く主従は、現状一番警戒せねばならない存在であった。 「その男が何者なのか解りますか?」 「あー……『塞』、と言う名前の男で、黒いスーツに黒いサングラスを付けた男だと言う事は解りましたが……それだけです。 情報の連絡に使う電話番号は本命のものではなく、恐らく複数ある電話番号の一つだと思いますし、メールアドレスも然り、です。 ……また声にしても、元の声に加工するソフトを用いても最早戻す事が不可能なレベルで声質を変えられる、高度なボイスチェンジャーを使っているらしく、 声で特定する事も不可能です。無論……、拠点の発見など、以ての外。相当な手練である事が、予測出来ます……」 ――そう言うマスターと組みたかったんだけど―― 話を聞くに、相当狡猾かつやり手のマスターである事が、レイン・ポゥには解る。 そう言う主従と行動を共にしてこそ実力が発揮出来るのに、何で自分のマスターはアサシンクラスの自分を直接戦闘で運用しようとするのか。 そしてその自信が何処から来るのか、全く理解が出来なかった。 「解りました。その塞と言う男の事については、警戒しておくように。現状の情報は、以上ですね」 「あー……はい」 「後の事は書類に目を通しておきます。下がりなさい、エルセン」 「わ、わかりました」 言ってエルセンは、ドアの方まで下がって行き、その場で一礼。すごすごと、部屋から去って行くのであった。 あの男が部屋から去った瞬間、レイン・ポゥは霊体化を解除。ブリーフケースの置いてある机の方まで向かって行く。 「目星はついた?」 とりあえず聞いて見る。 「方針を立てるのには、ある程度役立つかも知れませんわね。そして、解った事はもう一つ」 「何さ」 「大抵の主従は、上手くやっているようだ、と言う事です」 「それが普通なの、普通」 一部の例外を除けば、大抵の主従は自分達が参加者だとバレないように努力する物だし、積極的な戦闘は、通常は控えるものなのだ。 積極的な戦闘にしたって、呼び出したサーヴァント次第では全くの悪手と言う訳でもなくなる。強いサーヴァントを召喚したのならば、そう言った作戦もアリだ。 純恋子の言う通り、 新宿 で行われる聖杯戦争は、皆上手くやり過ごしているような感を覚える。自分達も、それに倣うべきなのだが……。 「……先程エルセンが知らせた情報の内、明白に拠点が割れている所は、遠坂凛、セリュー・ユビキタス、メフィスト病院、UVM社の、四つでしたわね」 「うん」 「どこに行きたいか、アサシンに決めさせてあげますわ」 「ねぇ、私アサシンって言うクラスの使い方、何度説明したっけ?」 自分の演技力を以ってしても、こめかみに浮かぶ青筋が消せないのが、レイン・ポゥには解る。 如何あっても、自分を連れてサーヴァントと直接戦闘をしたいらしい、このマスターは。 「自分の足で目的に向かって得られるものもありますわよ。フィールド・ワークと言う奴ですわね」 「アンタの所の財閥のNPC派遣すりゃいいだけの話でしょこの馬鹿!!」 「アサシン、確かにそれがベターかも知れませんが、冷静に考えて下さいな。彼らはそもそもNPC、サーヴァント達が起こす超常現象について、全て理解する事は難しいのではないのでしょうか? つまり、報告時に認識の齟齬が生まれる可能性があると言う事です」 何が腹ただしいかと言えば、純恋子のこの言葉が正論であると言う事だった。 そう、彼女の主張の通り、NPCによる調査には限界がある。と言うのも彼らには聖杯戦争の知識がなく、サーヴァントを縦しんば目撃したとしても、 全くその現象が理解出来ないか、最悪殺される可能性だってある。故に、聖杯戦争の主従の確実な情報を集めたいなら、ある程度のリスクを侵す必要があるのだ。 「それに、アサシン。そもそもこの調査の目的は、何でしたか、覚えています?」 「は? そりゃアンタ、カモな主従を探そうと――」 「違うでしょう、いい加減になさい」 ……思い出して来た。と同時に、急激に嫌な予感が身体を襲った。 「私が戦うに相応しい主従の選定、それこそが今回の調査の目的だった筈ですわよ」 そう、多額の金をばら撒いてまで、調査部を 新宿 中に派遣した訳は、何だったか。 レイン・ポゥとしては、組しやすいマスター達を探す為であったが、そもそも純恋子に説明した方便は、戦うに相応しい主従を見つける為、であった。 無論この場合の相応しいと言うのは、弱いとか言う意味ではなく、『女王である自分が戦うに相応しいサーヴァント』と言う意味なのは間違いない。此処に来て、完全に方便が裏目に出てしまった。 「遠坂凛の主従は、私としては選んで欲しくはありませんが、アサシンの選択であると言うのであれば、それに従いましょう。さぁ、何処に行きましょうかしら?」 「ナシっての駄目なの?」 「残念ながら」 身体が萎みそうになる程の量の溜息を堪えながら、レイン・ポゥは顔面を右手で抑えた。 選ばねば、ならないようである。その間純恋子は再び、武器の選定に入り始めた。物凄く真剣に選んでいるその姿から、本気である事が窺える。 臓腑を削られるようなストレスを感じながら、レイン・ポゥは相手を選び始める。魔法少女になっても、サーヴァントになっても、ストレスによる内臓系の圧迫は消えないらしい。嫌な知識が、また一つ増えてしまった。 【西新宿方面(ホテルセンチュリーハイアット)/1日目 午前8:30分】 【英純恋子@悪魔のリドル】 [状態]意気軒昂、健康 [令呪]残り三画 [契約者の鍵]有 [装備]サイボーグ化した四肢 [道具]四肢に換装した各種の武器(現在は仕込み式のライフルを主武装としている) [所持金]天然の黄金律 [思考・状況] 基本行動方針:私は女王 1.願いはないが聖杯を勝ち取る 2. 戦うに相応しい主従を選ぶ [備考] 遠坂凛&バーサーカー(黒贄礼太郎)、セリュー・ユビキタス&バーサーカー(バッター)の所在地を掴みました メイド服のヤクザ殺し(ロベルタ)、UVM社の社長であるダガーの噂を知りました 自分達と同じ様な手段で情報を集めている、塞と言う男の存在を認知しました 現在 新宿 中に英財閥の情報部を散らばせています。時間が進めば、より精度の高い情報が集まるかもしれません 【アサシン(レイン・ポゥ)@魔法少女育成計画Limited】 [状態]健康、霊体化、半端じゃないストレス [装備]魔法少女の服装 [道具] [所持金]マスターに依存 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯獲得 1.マスターを狙って殺す。その為には情報が不可欠 2.マジ何なのコイツ…… [備考] 時系列順 Back “黒”と『白』 Next Brand New Days 投下順 Back かつて人であった獣たちへ Next Brand New Days ←Back Character name Next→ 00 全ての人の魂の夜想曲 英純恋子 25 虹霓、荊道を往く アサシン(レイン・ポゥ)
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/3201.html
【検索用 Love Love 登録タグ L VOCALOID u160(ういろー丸P) 初音ミク 曲 曲英】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:u160(ういろー丸P) 作曲:u160(ういろー丸P) 編曲:u160(ういろー丸P) 唄:初音ミク 曲紹介 曲名:『Love Love』(ラブ ラブ) u160(ういろー丸P)氏、21作品目。 歌詞 冷めた心に 愛をください 一生ぶんの 愛をください Love love give me love Love love 君に love Love love もっと love 愛情をぎゅっと Love love give me love Love love 日々に love Love love 強く love 心にずっと よろこびも 苦しみも 愛してほしい 悲しみも ときめきも 愛してほしい Love love give me love Love love 君に love Love love もっと love 愛情をぎゅっと Love love give me love Kiss kiss kiss me now Love love 君へ love 愛情をそっと 君のこと 愛せたら いつかは笑えるようになるの? いつだって 僕らには 愛が足りない Love love give me love Love love 君に love Love love もっと love 愛情をぎゅっと Love love give me love Love love 日々に love Love love 強く love 心にずっと Love love give me love Love love 君に love Love love もっと love 愛情をぎゅっと Love love we need love Love love to your heart Love love いつも love 心にそっと 冷めた心に 愛をあげよう 君の心に 愛をあげよう コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/city_blues/pages/78.html
我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか ――ポール・ゴーギャン 知らず、生まれ死ぬる人、いづかたより来たりて、いづかたへか去る ――鴨長明、方丈記 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 何も大学と言う場所は、年の若い男女達が主役の場、と言う訳ではない。 年配の人物や、一時別の大学を卒業し、社会人を経験したのに、また戻ってくる者も、少なくない。 何故、その様な事をするのか、と言う理由についてであるが、これに関しては、本当に人それぞれである。 時間と金にゆとりが出来たので、学歴に箔をつけてみたいと言う中年もいる。 今の仕事を辞め、新しくやりたい仕事の為に、貯金を切り崩して、必死に大学で勉強しようとする二十代後半の社会人もいる。 高校を卒業してすぐに仕事を始めたり主婦になったが、勉強をしたくなったので、受験に備えて勉強し、入学する主婦もいる。 では、彼女は、どんな経緯でこの大学に入学し始めたのだろうかと。 W大学の文学部哲学科で教授を務めて三十年のベテラン、山田司郎はパワーポイントで作ったスライドを移動させ、講義内容を口にしながら考えていた。 『田村玲子』は率直に言って、山田がこれまで教えて来たどの生徒よりも物覚えが良く賢い女性だった。 登録された学生のデータによると、彼女の年齢は二十六歳。脳細胞の全盛期を過ぎた人物とは思えない程、頭脳も冴えている。 掃いて捨てる程いる、この大学に入れる程の知能を遊び呆ける為だけに使う、若いだけの男女にも見習ってほしい程であった。 ただ賢いだけでない。山田は主にサルトルを専門的に研究している人物だが、田村は鋭い切り口で此方に対して質問を投げ掛けて来る事が多い。 その質問に関しても、よく彼の著作や二次文献を読み漁っている事が良く解る内容で、答えがいのあるものばかりだ。早い話、哲学についても造詣が深い。 是非とも自分のゼミに入って欲しいものだと山田は願っていた。彼女程優秀な学生は、恐らく自分の教授人生の中で、二度と現れないのでは、と言う確信すらあった。 哲学科の教授と言うのは他の学部の教授達と比べて各界へのコネは少ないと思われがちであるが、実は書籍の編集の世界へのコネを多く彼らは持っている。 山田もその一人だ。田村が望むのであれば、懇意にしてやっている嘗ての教え子に彼女を紹介して、高い地位を与えてやるのも良いし、 彼女自身の高い語学力を活かさせて、翻訳の仕事を紹介しても良い。 ――このように山田は、田村玲子に対して露骨とも言う程贔屓をしているのだが、同時に彼女には謎が多い。 先ず彼女が、この大学に来るまで何をやっていたのか、もとい、前職はなんだったのかと言うのが解らない。そして同時に、彼女の家族構成も全く分からない。 だが最たる謎は、何故この大学に入学したのか、であろう。十八、十九程度の年齢の少年少女なら、遊びたかったからとか、勉強がしたかったからとか言うのが相場だ。 大した謎じゃない。しかし、時期に三十路になろうとしている人物であった場合、何かしらの理由がある筈なのだ。生徒でなくても、教授だってこれは気になる。 以前同じ講義を聞いていた女学生のグループが、田村にその事を聞いていたが、如何にも大人の口ぶりで、「ちょっと勉強がしたかっただけよ」と答えていた。 嘘だろうな、と山田は思った。無論山田は読心術など使えない為、これが本当に田村の本心だと言う可能性だってきっとある。 それなのに彼がそう思った訳は、あくまでも勘である。その勘が、何故だろう。とても信頼が出来るのだ。十何年以上も研究し続けた、サルトルについての事柄が叩き込まれた己が大脳よりもだ。 それともう一つ気になる事は、田村の身体から醸される、冷たい気配だ。時折、彼女と目がバッチリ合う事がある。その瞬間、山田はいつも寒気を感じるのだ。 人間以外の生物。例えるならば、人間の知能を持ったライオンに見つめられているような。そんな感覚である。 たまに思う事があるのだ。田村は、本当に人間なのだろうかと。人間の姿をした化物なのではないのだろうかと。 ……考えすぎか、と思う事にした。 どうも昨日の、学会で発表する為の論文の作成作業による徹夜が響いているようだ。 講義が終わったら学内の自販機で、学生が良く飲んでいるエナジードリンクとやらを買って飲んでみるかと山田は考える。 チラリと田村に目線を彼は移した。机に突っ伏して寝ている男子学生を両サイドに侍らせながら、彼女は真面目にノートに、自分の発言を纏めているのであった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 新宿 は嘗て 魔震 と呼ばれる未曾有の、そして地学史上稀に見る程不可解な大地震より、一時壊滅的な大ダメージを負った街であると言う。 日本国の徹底的な復興作業と、世界各国から集まった義捐金で、復興不可能とすら嘗ての専門家は口にした程の被害ぶりは跡形もなく消え去った。 ――が、それでも。嘗てこの国で 魔震 と呼ばれる現象が起った何よりの証拠である、 新宿 と他区の境界線をなぞる様な形で生まれた 亀裂 だけは。 しっかりと東京都に刻み込まれているのであった。 新宿 は 魔震 前のような、東京都の中でも取り分けて栄えた区としての地位を、今や完全に取り戻したと言っても良い。 が、この区の行政の頭を悩ませているのが、やはりあの深さ五十数㎞以上にも達すると言われているあの亀裂である。 あれのせいでどれだけ不便な交通網を区民や都民に強いているのか、区長は痛いほど理解していた。 一色あの亀裂を埋め立てようと言う計画も立つには立ったが、コストと時間がかかり過ぎる為に結局お流れになった。 結局あの亀裂に対する対策は、橋を増やすしかないと言う極めて頭の悪い事でしか解決が出来ない。これはある意味で、人間の敗北とすら言える。 このように 新宿 は行き来するのがやや不便な区なのであるが……不思議なものである。 そんな区でも、ホームレスと言うのは何故か集まるのである。周りを亀裂で囲まれたこの区ではなく、足立や葛飾にでも行けばいいのに、態々 新宿 へと足を運ぶ。 何故彼らがそんな事をするのかは、聞いて見ない事には解らない。都会の喧騒が心地よいからなのか、それとも飯を恵んでくれる物好きがいるからなのか。 それは、解らない。少なくとも人並みの生活を送る人間には。そして、誰も気にしない。戸籍も住民票もない人間がいなくなっても、誰が問題にすると言うのか? 「そう言う目で見てくれるな、アサシン」 新宿 は新大久保の裏路地に響くその声は、妙齢の女性のものであった。 聞く者が聞けば、あっとなるだろう。さにあらん、その声の持ち主の名は、田村玲子。W大学の文学部哲学科に在籍する生徒の一人なのだから。 まるで時間が凍結した様に静かな路地だった。 夜と言うせいもあろう、裏路地故に人の出入りが少ないと言うせいもあろう。 だが人がそもそも存在しない訳は……今田村が、『アスファルトにこびり付いた赤黒い液体を、二リットルのミネラルウォーターで洗い流している』からではないのか? そして、田村のその作業を冷めた瞳で見つめる、黒い全身タイツ状の服を着用した、体格の良い青年は、何者なのか? 「人間の食事からでもエネルギーが摂取出来る事は出来るが、人間からエネルギーを取るのとでは効率が違い過ぎる。責めるのはよせ」 「……」 アサシンと呼ばれた男、『駆動電次』は答えない。 寡黙な男だ、と、地面にミネラルウォーターを流し続けながら田村は考える。後藤も寡言な男だったが、駆動は後藤以上に何も喋らない。 最後に喋ったのは、駆動を呼び出した時の自己紹介の時だったか? あの時は自分のクラス名だけを伝えて、駆動は即座に霊体化した。 本当に、それ以外田村と駆動は言葉を交わしてすらいない。三木のようにお喋りを好む性質と言う訳では田村はないが、それでも、全く駆動の方からアクションを起こさないのは困り者だ。 田村玲子、と言うのは彼女の本当の名前ではない。 否、訂正するべきか。彼女には名前などない。いやそもそも、彼女の性別も嘘であれば、彼女の肉体自身も嘘である。 彼女と言う呼称も、便宜上、肉体が女性のものであるから用いているだけである。 田村玲子と言う存在は『パラサイト』と呼ばれる生き物だ。Parasite……つまり寄生虫とか寄生生物を意味する英単語であるが、 田村玲子達パラサイトと言う者達の生き方は、その英単語と違える事はない。彼らは人間の脳に寄生し、その身体を乗っ取る生き物なのだ。 彼らの主食は原則、寄生した生物と同系の生物……つまり田村の場合は、人を喰う事になる。 但し彼女は、本来人間が食べるような野菜や牛や豚などの肉でも、パラサイトが生命活動を維持出来る事を知っている。 知ってはいるが、彼女が述べた通りエネルギーの摂取効率が違い過ぎる。だからこそ――こうしてホームレスの肉体を喰らっていたのである。 これから巻き起こる聖杯戦争の熾烈な争いを生き残る為のエネルギーを蓄える為に。尤も、この街には広川はいない。従ってパラサイトの為の食事場も無い。 だからこそ食事には細心の注意を払い、人を『綺麗』に食べ、人が死んだと言う形跡を可能な限り消さねばならない。なくなって見て初めて解る、広川と言う男の手腕よ。 右手に刻まれた、人間の眼球と口を模した、淡く発光するタトゥーを見つめる田村。 自身が聖杯戦争の参加者である事を如実に示す烙印とも言うべきか。令呪、と呼ばれているものらしい。 何の因果かは解らないが、田村はこうして 新宿 の聖杯戦争へと招かれてしまったのだ。あの時草野の死体から零れ落ちた、不思議な鍵など拾わねば良かったと考えだす。 これが人間が言う所の後悔か、と田村は自問する。初めて知った時は不可解な感情だとこれっぽちの理解も示さなかったが、成程。今はよく理解出来る。 昔ならば、世界の終りが告げられても。自分の身体に死が舞い込んでも。ああそうか、と思うだけで、何の感慨も湧かなかった筈だ。 だが何故だろう。今は、田村は余り死にたくなかった。死そのものに恐怖していると言う訳ではなく、死んだ後で自分の知らない・知りたい事が起ってしまうのが惜しいのだ。 目下の懸念は自分が寄生した女性の母体が、Aとセックスした事で生まれたあの赤子である。あれはひょっとしたら、自分達パラサイトが何者なのか。 と言うインスピレーションを、自分に与えてくれるのでは――そう思い育てて来た筈なのだ。だが今は、そんな思惑とは別の感情が湧いて来ているような気がする。 女は子を産み母となり、母は子を愛で母性を知る。知識としては田村も知っている。それと同じような気持ちが、自分にも湧き起っているのか? パラサイトが人の子を案じているのだろうか。ありえない……話では、ないのかも知れない。狼に育てられた、アマラとカマラではないが、 そもそもパラサイトは人の脳に寄生する生き物だ。元来人間の脳が有していた、物事に対する考え方を、パラサイトに影響を与えても、不思議はないだろう。 元の世界に戻りそして、あの赤子の行く末を見てみたい。 だが、聖杯戦争も気になる。パラサイトは神と言う超自然的かつ絶対的、そして概念的で形而上学的な存在を信じない。 しかし実際、そのような超越者がいるのだと言う。そしてその超越者が、聖杯と言うものを実際に用意してもいると言う。 聖杯が叶える願いと言うものに対する執着は希薄だが、実際にこの 新宿 に馳せ参じているというサーヴァント、と言う名の過去の英霊、 或いは異世界の強者の姿を、見てみたい気もする。好奇心、と言う奴である。動物に備わる本能とは違う欲望が強くなっているのが田村には解る。 この上、――命名していいのかは解らないが――赤子に対する母性だ。全く、次から次へと、興味の念は絶えない。 「アサシン」 緘黙を貫く自らのサーヴァントに、パラサイトの女は問うた。 「人は――『我々』は、何処から来て、何処へ行くのだと思う」 それは、田村を現在進行形で悩ませる問いかけ。 パラサイトは何の為に生まれ、何の為に生きるのか。田村玲子はこの命題を追い求める為に子供を成し、自らの同胞を殺めた。 今や人間以上に優れた知性の持ち主となったパラサイトですら答えられぬ問いに、駆動は何と答えるか。はたまた、沈黙を貫くだけか。 「俺にとっては人もお前達も、白紙に過ぎない」 それは酷く虚無的な言葉だった。 不思議なものである。人と言うのは些細な痛みにも神経質に反応し、些細な事で怒り、喜び、そして悲しむ生物だと思っていた。 駆動にはそれらがない。人間を人間足らしめる感情が極端に希薄なのである。パラサイトである自分ですら、それらに対してやや理解を示して来たと言うのに。 何故この男には、それらがないのか。田村には、理解が出来ない。 ――……面白い―― 田村は駆動に興味を覚えた。 人の身でありながら人間に対して強い憎悪を抱き、人と言う種を間引く為に敢えてパラサイトに接触して来た広川と言う男に対して抱いた感情と同じだ。 この男は自らの存在を哲学する為のサンプルに成り得る。自分達パラサイトの存在の謎と、存在する理由を解き明かすツールが、此処まで揃うとは。 自分は幸運なのかも知れないな、と、田村は思うようになる。 二リットルのミネラルウォーターのペットボトルを、路地の脇に置き終えた田村が、スタスタと裏路地の方を進んで行く。 要件は終わった、と言う事を言外に示している。その事を感じ取った駆動も霊体化を始め、彼女に追随する。 ……まさか、田村も知る由はあるまい。 怒りや悲しみ、絶望が強くなり過ぎた時。人は、その感情や情動を失うと言う事など、想像すら出来ないだろう。 そして自らの引き当てたサーヴァントこそが、その類であった事など、解る筈もないだろう。 彼の名は、駆動電次。 人の身体に奇居子を寄生させられる事で人生を狂わされた、哀れな男。孤独で報われない戦いを終生行い続けた、原始的な暴力の化身。 駆動は惰性で戦うだけである。相手が奇居子だろうがサーヴァントだろうが、それは変わらない。今も夢見る、人間としての幸福を求めて。 【クラス】 アサシン 【真名】 駆動電次@ABARA 【ステータス】 (黒奇居子発動時) 筋力A+ 耐久A++ 敏捷A+++ 魔力E- 幸運C 宝具EX (黒奇居子非発動時) 筋力B+ 耐久B+ 敏捷A+ 魔力E- 幸運C 【属性】 中立・悪 【クラススキル】 気配遮断:A++ サーヴァントとしての気配を絶つ。完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。 示隔領域と言う空間を纏う事で高度に発達した科学技術や高ランクの千里眼や感覚スキルを持たない限り不可視の状態を維持可能。 自らが攻撃体勢に移ると、むしろ気配遮断のランクが『上がる』。この気配遮断の数値は、後述の宝具を発動した時の値である。 【保有スキル】 戦闘続行:A+ 往生際が悪い。瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。 再生:A+ 傷を付けられれば、即座に回復する。四肢の欠損からですら、常人には視認不可能な速度で復活出来る。 但し、頸椎の剥離に関して言えば、再生能力が格段に落ちる。 反骨の相:B 権威に囚われない、裏切りと策謀の梟雄としての性質。同ランクの「カリスマ」を無効化する。 千里眼:C+ 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。とくに不可視化などを、ほぼ完全に無力化する。 単独行動:D マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。ランクDならば、マスターを失っても半日間は現界可能。アーチャークラスでの召喚ではない為、ランクは低い。 【宝具】 『はらぺこゴウナ(黒奇居子)』 ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:自身 検眼寮が保管する、奇居子及び示現体に対抗する為の聖遺物であり最終兵器。 その正体は数百年前に存在した大企業、第四紀連が白奇居子をもとにして開発した生体兵器。単体では、甲殻を持った虫状の生物。 これ自体は何の意味もなく、これを人間に寄生させる事で初めて真価を発揮する。この宝具はアサシンに移植されている。 宝具を発動させると、胞(えな)と呼ばれる、非常に強固な外骨格状の組織装甲を形成、それで己の身体を身を包み、全能力の爆発的な向上を行わせる。 アサシンの場合は肋骨(あばら)状の組織を形成する。宝具を未発動、つまり非胞展開時においても、圧倒的なスペックを発揮する。 特に向上が著しいのは敏捷性についてで、重力や慣性の法則、衝撃波の発生と言う不可避の現象を無視した、極超音速での空中機動をも齎す。 残像すら確認出来ない程の速度での高速移動による不可視性に加え示隔領域と呼ばれる自身の透明化を保証する空間を纏う事で、 Aランク以下の感覚、気配察知、直感、千里眼に類するスキルや宝具を完全に無効化する。 弱点である頚椎の剥離を除いて、一時的な行動不能状態にすら持ち込む事は困難であり、四肢断裂ですら常人には認識不可能な速度で再生する。 胞は追加展開が可能で、緊急時には盾のように用いることも可能。驚異的な速度での活動にも耐える高速思考や、大気圏外における活動も保証される。 魔力消費が極端に少ない常時発動型の宝具。解除は可能。 黒奇居子を埋め込むと言う事は非常に危険な措置であり、アサシンはこの宝具を埋め込まれた三人の内の一人。 残りの二人の内一人は知能と情緒の大幅欠如、一人は車椅子での生活を余儀なくされた程。アサシンには目立ったデメリットはなく、ほぼ完璧に馴染んでいる。 但し、アサシンに関しては極端にデメリットが少ないとは言え、奇居子を元にした宝具である以上、アサシンはこの宝具を発動させると人喰いの衝動を発動させる。 そして聖杯戦争に際しては、その特徴がフィーチャーされており、この宝具を発動してから一分が過ぎた場合には、凄まじい空腹感に襲われ、人を貪り喰う衝動に苛まれる。 この衝動が発動した時には、魔力消費の少ないと言う長所が消滅。宝具性能に見合った、爆発的な燃費の悪さがマスターに襲い掛かる。 【weapon】 【人物背景】 報われないヤドカリ 【サーヴァントとしての願い】 不明 【マスター】 田村玲子@寄生獣 【マスターとしての願い】 自らの存在意義に関する謎の解明 【weapon】 【能力・技能】 田村玲子は人間ではない。この生き物はパラサイトと呼ばれる寄生生命体で、この個体はとある人間女性を宿主に決めた数あるパラサイトの内の一人。 パラサイトは人間の脳を奪うと首から上と同化して全身を操り、顔は同じでも元の宿主とは全く別の人格となる。 寄生部分である表面を含めた頭部全体が「脳細胞」の状態となり、脳・眼・触手・口などの役割を兼ねる。 一見すると一般の人間と同じだが、頭部は自由に変形しゴムのように伸縮したり、鋼鉄のように強くすることができる。 刃物の形状で攻撃する際には鉄をも切断するほど強力であり、重いものを持ち上げる腕力と動きの素早さも尋常でなく、 一般人の動体視力ではその動きを捉える事すら不可能に近い。いわば考える、強靭な筋肉。 またパラサイト宿主の体を身体能力の限界に近い状態で長期間稼働させる事も可能。 ただし、寄生部分以外はあくまでも人間のままである為無茶は出来ない。理性や感覚が働かない為に、限界を超えた負荷を発動して負傷する事も珍しくない。 また彼らは痛覚に対する恐怖が希薄で、痛みを恐れない。但し自分がどの程度まで痛めつけられれば死に至るかと言う事については理解している。 寄生部位の頭は非常に再生力が強く、生半可な兵器では死に至らしめる事は難しいが、人間としての部位は別で、主要な内臓に重大な損壊を負えば死ぬし、頭を胴体から切り離され放置しても死ぬ。 以上のようにパラサイトは様々な性質や特質を持っており、少々の攻撃では防御されたり避けられたり、ダメージも受けない。 但し、物理的な攻撃には極端に強靭な一方で、毒物・強酸を浴びたり体内に取り込まされる、火をつけられるなど、細胞同士の反応がずれたり、神経伝達に齟齬が発生する攻撃には不覚を取る事もある。 【人物背景】 人に寄生する事でしか生きられないか弱い生物。自らのレゾンデートルをいつも悩み続ける寄生獣 【方針】 聖杯戦争を楽しんでみる